「SaaSの死」は起こっていない? 2つの調査から見えてきたAIで代替できない、代替すべきではない業務:小寺信良のIT大作戦(1/5 ページ)
米AnthropicがClaudeベースの業務エージェント機能を発表したことで、SaaSのユーザーが激減する、いわゆる「SaaSの死」が起こるのだという説が息を吹き返した。では実際にそのような変化は起こっているのか。最近こうしたことを調査した例が2件ある。
2026年初頭、米AnthropicがClaudeベースの業務エージェント機能を発表したことで、SaaSのユーザーが激減する、いわゆる「SaaSの死」が起こるのだという説が息を吹き返した。元々は24年ごろに提唱された概念である。
SaaSの提供側企業は戦々恐々となり、実際に株価も下がるといった現象も起こった。ただ現時点では、懸念されるほどSaaS提供企業の倒産などが起こっているわけではない。
多くの業務系SaaSは、本質的には「データベース+業務ロジック」である。業務ロジックを動かしているのは人間だが、エージェンティックAIがそれを動かすようになる。よってSaaSアプリケーションは、人間に対するUIを提供する必要がなくなり、AIの背後にあるデータベースへと変化するというのが一つの方向性である。
では実際にそのような変化は起こっているのか。最近こうしたことを調査した例が2件ある。一つはエイトレッド(東京都渋谷区)が4月22日に公開した、【AI時代のSaaS生存調査】だ。従業員100人以上の企業に勤務し、業務でAIを活用している情報システム・DX推進・経営企画部門の担当者107人を対象に、AI時代に生き残るSaaSの条件に関する実態調査を実施した。
もう一つはKiteRa(東京都港区)が6月4日に公開した【AI(生成AI・AIエージェント)利用実態調査】だ。日常業務でSaaSを利用している管理部門・専門部門に所属する20〜59歳のビジネスパーソン1087人を対象に、「AI(生成AI/AIエージェント)の利用実態に関する調査」を実施した。
今回はこの2つの調査を見比べながら、一般企業はエージェンティックAIの登場によってSaaSの利用形態が本当に変わったのか、その実態を検証してみたい。
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