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NTT、2030年光量子コンピュータ実用化へ スタートアップと連携協定
NTTは11月18日、膨大かつ高速な計算ができる「光量子コンピュータ」の実用化を2030年までに目指すと発表した。開発に取り組むスタートアップ、OptQC(オプトキューシー、東京都豊島区)との連携協定を締結。通信分野で長年研究開発してきた光技術を生かし、拡張性と信頼性に優れた光量子コンピュータを実現する。
NTTは11月18日、膨大かつ高速な計算ができる「光量子コンピュータ」の実用化を2030年までに目指すと発表した。開発に取り組むスタートアップ、OptQC(オプトキューシー、東京都豊島区)との連携協定を締結。通信分野で長年研究開発してきた光技術を生かし、拡張性と信頼性に優れた光量子コンピュータを実現する。
量子コンピュータは、原子や電子など量子と呼ばれる極めて小さな物質の性質を利用する次世代の計算機で、スーパーコンピュータで数億年かかるような複雑な計算もわずか数分で実行できると期待される。
今回、NTTが実用化を目指すのは、情報処理に電気ではなく光の粒を使う新方式の量子コンピュータだ。小型・省電力化でき、生成AI(人工知能)の活用で増える電力需要の抑制にもつながるという。
実用化されれば、大都市での交通や物流の最適化や空気から効率的に窒素肥料を作り出す技術開発、個々の体質に合わせた創薬が可能になるなど、社会経済に莫大な利益をもたらすとされる。島田明社長は「28年ごろから活用事例を検討していく」と強調した。
NTTは光技術の研究を約60年続けており、光信号による次世代通信規格「IOWN(アイオン)」の実用化にも注力。こうした知見を光量子コンピュータにも活用できるという。
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