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超硬合金チップで切削するレール削正車導入 京王が民鉄初
従来の砥石で削る方式より、広範囲かつ効率的にレール削正でき、列車の乗り心地の向上や、保線作業の省力化につながるという。
京王電鉄は11月27日、レール頭頂面の形状をよくする「レール削正(さくせい)」作業に、超硬合金チップを備えた切削装置を使ってレール頭頂面を削る「ミリング式」のレール削正車を、民鉄(私鉄)として初めて、2026年1月から導入すると発表した。
従来の砥石で削る方式より、広範囲かつ効率的にレール削正でき、列車の乗り心地の向上や、保線作業の省力化につながるという。
導入するのは、ドイツRobel社製の車両。京王のコーポレートカラーである「京王ブルー」と「京王レッド」を基調としたオリジナルデザイン。
レール削正車の名称は「ROMILL600 DT」で、2両1編成。ミリング式削正ユニット搭載車と、ミリングチップ作業室を備えた付随車の2台で構成する。
レール破断の要因となる傷を除去し、傷の発生を抑えられる他、レール頭頂面の凹凸を除去し、レール頭部形状を新品形状に近づけるよう整えられるという。
発生した切りくずは、車両に付属したコンテナへ直接回収し、リサイクルされる。双方の車両に動力を持たせることで、一方の車両がエンジントラブルを起こしても走行可能だ。
1回の通過で作業区間のレールを削正するため、一晩で広範囲にわたってレールを削正できる。
騒音や振動を減らす効果も期待でき、列車の乗り心地向上にもつながる。また、車両台車への負荷を軽減することによる安全性の向上や、レールの交換頻度を抑制して保線作業を省力化する、といった効果も期待している。
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