EU、子供のSNS「利用開始年齢」設定へ──フォン・デア・ライエン委員長「SNSはおもちゃではない」
欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長は、子供のオンライン安全に関する特別パネルから報告書を受け取り、「SNSはおもちゃではない」として、SNSの利用開始年齢の設定や年齢層ごとの段階的アクセスの検討が必要と主張した。欧州委は10日、MetaのInstagramとFacebookの「依存性のある設計」がDSA違反に当たるとの予備的見解も発表している。
欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は7月13日(現地時間)、子供のオンライン安全に関する特別パネル(Special Panel on Child Safety Online)から報告書を受け取り、声明を発表した。同パネルは委員長が設置した専門家組織で、2026年3月から6月にかけて3回の会合を開き、子供がオンラインで過ごすことの機会とリスクを検討してきた。
ライエン氏は声明で「ソーシャルメディアはおもちゃではない」と述べ、子供がSNSに参加できる開始年齢を設ける必要があるという点で既にコンセンサスがあると強調した。欧州では若者が1日4〜6時間を画面に費やしており、生涯に換算すると20年に相当すると指摘。また、約60%の子供がオンラインで感情面や心理社会面の問題を経験しているとし、睡眠不足、うつ、不安、ネットいじめ、有害コンテンツへの接触などの影響を挙げた。
その上でライエン氏は、3つの論点(プラットフォームの安全責任、EUの年齢確認アプリなどを活用した年齢に応じたアクセス制限、SNSの「利用開始年齢」の設定)を提示した。プラットフォームの責任については、DSA(デジタルサービス法)に基づき、TikTokの依存性のある設計への対応や、前週の米Metaに対する措置など、強力な行動を既に取ってきたと説明。利用開始年齢については、飲酒や自動車の運転と同様に、SNSに合法的にアクセスできる年齢を定める必要があると主張し、3歳未満の子供は画面に一切触れるべきではなく、子供のSNS利用は保護者や教師らの監督下で時間を制限して行うべきだとした。欧州委員会は報告書の提言を精査し、夏以降に法案を提示する計画だ。
ライエン氏が言及したMetaに対する措置は、欧州委員会が10日に発表した、InstagramとFacebookの「依存性のある設計」がDSA違反に当たるとする予備的見解を指す。無限スクロールや動画の自動再生、プッシュ通知などの機能がユーザーの強迫的な利用を助長するにもかかわらず、Metaは心身への影響を適切に評価せず、リスク軽減策も不十分だったとし、自動再生や無限スクロールをデフォルトで無効にするなどの設計変更が必要との見解を示した。違反が最終的に認定された場合、全世界年間売上高の最大6%の制裁金が科される可能性がある。
なお、ライエン氏は声明で、オーストラリアなどのパートナー国の経験にも耳を傾けてきたと述べた。オーストラリアでは2024年11月に16歳未満のSNS利用を禁止する法案が可決され、2025年12月に施行済みだ。
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