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「モンハンワイルズ」に見る“炎上の連鎖”のメカニズム SNSは苦手なマンガ家が懸念するユーザーと作り手の距離感サダタローのゆるっとマンガ劇場(1/7 ページ)

2025年はゲームに関する炎上騒動も度々起こりました。大きなものでは「アサシンクリード シャドウズ」ですが、もう一つ「モンスターハンターワイルズ」の炎上も大きく、そして長かったと思います。

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 2025年ももうすぐ終わり。今年はポジティブな話題も多かった一方で、ゲームに関する炎上騒動も度々起こりました。大きなものでは「アサシンクリード シャドウズ」ですが、もう一つ「モンスターハンターワイルズ」(以下、ワイルズ)の炎上も大きく、そして長かったと思います。


「モンスターハンターワイルズ」公式サイト(出典:公式サイト

 人気シリーズの最新作ということで発売直後は売上も好調で、発売一カ月で全世界販売本数1000万本を超えたワイルズでしたが、ユーザー評価はあまり芳しくありませんでした。発売から時間が経つと、難易度の低さやコンテンツの少なさといったやりごたえのなさに対する不満の声が、コアなファンを中心に上がるようになりました。

 さらにはバグなど不具合の大量発生。開発元のカプコンもアップデートで対応しますが、その結果、新たなバグが発生したり、アップデートによるゲームのバランス調整や追加要素が逆にユーザーの不満につながったりすることもありました。特にPCでゲームがクラッシュ(強制終了)する事態が多発したことはボクも衝撃を受けました。

 また、公式が発信する情報が、ユーザーの期待するものとことごとくズレていたという面もあったかと思います。例えばコラボ企画で実装したモーションが「力が入っている」と批判されたこともありました。要は不具合の報告や対応は遅れ気味なのだから「他にやることがあるだろう」ということです。とにかく、不満を抱えている人たちが多い状態が続くと、様々なことが“火種”になり得るのだと分かります。

 一方で炎上が長くは続かなかったケースもあります。例えば「ゴースト・オブ・ヨウテイ」は、開発者の一人がSNSで発した政治的発言が原因で発売直前に炎上してしまいましたが、早い段階で会社側がその開発者を解雇したため、現在のゲームの販売は好調です。適切な初期消化が重要です。

 改めて2025年の炎上事例をみていると、SNSが登場して作り手と受け手であるユーザーの距離が近くなったことを実感します。ファミコンの時代ならゲームに不満があっても伝える手段はご意見ハガキか電話でしたから、その内容が世間に知られることはまれでした。SNSがある今、作り手はそれを効果的に使うことで大きな宣伝効果が見込める一方、どうしても流れてくる意見を意識せざるをえません。大変だと思います。

 ユーザーにとっても、意見を簡単に伝えられる良さがある反面、意見の仕方はしっかり考える必要があります。最近はカスタマーハラスメントへの対応を表明する企業も増えていますし、何より見えていなくても相手も感情のある人間なのですから。ほんの数十年で作り手と受け手の距離は急激に縮まりましたが、そんな中でも適正な距離を見つけ出していけるといいな、と思う年の瀬でした。

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