AIエージェントはGUIの世界を殺すのか:小寺信良のIT大作戦(1/4 ページ)
AIエージェントの登場で、今後コンピュータを使う、という行為が変わるかもしれない。それは昔のコマンド入力からGUIへの進化に近い、大きな変革になるはずだ。
2024年ごろから、AIがエージェント化することによる業務アプリビジネスの崩壊、すなわち「SaaSの死」が予見されていた。今年1月に登場した米Anthropicの「Claude Cowork」は、その予見をより強化する格好の材料となった。
今後コンピュータを使う、という行為が変わるかもしれない。まずはコンピューティングの歴史と、今起こっていることを簡単にまとめてみる。
かつてDOSの時代は、アプリは特有の顔を持っておらず、全ての操作はコマンドを入力することで呼び出していた。コマンドラインはテキストではあるが自然文ではなく、決められたフォーマットから少しでも外れると動作しない。
しかしその後コンピュータはGUIを獲得し、画面上にあるボタンやメニューを、マウスとカーソルを駆使して1つずつ押してやることで、コンピュータに指示を与えることができるようになった。人間にとっては、どこに機能があるのかといった「場所」で記憶できるし、見て探すということが可能になった。
ただ基本的には、1本指での操作である。さらに言えば、できることはアプリ内で規定されたものに限られる。別のことをやらせるには、アプリ間の移動が必要だ。
AIエージェントは、自然文で指示を与えると、AIが自分で考えて必要なコンピューティングを代行してくれる。昨今は人間用に作られたGUIを操作して、目的を達成できるようになってきた。例えばWebサービスなどは人間が入力操作するように作られているが、AIエージェントが代わってやってくれる。
各種インターネットサービスを提供するインターリンクは、人間向けのホームページをやめた。AIが情報を読みやすいよう、Markdown形式になっている。
人間がサイトを検索して訪れる、人間が読みやすいサイトにコストを投じるより、AIエージェントが拾いやすいほうがリーチ率が上がるというのは、一つの考え方だ。多くの企業が追従できる作戦ではないが、AIエージェント向けに別の入口を作って同じ内容を提供するというやり方はあるかもしれない。
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