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「サナエトークン」巡る首相秘書陳述全文 「一度も説明受けず」(2/2 ページ)

高市早苗首相(自民党総裁)の陣営による党総裁選などでの中傷動画作成疑惑や名前を冠した暗号資産「サナエトークン」を巡り、首相は7月22日、週刊誌などが関与を伝えていた秘書の陳述書を衆院予算委員会に提出した。秘書は、陳述書で関与を全否定した。

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産経新聞
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 次に、「サナエトークン」の件につきまして御説明します。

 私を含め、高市事務所として、「サナエトークン」という名称の暗号資産が発行され、取引がなされるということについて、事前に説明を受けたことはなく、承認をしたこともないということは、まず最初に申し上げたいと思います。

 「サナエトークン」の発行に関わっていたとされるNoBorder社は、もともと信頼できる方から紹介を受けた方が代表を務める企業であり、昨年12月、企業側からお声がけをいただきましたのでオンライン会議を持ちました。会議での話題は、主に、この企業が検討している「NoBorderアプリ」の説明と、その中で勝手連で内閣や自民党を応援するプロジェクトである「Japan is Back プロジェクト」として「国民の声を広く聞くための企画」を展開することについての紹介であったと記憶しています。あくまでも当該企業が取り組んでいる企画の紹介であり、事務所の関与を求められる要素もありませんでしたので、基本的に先方のお話を伺うという形で進んだという記憶です。

 その会議の中で、「NoBorderアプリ」内でポイントを付与するというアイデアが紹介された記憶はあります。会議の中で「暗号資産」という言葉が使われたのではないかとの御指摘も受けており、説明をした当該企業の方がそう言っておられるのであればそうなのかもしれないとは思うのですが、私には「暗号資産」という言葉を聞いた記憶はありません。専門的、技術的な説明が多く出され、私自身インターネットに関する技術については詳しくないこともあり、説明内容を詳しく覚えてはいないというのが正直なところです。ただ、少なくとも「サナエトークンという暗号資産を発行する」という話はありませんでした。

 なお、このオンライン会議に、「松井氏」が出席していたとのことですが、この会議で主にご説明されていた方は確か「中村氏」という名前の方でした。また、この会議には多くの参加者がいたと思います。「松井氏」が出席されていたのかどうか、私にははっきりとした記憶がありません。

 この12月のオンライン会議のものであるとされる音声が公表されており、私も聞かせていただきました。私の声に似ているとは思いますし、12月のオンライン会議に参加したことを否定するつもりもないのですが、公開された動画では私と「松井氏」がかなりのやり取りをしている印象を受けますが、先ほど申し上げたとおり、この会議に「松井氏」が出席されていたのかどうか私にははっきりした記憶がありません。したがって、音声記録がこの会議のものなのか、自分の声なのかとの御質問に誠実にお答えするならば、確証を持てないと言わざるを得ないのです。高市早苗代議士にもそのように報告をしております。

 12月に行われたオンライン会議の後(1月30日)、先方から、「自民党×民間プロジェクト(NoBorder)による、新しい日本の政治参加モデル」と題するご提案書の送付を受けました。忙しくて読む時間がなく、ようやく2月の衆議院選挙が終わってから読みましたが、「ご提案書」の中には「国民の声を広く聞くための企画」の具体的な案として、「ビーナス号の活動と民間のテクノロジーの共創」や先方の「国民の声を広く聞く企画」(ブロードリスニング)で収集した「国民の声(政策提言)贈呈式」といった説明が書かれていました。具体的には、先方のイベントと、総裁選時に奈良県の自民党青年局有志の運転で全国を回っていた街宣車であるビーナス号とがコラボレーションできないかということ、そして、先方のブロードリスニングにおいて得た国民の声を政策に反映した提言書を自民党や官邸に持ち込むイベントをしたいということの2点でした。この資料は、私がこのNoBorder社によるブロードリスニングという企画に関して受け取った唯一の資料となります。

 事務所には、日ごろから様々な御要望が寄せられますが、この内容であれば、自民党の広報本部を紹介するのがよいだろうと考え、先方にも、自民党本部に繫ごうと考えていると伝えていました。

 こうしたやり取りの中で、はっきりと時期は記憶していませんが、恐らく2月下旬だったのではないかと思いますが、「サナエトークン」という言葉を聞いたことを覚えています。私としては、頂いた「ご提案書」を自民党に繋ぐ段階にも至っておらず、まだまだ検討中の企画の中のアイデアの一つというくらいの認識でしたし、そもそもアプリ内でのポイントの名前として考えているとのことでしたので、世の中には「サナエ」という言葉を冠するお菓子なども販売されており、特に問題があるとは認識していませんでした。

