サダタローのゆるっとマンガ劇場
「超かぐや姫!」の新しいのに懐かしい仮想空間に感動したマンガ家、SNS絶賛→賛否両論の理由を考えた(1/7 ページ)
Netflixのオリジナルアニメ映画「超かぐや姫!」が話題になっています。1月22日に配信が開始されて以来、SNS上では大きな反響を呼び、一週間限定だった劇場公開も大盛況で、公開延期が決まるほどの人気です。さっそくボクも見てみました。
物語はおとぎ話の「かぐや姫」がモチーフで、多忙な女子高生・酒寄彩葉が、月からきた少女・かぐやと出会うところからスタートします。仮想空間「ツクヨミ」でライバー(配信者)活動を始めるかぐやを彩葉がサポートすることで、少しずつ2人の距離が縮まっていきます。
そして、このツクヨミにおける描写がとにかく細かく魅力的です。コンタクトレンズ型のデバイスを使ってアクセスするツクヨミは、AIライバーの月見ヤチヨによって管理されている近未来のメタバース空間。そこでは誰もが創作活動を行えるだけではなく、「ふじゅ~」という仮想通貨を使い買い物や推し活を行うこともできます。
ライバーたちは「歌ってみた」動画や和風サバイバルバトルゲームの「KASSEN」のゲーム動画などを配信していて、近未来という設定ながらも、ボクたちの日常となっている配信者文化に極めて近い世界が展開されます。
劇中歌は豪華ボカロPが手掛けています。「メルト」「ハッピーシンセサイザ」といった有名なボカロ曲から今作のオリジナル曲まで、魅力的な楽曲ばかり。かぐや達が演奏する姿は、仮想空間ならではの演出もあり、ボカロ文化にあまり詳しくないボクも単純に素晴らしいと思いました。
このように現実のネット文化が色濃く反映された世界観が魅力的な一方、個人的には物語自体に対しては結構不満も多かったです。特に彩葉に関してですが、キャラクターに関するネガティブなエピソードが意図的に省かれているので、全体的に彼女らのキャラ描写が弱いと感じました。他にも色々とご都合主義的な部分も目に付きました。
SNSでも劇場公開当初は絶賛の嵐だったのですが、最近は一部で“酷評”のような投稿も散見されるようになりました。今作の独特のノリやご都合主義が肌に合わない人がいるのも分かります。それでもボクがこの作品に満足できたのは、この作品の全ての要素が“楽しい”に全振りされているからだと思います。
ネガティブな要素を極力省いた物語をノンストップで、美しいライブ映像やカッコイイバトルシーン等を織り交ぜながら見せる。とにかく“楽しい”をこれでもかと畳みかけてくるので、細かな不満は吹き飛んでしまいます。
物語に色々気になる部分はあるものの「これぞエンタメ!」といった作品に仕上がっている超かぐや姫!。Netflixに加入している人、これから映画館に行くという人達は是非、ボクのように新しいけれど懐かしいネット文化に親しみ、“楽しい”を共有できたらと思います。
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サダタローのゆるっとマンガ劇場
漫画家のサダタローさんが、世界初の電脳編集者「リモたん」と一緒に話題のアレコレについてゆる~く語るまんが連載。たぶん週末に掲載します。
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