「サインはVGA」は、USB2.0接続によりディスプレイ出力が増設できる外付けユニット。グラフィックスカードをもう1枚増設したかのような構成を、USB接続により手軽に構築できるのが特徴だ。
本体内にグラフィックスチップを搭載し、最大1024×768ドット(16ビットカラー)の解像度に対応、もちろんメインディスプレイと異なる解像度でも利用可能となっている。
USB2.0接続が基本だが、USB1.1でも使えることは使えるようである。グラフィックスチップのスペックは非公開となっているので、実際に試して実力を探ってみたい。
ボディは折りたたみ式ケータイをタテに長くした程度のサイズだ。クリアブルーのケースをまとい、基板の刻印まではっきり読み取れる、ちょっとサイバーなルックスである。なお接続すると、基板上のブルーLEDが光る。
搭載インターフェースは、USBポートとアナログD-Sub出力。USBバスパワーを利用して動作する。
セットアップは、付属CD-ROMからドライバをインストールし、再起動後「サインはVGA」をPCのUSBポートに接続するだけ。新規デバイスとして検出されるので、インストール済みのドライバを適用すればOKだ。
では、動作を確認していこう。
「サインはVGA」で表現できる最高解像度の1024×768ドット(16ビットカラー)に設定し、サブディスプレイを起動した。なお、動作モードは2台のディスプレイを横に連結させる「水平スパン」のみで、縦に連結する「垂直スパン」や2台で同じ画面を表示する「クローン」には対応しない。
操作感としては、ほぼタイムラグなく表示され、文字入力や変換もメインディスプレイと変わらないスピードで処理できる。ただし、動きの激しい動画を再生した場合のみ若干のコマ落ちが見られた。640×480ドット(8ビット)モードで、同じムービーを再生してみたが、結果はほぼ同じ。内蔵グラフィックスチップがDirect 3Dに対応していないため、サブディスプレイでの動画再生に関しては若干厳しいようだ。
次はUSB1.1接続で試してみた。
ドライバの認識が再度行われるのが面倒だが、USB2.0接続時と変わらない流れてセットアップは完了する。サブディスプレイも同等の画質で表示されているようだ。
しかし、何かの操作をした途端、“カクカク表示”となってしまった。リフレッシュした画面が上からゆっくりと下に降りていき、ようやく移動したウィンドウが表れる。タイムラグはコンマ5秒ほどだ。メールのやりとりや表作成などの積極的な入力操作には使えないと考えよう。
USB2.0接続であれば、最高解像度でも十分快適に動作する。これを利用して、特にグラフィックスカードを増設できないノートPCユーザーでも、フォトレタッチやペイントソフト使用時にツールボックスだけサブ画面に移動する、BGMとしてかけっぱなしとなっているような操作頻度の少ないMP3メディアプレーヤーなどをサブ画面で表示したままにするといった、デュアルディスプレイならではの機能が利用ができる。
また、ちょっと老眼が気になってきたオトーサンには、テキストが多いWebページを低解像度のサブ画面に移動させて、大きな文字で閲覧するといった“虫めがね”的な使い方もできそうだ。
「サインはVGA」は、USB接続でデュアルディスプレイが利用できるというユニークな製品だが、若干の不都合はあるかもしれないが実用度はかなり高い。セットアップも簡単なので、隣の席のディスプレイを一時的に借りて作業という使い方も可能だ。
ちなみに、このイカしたネーミングはバレーボール好きな社長の一声で決まったとのこと。その後、製品出荷直前に、女子バレーボール日本代表がオリンピック出場を決めるなど、社長の“先見の明(?)”が光る一品なのである。
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