3G通信、3月末で終了「スマホなくても生きていける」が口癖のガラケーおじさんの断末魔
「3月31日をもって、ご利用中の携帯電話はお使いいただけなくなります」。今年1月から、誰かに電話をかけようとすると冒頭、警告アナウンスが20秒ほど必ず流れるようになった。ショートメールにも買い替えを促すメッセージ、自宅に届いたダイレクトメールには「自動的に解約」とおどろおどろしい文面。さらにNTTドコモから電話もかかってきて「お買い替えを検討いただけないでしょうか」と畳みかける。ガラケーを使い続ける産経新聞カメラマンの筆者(58)にも、いよいよ年貢の納め時が近づいてきたようだ。
「3月31日をもって、ご利用中の携帯電話はお使いいただけなくなります」。2026年1月から、誰かに電話をかけようとすると冒頭、警告アナウンスが20秒ほど必ず流れるようになった。ショートメールにも買い替えを促すメッセージ、自宅に届いたダイレクトメールには「自動的に解約」とおどろおどろしい文言。さらにNTTドコモから電話もかかってきて「お買い替えを検討いただけないでしょうか」と畳みかける。ガラケーを使い続ける産経新聞カメラマンの筆者(58)にも、いよいよ年貢の納め時が近づいてきたようだ。
「なくても生きていける」天然記念物扱い
ドコモは3月末、「ガラケー」の愛称で知られる第3世代(3G)通信の携帯電話サービス「FOMA」(フォーマ)の提供を終了する。
ガラケーはガラパゴス携帯の略で、日本独自の進化を遂げた携帯端末のこと。世界的にはフィーチャーフォンという名で呼ばれているそうだ。
現役サラリーマンでガラケーの筆者は今や、天然記念物扱いだ。なぜガラケーを使い続けるかというと、スマートフォンが苦手だから。LINEなどのSNSより、本を読んだり映画を見たりしたい。
会社の後輩から「なんでスマホにしないんですか」と聞かれると、「なくても生きていけるから」と答える。家族がスマホでどんなコミュニケーションをしているかも分からないが、もともと相手にされていないので気にならない。
アプリと呼ばれる便利な機能とも無縁のため、紙の地図が手放せない。老眼が進んで小さな文字が見えにくく、困ったときはPCを開くという生活に慣れてしまった。
携帯電話40年の歴史、今やスマホ比率97%超
NTTが携帯電話サービスを開始したのは、1987年。このときは重さ約900gでけっして手軽ではなかったが、91年には小型携帯「mova(ムーバ)」を発売した。当時はまだ高根の花でポケットベルが全盛だったが、値下げとともに普及が進む。
2001年にはFOMAのサービスが開始され、インターネット接続サービス「i(アイ)モード」とともに通話以外の機能も充実。11年にはFOMA契約者が5700万人を超えた。
スマホの元祖とされるのは、米IBMが開発し、1994年に発売された「サイモン・パーソナル・コミュニケーター」だ。タッチスクリーンを搭載し、メールやスケジュール管理、ファクスの機能もあった。”電話もできる電子手帳”という位置付けで、ひっそりと姿を消した。
2007年、米Appleが初代iPhoneを発売。日本では08年にソフトバンクがiPhoneを売り出し、翌年にはAndroid OS搭載のスマホも登場した。
ドコモモバイル社会研究所の調査によると、国内の携帯電話所有者におけるスマホ比率は10年時点で5%以下だったが、15年に50%を超えた。24年には97%を占めている。
阪神大震災から親しんだガラケー、とうとうお別れ
筆者が携帯電話を初めて手にしたのは、神戸駐在カメラマンだった1995年1月、阪神大震災の被災地だ。会社に貸与され、支障なく通信できて取材に圧倒的な威力を発揮した。翌年には自ら購入し、以来30年間、機種を替えながらさまざまな現場で苦楽を共にしてきた。
2017年に会社からスマホが支給されたが、業務連絡や経費精算などの必要最小限の機能しか使わず、仕事中以外は電源をオフにしている。筆者にとって携帯電話は、使い慣れた私有のガラケーなのだ。
ドコモによると、昨年9月時点で約50万人がFOMAを利用。60代以上のシニア層が過半数というのは想像通りだ。だが今年3月末をもって自動的に解約され、4月以降は緊急通報もできなくなる。最近は買い替えへの働きかけが功を奏し、機種変更などは計画通りに進んでいるという。
それでもまだ買い替えない筆者のような無精者には、あの手この手の呼びかけが続く。冒頭に書いたアナウンスが電話をかけるたびに流れ、ショートメールには「サービス終了まで50日を切りました」と切迫した文面で通知が来た。
2月19日には自宅に「最終案内」と書かれた簡易書留が届いた。物々しい赤い文字の文面とデザインに、振り込め詐欺かとゴミ箱にほうり込むところだった。中には、「これまでのご愛顧に感謝の気持ちをこめて」と無料機種の案内や、iPhoneなど高級機種の5万5000円分値引きクーポン。回線契約を伴う端末販売の過度な値引きは法令で規制されているが、3G回線からの移行は特例として認められているという。
ドコモの担当者は「3月は新生活シーズンということもあり、店頭が混み合うため早めの手続きを行ってほしい」と呼びかける。
筆者も買い替えに向けて、とうとう勉強を始めた。iPhoneとAndroidの違いや、おすすめの機種などを同僚に教えてもらっている。ショップではスマホの操作方法も教えてくれるそうなので、近々買い替えに向かうことにしよう。
土井繁孝
1967年、兵庫県出身。92年にカメラマンとして産経新聞入社、ポケベルを貸与される。95年の阪神大震災取材で会社貸与の携帯電話が威力を発揮、翌年ドコモのムーバを購入。2006年に手に入れた初のFOMA機種は「SH902iSL」。革張り風、木目調のデザインが気に入っていたが5年後に故障し「P−07B」に。これも故障して16年に買い替えた中古品「F−10B」を現在も使う。
copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.




