「古生物ぬい」のこだわり、そして「Nuiパン」の発想力 ブームを支える開発者たちに聞いた、ぬいぐるみ作りの“秘訣”とは:分かりにくいけれど面白いモノたち(5/8 ページ)
国立科学博物館の特別展「大絶滅展ー生命史のビッグファイブ」の特設ショップには、沢山の古生物をモチーフにしたぬいぐるみが並んでいる。これがなかなか良くできていて魅力的なのだ。
もしパン屋さんがディズニーキャラクターでパンを作ったら?
ぬいぐるみの奥深さを如実に感じさせるのが、タカラトミーアーツの「Nuiパン」シリーズだろう。まず、パンのぬいぐるみ、しかもかなりリアルにパンを再現しているものが、大ヒットしているという事実が面白い。
タカラトミーアーツ「Nuiパン」を入社1年目に企画し担当したプロダクト企画部の伊藤美空さんと「Nuiパン」たち。手に持っているのは一番のお気に入りというベイマックスをモチーフにした「マリトッツォ」(Sサイズ、2200円)©Disney
さらに、そのパンはディズニーキャラクターをモチーフにしているのだけど、単に、キャラクターの絵が付いているとか、キャラクターがパンっぽい色になっているのではなく、もしもパン屋さんがディズニーキャラクターでパンを作ったら? という設定に忠実に、実際、パンとして再現できる造形になっているのだ。
「入社して1年目、まだ何カ月かという頃に、ぬいぐるみの企画をえることになりまして」と話すのは、Nuiパンシリーズを企画したタカラトミーアーツのプロダクト企画部、伊藤美空さん。パンがお好きなんですか? と聞くと、「好きです。でも実は炭水化物ではラーメンが一番好きです」と笑って答えてくれた。
伊藤さんが最初に考えたのが、この「ちぎりパン」(Sサイズ、2970円)。2025年8月にはプーさんとなかまたちを、11月にはニック・ジュディ・フラッシュ・クロウハウザーをモチーフに発売された。本当にちぎれそうな質感を体験してほしい
「私は悶々と考えるタイプの人なんですけど、その中で弊社のこれまで販売されたぬいぐるみを勉強していたんです。その時、『Mocchi-Mocchi-(もっちぃもっちぃ)』っていう商品を触っていて、このモチモチさとパンって相性抜群じゃない? と気がついたのが私のNuiパンの開発の発端です」と伊藤さん。
まず、見た目ではなく触り心地から企画が始まったというのは不思議な気がするが、ぬいぐるみという製品の性格上、それも自然な流れなのかもしれない。実際、「Mocchi-Mocchi-」は、その触り心地を共通点にしつつ、商品ラインアップは、サンリオキャラクターズ、ポケモン、星のカービィ、おぱんちゅうさぎなど幅広い。形よりも触感重視のシリーズなのだ。
第1弾で大人気となったくまのプーさんモチーフの「サンドウィッチ」(左:Sサイズ、2420円、右:チェーンストラップマスコット、1980円)。中の具はプーさんの物語の舞台にもなっている100エーカーの森で取れた野菜などをイメージしている。具によって布の素材を変えて作った野心作で、試作品が上がってきたとき、伊藤さんは「ここまで出来るんだ」と驚いたという
「ディズニーキャラクターがもともと好きというのもありましたし、最初の私の担当がディズニー商品だったこともあって、関連する要素を組み合わせられないかと思いました。豊富なキャラクターと、沢山の種類が存在するパンを組み合わせたり、キャラクター自体の可愛さもパンにできたらいいんじゃないかという、両者の親和性みたいなところにも注目しました」と伊藤さん。
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