 その後、NoBorder社側から、先方の企画である「Japan is Back」プロジェクトをスタートさせるので、チームサナエ(奈良県の自民党青年局有志が運営)のアカウントでも応援するメッセージを出してほしいとの依頼を受けました。先方から文案の提示があり、「Japan is Back」プロジェクトにおける「国民の声を政治に届ける取組」を応援するメッセージであると受け止めておりましたが、その中に「コミュニティ提案により実現した『SANAEトークン』という新たなインセンティブ設計も注目されます」という一文もありました。私としては、それまでに説明を受けたとおり、アプリ内のポイントのようなものであるとの認識を疑うこともなく、また、まだまだ企画の実施には至らない事前準備活動の一環であるとの理解でしたし、あくまでも当該企業が取り組んでいる企画であり、事務所が関与するものでもないとの認識でおりましたので、深く考えることもなく、この部分はいわれるがままにリポストに応じました。繰り返しになりますが、この時も含めて、NoBorder社から、「サナエトークン」が暗号資産であるとか、ミームコインであるとの説明は一切ありませんでした。

 そうした中で、しばらくして周りの者からの指摘を受け、NoBorder社関係者のネット配信を見たところ、「サナエトークン」が暗号資産として発行されるかのような話が出ていたことから、驚いて先方に連絡を取り、「投資を募るものでは無いこと」をはっきりさせてもらいたい旨を伝えたことがありました。

 しかし、結局、「サナエトークン」が暗号資産として発行されたことは事実であり、そのことを知った後は、私としては、自分が受けていた説明とは全く異なると感じて強い不信感を持ち、この企業とのやり取りを一切断っております。なお、この企業側とは、12月と2月以外にも、先方からの提案について連絡をいただき、メッセージのやり取りやオンライン会議を行ったことがあることは記憶していますが、多忙を極めている時期の連絡でもあり、参加者の一人一人、やり取りの内容などはよく覚えていません。

 NoBorder社側は「高市さんサイドとは結構コミュニケーションを取らせていただいた」とか、「高市氏サイドに説明したつもりであったが、先方には正式に承認したという認識がないとのギャップがある」といった話をされているようですが、当方は「サナエトークン」を暗号資産として発行するという説明を受けたことは一度もありません。このことは、前述のとおりNoBorder社側からの「ご提案書」にも全く記載がないこと、そして先方のホームページに以下の記載があることからも明らかであると考えております。

  • 現時点において、本トークン(SANAE TOKEN)は、高市氏と提携または承認されているものではないことにご留意願います。
  • 本トークン、あるいは本トークンに紐づくSNSアカウント等では高市氏の人格、イメージ、または肖像に関連する要素を参照または組み込む場合がありますが、高市氏による直接の承認、提携、または承認を意味するものではありません。
  • 本トークン、あるいは本トークンに紐づくSNSアカウント等と高市氏との類似性または関連性は、まったくの偶然であり、ユーモアの目的で意図されています。

 私はこのホームページの記載を確認し、高市事務所が承認をしていないということについては、先方も同じ認識であると考えておりました。

また、3月2日に高市早苗代議士より「サナエトークン」についての問い合わせを受けました。この時はまだ「サナエトークン」に関してどのような状況になっているか全体像が全く把握できておりませんでしたが、「サナエトークン」という暗号資産が発行され、取引がなされるということについて、事前に説明を受けたことはなく、承認をしたこともないことを伝えております。

 私が認識している経緯は、以上のようなものです。

 取材などに対しては、その都度、記憶を喚起して誠実にお答えしてきたつもりですが、あまり印象に残っていないことも多く、混乱を招いてきたこともあるかもしれず、その点は誠に申し訳なく思います。

 最後に、6月5日の国会予算委員会に先立ち、深夜から早朝にかけて高市早苗代議士から私に電話で問い合わせがあった際、勘違いをして誤った回答をしてしまったことにつきまして、説明させていただきます。

 週刊誌の取材に対する回答については、連日膨大な数の取材がありましたので、逐一高市早苗代議士には報告しておりませんでした。問い合わせがあった週刊誌記事については、事務所からの回答文が部分的に引用されており、電話にて代議士が読み上げた内容を聞いて、高市事務所が暗号資産の発行に関与しているかのような回答であったと受け止めてしまい、その内容は事実とは違うという旨の回答をしました。私としては、高市事務所が暗号資産の発行に関与したことはないことを代議士に伝える趣旨でした。その点は回答文全文を読めば理解いただけると思いますが、自宅で就寝中であり、手元には週刊誌に回答した資料がなく、電話での口頭のやり取りでもあったため、結果として誤った回答をしてしまったことについて、お詫び申し上げます。

令和8年7月22日

衆議院議員高市早苗事務所

秘書 木下剛志

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