アサヒグループ、10月の売上落ち込み ランサム被害響く
アサヒグループホールディングス(HD)が、グループ各社の販売動向を発表した。9月に発表したランサムウェア被害の影響を受け、10月は酒類や飲料、食品の売上が前年同期に比べ落ち込んだ。なおアサヒHDは通常、商品別に詳しい販売動向を月次で発表しているが、ランサムウェア被害の影響もあって9〜10月は概況のみを公表した。
アサヒグループホールディングス(HD)は11月13日、グループ各社の販売動向を発表した。9月に発表したランサムウェア被害の影響を受け、10月は酒類や飲料、食品の売上が前年同期に比べ落ち込んだ。なおアサヒHDは通常、商品別に詳しい販売動向を月次で発表しているが、ランサムウェア被害の影響もあって9〜10月は概況のみを公表した。
アサヒビールの9月の売上金額は、概算で前年同期を超えていた。10月の売上は、「スーパードライ」など主力商品の出荷を早期に再開した結果、同9割超に。10月から出荷を再開している商品は、平常時の売上構成比の約8割に相当するという。
アサヒ飲料の9月の売上金額は概算で前年並み。10月の売上金額は、一部の主力商品に絞り込み出荷を再開したものの同6割程度だった。一方でアサヒHDは「出荷品種を順次拡充したことに伴い、10月最終週の売上金額の概算は前年比8割程度で、回復傾向」としている。
アサヒ食品の9月の売上金額は、概算で前年同期の9割超、10月は同7割超だった。粉ミルクやベビーフードなどニーズの高い商品を優先して出荷しているが、品種は順次拡大しており、売上も回復傾向にあるとしている。
アサヒグループHDは9月29日にランサムウェア被害を発表。一時は製品の出荷・製造がまひしたが、10月初旬には手作業で対応するなどして受注・出荷を一部再開した。11月13日時点でも手作業での対応を継続中という。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
ランサム被害のアサヒ、ビールの製造再開 「スーパードライ」は一部出荷も 新商品の発売は延期
アサヒグループホールディングス(HD)とアサヒビールが、ランサムウェア攻撃の影響で停止している業務を巡り、ビールの製造については一部再開したと発表した。社内システムを使った商品の受注・出荷業務は引き続き停止しているものの、一部を手作業で対応することで再開しているという。
アサヒ、ランサムウェア被害を公表 情報漏えいの可能性も 「手作業で受注業務を進めている」
アサヒグループホールディングスは、社内サーバがランサムウェアの被害にあったと発表した。この攻撃を受け、情報漏えいの可能性を示す痕跡が見つかったが、その内容や範囲は調査中という。
サイバー攻撃被害のアサヒ、流出疑いの情報がネット上に ランサム集団はリークサイトでの情報公開を主張
アサヒグループホールディングスが、9月に発表したサイバー攻撃の被害を巡り、同社から流出した疑いのある情報をインターネット上で確認したと発表した。同社を巡っては、ランサムウェアグループ「Qilin」が犯行声明を出していることや、同グループがダークウェブ上で窃取した情報のサンプルを公開したと主張していることが分かっている。
アサヒ、工場見学イベント中止 サイバー攻撃の影響広がる
アサヒ飲料が、10月12日に開催予定だった工場見学イベント「アサヒ飲料 工場フェスタ」を中止すると発表した。親会社のアサヒグループホールディングス(HD)が9月29日に発表したサイバー攻撃の影響という。
アサヒグループHDにサイバー攻撃 ビールなどグループ各社の出荷業務が停止 復旧時期は未定
アサヒグループホールディングスは、社内システムにサイバー攻撃を受けたと発表した。

