事故検分システムは、某県警察本部に導入されている交通事故実況検分書の作成支援システム。交差点などの地図情報や車両メーカー、車両タイプなどのデータがあらかじめ登録されているため、事故地点や車両の種類、人物、目撃者などのシェープをドラッグ&ドロップし、ポップアップ画面でそれらの詳細情報を設定することで、記録に残しておくべき情報をもれなく記載した実況検分書を迅速かつ効率的に作成できるという。
もう一つの具体例であるプラント保全システムは、工場設備のメンテナンスを担当している保全要員の報告書(業務日誌)をシステム化したもの。システム化以前は故障部位や状況、原因、処置内容などを手書きの自由文形式で記述していたため、集計その他のデータ処理にはかなりの手間がかかったが、Visioでプラント装置の各部位や、引き出し・吹き出し、注釈などをテンプレートシェイプ化し、データベースやExcelとも連携できるようにしたため、報告書の作成はもとより、データ集計/分析なども大幅に効率化できたという。
プラント保全システムには、TabletPCならではの機能も搭載されている。TabletPCのインク描画機能を利用すれば、報告書に掲載したシェープやデジカメ写真にコメントなどを直接書き込むことができるため、どこがどう故障したかや、何をどう処置したかなどをピンポイントで指摘できるからである。まさに、プラント保全にうってつけの機能と言えるだろう。
佐藤氏は、Visioの適用範囲は無限大だと語る。アイデアやプロセスなどのように、文字や数値ではなかなか表現できない(可視化できない)情報もVisioを使えば図式化でき、さらにその図式をVisio単体あるいはバックエンドのデータベースなどと連携させてシステム化することができるからだ。
一方TabletPCは、ペン&タブレットによる直感的な操作・入力体系と、使用する場所や体勢を問わないフレキシビリティの高さで、机に縛られていたこれまでのワークスタイル(携帯性に富んだモバイルノートPCの場合でも、実際に操作するためには机のような安定した平面が必要)を徐々に変えていきつつある。
VisioとTabletPC、今後のビジネスモバイルコンピューティングの姿を変えていく強力なコンビと言えそうだ。
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