NEC、歩きながら顔・虹彩を同時認証 小型カメラ1台でOK 1億人以上を判別
装置の前で立ち止まったりのぞき込んだりすることなく、高精度に認証可能。3m離れていても、時速6キロ(早歩き程度)で歩く人物を認証できる。
NECは12月3日、1台の小型カメラで顔認証と虹彩認証を同時に行う「ウォークスルー型マルチモーダル生体認証技術」を世界で初めて開発したと発表した。歩いている利用者を立ち止まらせることなく認証でき、1億人以上の登録者から瞬時に本人を識別できるという。
2026年度中に実証実験を行い、27年度の実用化を目指す。国境審査、空港、金融、決済などに展開する計画だ。
装置の前で立ち止まったりのぞき込んだりすることなく、高精度に認証可能。3m離れていても、時速6キロ(早歩き程度)で歩く人物を認証できる。
顔認証と虹彩認証を組み合わせたことで、単一の生体認証を上回る精度を発揮。1億人以上の登録者の中から、歩いている利用者を瞬時に識別でき、厳格に本人確認できるという。
自己教師による基盤モデル学習を虹彩認証に適用した独自のAI技術により、移動によるブレやよそ見、眼鏡の有無など、通常は認証を妨げるような悪条件下でも、特徴を正確にとらえられるとしている。
システムは小型カメラ、赤外線ライト、処理用プロセッサ、ディスプレイという最小構成で導入できる。屋外や逆光、暗所などさまざまな環境で精度を維持でき、既存の入口やゲートに組み込めるため大掛かりな設備工事は不要だとしている。
従来、厳格な本人確認が必要な国境審査や空港、決済などでは、生体認証にカード提示やパスワード入力を組み合わせた二要素認証が主流だった。だがこのプロセスに時間がかかり混雑が発生したり、カードやパスワードの紛失・盗難といったリスクもあった。
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