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マッチングアプリ主催カラオケイベントを独身記者が体験 結果は……

国内最大手のマッチングアプリ「ペアーズ」と「カラオケまねきねこ」がコラボレーションし、カラオケ好きの独身男女が出会いを求めて参加するイベントが人気だ。こども家庭庁によると、4人に1人がアプリで結婚相手に出会う時代。アプリも、合コンも経験がない女性記者が、婚活・恋活の最前線を体験した。

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産経新聞

 国内最大手のマッチングアプリ「ペアーズ」と「カラオケまねきねこ」がコラボレーションし、カラオケ好きの独身男女が出会いを求めて参加するイベントが人気だ。こども家庭庁によると、4人に1人がアプリで結婚相手に出会う時代。アプリも、合コンも経験がない女性記者が、婚活・恋活の最前線を体験した。

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司会を務めるカラオケまねきねこのエリアマネージャー=3月12日午後、東京都渋谷区(酒井真大撮影)

同じ趣味同士だから盛り上がる

 3月12日午後7時。若者でにぎわう東京・渋谷のカラオケまねきねこ渋谷本店でイベントがスタートした。ペアーズに登録した20〜30代の男女各25人(計50人)が6つのテーブルに分かれて参加していた。記者は開始15分前に、用意された大きめのカラオケルームに入った。席は半数近くが埋まり、初対面同士特有の静かな緊張感が漂っていた。顔をこわばらせながら指定されたテーブルに向かった。

 着席すると、入室する際に渡された自己紹介カードへの記入を促された。「好きなアーティスト」や「カラオケでのこだわり」の項目があるのはカラオケイベントならでは。記入を終えて周囲を見渡した。平静を装いながらもどこかソワソワした参加者たちのたたずまいは、自分を映す鏡のようだった。

 まねきねこ店員による軽妙な司会でイベントがスタートした。カラオケ好き同士が集まる空間だからなのか、参加者たちの話は弾んでいるようにみえた。初心者の記者は目を泳がせ、作り笑いに必死だった。

自己紹介で募る不安

 「自己紹介タ〜イム」。

 テンションの高い司会者の声が会場に響いた。拍手に包まれ、一気に盛り上がる。各テーブルで、記入した自己紹介カードをもとにそれぞれのニックネームと好きな音楽をアピールする時間が始まった。

 「『カズトシ』と呼んでください。Mr.Childrenのボーカル、桜井和寿さんと同じ名前です」。前に座る男性は、音楽に絡めて流暢(りゅうちょう)に自己紹介した。その隣の女性は「カラオケでのこだわりは、みんなが好きそうな歌を歌うことです」と、好感度高めの自己PRを披露した。

 記者の番が来た。

 「『幸(さち)』と呼んでください」。名前が「幸子(さちこ)」だからという、何のひねりもないニックネームを披露し、「洋楽が好きで、テイラースウィフトの曲をよく聴きます」と話した。良かったのはここまでだった。続いて「実はカラオケは得意ではないです」と、本音を吐露してしまった。「場違いな発言にひかれたかも……」。不安がよぎった。

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グループ対抗カラオケ歌合戦を楽しむ参加者ら=3月12日、東京都渋谷区(酒井真大撮影)

気遣いの連鎖で心温まる

 自己紹介を終え、グラス片手に乾杯をすると「まねきねこで2025年に3番目に多く歌われた歌は何?」といった、クイズ大会に移行した。

 「テイラースウィフトの曲かもしれないよ」。気を遣ったのか、前に座った男性がボケを挟んできた。「それは絶対にない」。記者は突っ込みを返した。テーブルが少し和んだ気がした。

 メインイベントの「グループ対抗カラオケ大会」がやってくると、テーブルごとに選曲の話し合いが始まった。カラオケ不得意な記者は、積極的に輪の中に入れずにいた。

 隣に座る女性は「幸さん、この歌分かります?」と声をかけてくれた。前に座る女性は「(歌うの)嫌じゃないですか?」と気遣ってくれた。記者が「盛り上げを頑張ります」と応じると、前に座る男性は「盛り上げは大事」とエールを送ってくれた。自分が蚊帳の外にいる感じはなかった。温かな一体感の中、本番で記者は必死にマラカスを振り続け、任務を遂行した。

男性陣移動中は女子会モード

 ほどなく、男性陣だけがテーブルを移る席替えタイムに。男性が席を移動している間、残った女性陣の1人が「集まろうよ」と呼びかけ、女子会がスタートした。

 「こうしたイベントは初めて?」

 「気になる人いた?」

 テレビの恋愛バラエティーでみたようなやりとりが心地よい。周囲からは「アプリで会った男性が既婚者だった。しかも2回続けて……」といった暴露話も聞こえてきた。

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女性同士で集まって楽しめるのもこのイベントならでは=3月12日、東京都渋谷区(西村利也撮影)

 席替え後も、自己紹介してカラオケ大会という基本的流れは同じだった。

 その後は、「フリートーク」の時間となった。記者は隣に座ったゲーム会社に勤める男性と言葉を交わすことに。

 「好きなゲームってあります?」という男性の問いかけに、記者は「(パズルゲームの)キャンディークラッシュにハマりました」と答えた。男性は「あれは(ハマりすぎる)時間泥棒なゲームだよね」と同意し、話が弾んだ。「ゲームのシナリオはどうやって作るんですか」といった記者の質問にも男性は丁寧に答えてくれた。

 時間はあっという間に過ぎ、午後9時でイベントは終了した。

恋人探しの枠を超えた出会いの場

 終了間際、登録したアプリ内の機能を使い、お互いの情報を交換する参加者もいた。記者に情報交換を申し出てくれた男性もいた。自称、奥手な記者はためらってしまった。約半数の参加者は追加料金を支払い、同じ会場で二次会を楽しんだという。「恋愛離れ」が指摘される若者たちは、積極的に出会いを求め、互いを知ろうとしていた。

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アプリ内で情報交換する参加者=3月12日、東京都渋谷区(酒井真大撮影)

 ペアーズを運営するエウレカの本多由美事業開発部統括ディレクターは「オンラインのアプリ上だけだと、なかなか直接的な出会いにつながらない課題もあった」と振り返る。

 歌好きな独身者が出会える場を作ろうと、「カラオケまねきねこ」を運営するコシダカホールディングスと昨年4月に業務提携。昨秋から全国各地ですでに約30回開催し、累計の参加者は700人を超えた。イベントの平均満足度は5点満点で約4点と高い評価を得ているという。

 本多さんは「同性同士が同じ趣味や目的を持つ仲間としてつながることもある」とも。イベントは、恋活・婚活にとどまらない出会いの場でもある、「体温が感じられる交流拠点」だった。

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