電子書籍が作れるNRエディターが絶妙なアプデ 開発者に聞く新機能のコンセプトと便利な“使い方”:分かりにくいけれど面白いモノたち(3/7 ページ)
ボイジャーの「ロマンサーは、「自分で書く 自分で残す 自立出版」をコンセプトにした総合電子出版支援サービスだ。そして専用のEPUBエディタ「NRエディター」。それが今回、なんとも絶妙なバージョンアップを果たした。
なんとなく、NRエディターは、ロマンサー用のCMSみたいな感じだと捉えられてしまうかもしれないが、CMSとの大きな違いは、作った電子書籍をロマンサーで公開したり販売してもいいし、限定公開することも出来るし、EPUBファイルの形でダウンロードして、別の用途に使ってもいいということ。最終出力がWebサイトではなく、EPUBファイルなので、汎用性がとても高いのだ。NRエディターのNRは、New Romancerの略で、ロマンサーの新しいやり方という意味なのだそうだ。もちろん、ウィリアム・ギブソンの「ニューロマンサー」も意識しているはず(多分)。
この連載で書いた「大絶滅展」のぬいぐるみと、タカラトミーアーツの「Nuiパン」を巡る文章を、NRエディターでEPUB化したものの表紙。以下のリンクから内容が読めるので、参考にしてください。表紙の画像は、Affinityで作りました(こちらをクリック
そのVer.2は、実はかなり機能アップしているのだけど、基本的なコンセプトは変わっていない、その証明のように、起動したら、まず、「シンプルモード」と「こだわりモード」が選べるようになっている。「シンプルモード」を選べば、従来通りのシンプルなNRエディターが使えるわけだ。選択肢が限られるシンプルな操作性というのは、場合によっては高機能のものよりも使えるというのは、電子書籍を作ったことがある人なら分かると思うし、そこをきちんと押さえているのが、ロマンサーの「電子出版のハードルを下げる」というコンセプトを体現している部分のように思えて、感動的だったり。
例えばAmazonの「KDP出版」で本を作る場合、紙の本はPDFで入稿するけれど、Kindle本はEPUBのKindle形式で入稿する必要がある。だから、両方作ろうとすると、二つのフォーマットを用意しなければならない。もっとも、Wordで作って、紙用にはPDFに書き出して、EPUBにはロマンサーのサービスでEPUBに変換というのも出来る。
しかし、Wordのファイルは前述したように、段落のスタイルと文字単位のスタイルが混在していたり、不可視のゴミが混在していたりで、変換時にエラーが起きたりする。また、紙で見せたいレイアウトと電書で見せたいレイアウトが同じなら、リフロー式の電書にせずにPDFで公開した方が早い。読書環境を読み手に委ねることができて、読み手は自分の好きなデヴァイスで、好きなフォントサイズで読めるからKindleを選んでいる。となると、電書用には最初からNRエディターで作った方が早い(と私は思う)。
それこそ、5000文字くらいのテキストと数枚の写真を縦書きでサクッと読んでもらいたいとか、紙の本のオマケの小冊子をEPUBファイルでダウンロードさせたいみたいな時、NRエディターでササッとEPUBにして、限定公開でURLだけ共有するのは、とても便利なのだ。何といっても、縦書きで、好きなフォントサイズで、広告が入らない状態で読んでもらえるのがいい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


