中国EVの猛攻にさらされる欧州 新車販売の1割が中国製 追加関税も骨抜きに
【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)は、中国製の電気自動車(EV)の猛攻で苦戦を強いられている。2024年には中国の不当な補助金支給を理由に中国製EVに追加関税をかけ、税率を最大45.3%にしたが、輸出の勢いは止まっていない。
米シンクタンク、ロジウム・グループによると、EU域内では2025年12月、新車販売の9.3%を中国製が占めた。特に、中国の自動車大手、比亜迪(BYD)の進撃がめざましく、低価格EVのほかハイブリッド車でも売り上げを伸ばす。欧州自動車工業会の調べでは昨年、EUでBYDの新車登録数は約12万9000台に達し、前年比で約3.3倍に増えた。
高級路線にも進出する。BYDが今月8日、パリのオペラ座でお披露目した傘下の高級EVブランド「騰勢(DENZA)」は、欧州での販売価格が11万5000ユーロ(約2100万円)。9分でフル充電できる技術力も話題になった。
中国メーカーがEU域内で生産を目指す動きも進む。BYDはハンガリー南部セゲドに今年、欧州初のEV組み立て工場を稼働させる予定。中国自動車大手の奇瑞汽車(チェリー)も、スペイン東部バルセロナの旧日産工場で現地企業と合弁を組み、EV生産を開始する予定だ。
EUの中国EVに対する高関税は、貿易摩擦に発展。中国に進出するフォルクスワーゲン(VW)など欧州企業の足かせにもなった。EU欧州委員会は1月、中国製EVに最低価格を設ける計画を示し、追加関税に代わる妥協策を模索している。
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