ウクライナがドローン技術を中東に積極供与へ 対イラン防衛への貢献で支援つなぎ止め図る
ロシアに侵略されたウクライナのゼレンスキー大統領は、英議会で演説し、軍事支援と対露制裁の継続を訴えると同時に、ウクライナのドローン技術がイランからの報復攻撃にさらされる中東やペルシャ湾岸諸国の防衛に貢献できると強調した。ゼレンスキー氏は、混迷を深める中東情勢への関与姿勢を示すことで、トランプ米政権や欧州諸国のウクライナへの関心をつなぎ止めたい考えだ。
【ロンドン=黒瀬悦成】ロシアに侵略されたウクライナのゼレンスキー大統領は3月17日、英議会で演説し、軍事支援と対露制裁の継続を訴えると同時に、ウクライナのドローン技術がイランからの報復攻撃にさらされる中東やペルシャ湾岸諸国の防衛に貢献できると強調した。ゼレンスキー氏は、混迷を深める中東情勢への関与姿勢を示すことで、トランプ米政権や欧州諸国のウクライナへの関心をつなぎ止めたい考えだ。
ゼレンスキー氏は演説で、ウクライナには1日に2000機のドローンを生産する能力があるとした上で「うち半数を同盟諸国に供給できる」と述べた。
また、イランからの攻撃を受けている中東・湾岸諸国に計200人を超えるドローンの専門家を派遣し、既に洋上での運用を想定した水中ドローンの開発に着手していると指摘。ロシアに対抗するためウクライナが講じてきたドローン対策は「現在のホルムズ海峡のような状況に対しても活用できる」と強調した。
ウクライナによる一連の取り組みの後ろ盾となっているのが、同国の主要支援国の一つである英国だ。
ゼレンスキー氏とスターマー英首相はこの日の会談で、英国とウクライナが同国のドローンを積極的に輸出展開していくことで合意した。ウクライナのドローン技術と英国の工業生産能力を組み合わせてドローンの大幅な増産を図る、新たな軍産パートナー関係の構築でも一致した。
スターマー氏としては、ウクライナがドローン技術を通じて米欧などでの存在感を高めることを後押しし、ウクライナ支援への国際的な関心を改めて呼び覚ましたい思惑がある。
加えて、トランプ米政権が対イラン攻撃で高騰した原油価格の安定に向けてロシア産原油に関する制裁を一時緩和し、ロシアが勢いづきつつあるのを牽制(けんせい)する狙いも込められている。
スターマー氏は16日、中東での紛争の激化に気を取られてウクライナ支援をおろそかすれば、プーチン露大統領を利するだけだとして「プーチンに棚ぼた利益をもたらしてはならない」と訴えた。
copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.