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“DRAMパニック”はなぜ起きたか、価格はいつ落ち着くのか? 狂騒の裏で起きていること(5/5 ページ)

世をにぎわす“DRAMパニック”はなぜ発生し、いつ終わるのか?

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落ち着くのは2027年以降?

 この状況がいつ終わるかというと、筆者の予想は2027年以降である。なぜかというと、恐らくContractの期間が1年程度が多い(もっと長いかもしれない)と考えられるからだ。

 1四半期程度だったら、Crucialブランドを一時的に休眠状態にするという選択肢もあった。そうしなかったのは、つまり1四半期では収まらないくらい長期化すると予測したためと思われる。そのためメモリメーカーは、今後1年はContractを優先する形でDRAMを供給するだろう。DDR5については、消費者向けのUnbuffered DIMMではなく、サーバ向けのRegistered ECC DIMMの形での供給がメインとなると想像される。

 ところが、実際にはDDR5をそこまで使うほどの実需は存在しない。結果、26年に入ると各メーカーにはRegistered ECC DIMMの在庫が次第に積みあがり始めるだろう。何年か積んでおけばそのうち消費しきるかもしれないが、上場企業ではそうした不良在庫を抱え続けるのは許されにくい。

 恐らくは26年の決算くらいのタイミングで、損切りの形でそうした在庫を市場に放出を始めるだろう。ただ厄介なのは、放出されるのはサーバ向けのRegistered ECC DIMMということで、通常のPCでは利用ができない。恐らく現在のContract期間が過ぎたあたりでメモリメーカーの生産量の分配比率が改めて見直され、そこから潤沢にDDR5のSpot市場への供給が始まるだろうが、ただそれが市場に届くのは27年になってからと思われる。

 コロナのマスク騒動をもう一度思い出してほしいのだが、結局Panic Buyが収まったのは市場に潤沢にマスクが出回るようになったからだ。あと1年はその状況になりそうにない、というのが現在のDRAMの状況であり、Crucialもこの流れに巻き込まれることになってしまったのは不幸としか言いようがない。27年あたりにまた復活してほしいものだが、果たしてどうだろう?

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