企業におけるセキュリティ対策が進む反面、現在のPCにはほぼ搭載されるUSBポートが落とし穴となってしまうかもしれない。サンワサプライより登場したUSB専用セキュリティ製品「SL-46」シリーズは、USBポートに蓋をするという仕組みにより、面倒をかけないセキュリティ対策が行える製品だ。
個人情報保護法の施行に見られるように、企業にはとくに個人情報漏えいを防ぐことが非常に重要な命題として課せられている。実際、企業においてはPCの持ち出し・持ち込みを厳しく制限したり、社内LANに接続可能なPCは認証を必要とし、制限するなど、対策を行っている企業もすでに多いだろう。
さらに、新規導入するPCをはFDDレスに、かつ光学ドライブをCD-ROMないしDVD-ROMドライブといった読み取り専用ドライブにするなど、リムーバブルメディアでのデータの持ち出しを防止するといった対策も見られる。企業向けPCには、いまさらながらCD-ROMモデルやDVD-ROMモデルがラインアップされているのにはこういったニーズもあるからだと思われる。
そのような対策が進む反面、見落とされがちな“セキュリティホール”がある。今となってはほぼすべてのPCが装備しているといってもよいUSBポートだ。
USBポートは多くのOSがネイティブサポートし、さらに「マスストレージクラス」と呼ぶ仕様のストレージデバイスは、USBポートに差し込むだけでドライブとして認識され、自由にデータを読み書きすることができる。一般にUSBメモリと呼ばれる製品はとくに小型であるため、よほど厳しいチェック──たとえば身体検査などをしなければ、オフィス内への持ち込みを禁じることは困難であるともいえる。
さらに場合によっては厄介なのは、USBポートへの接続と同時に任意のアプリケーションを実行可能な製品なども存在することだ。もちろんこれらの製品は利便性向上のためにその機能が備わっているのであって、悪意ある行動のために販売されているものでは決してない。しかしこういった製品は、USBポートに差し込むだけで特定のファイルを自分自身にコピーし、重要な情報を抜き取ってしまうといったことすら現実に可能で、それは決して高度な知識を要することでもない。
一般ユーザーにとって便利なUSBポートだが、たかいセキュリティレベルが求められるシチュエーションにおいて考えると、じつは結構危険な存在にもなりかねず、放置しておくと重要なデータのカジュアルコピーを許してしまうことになってしまう可能性もある。
そのようなUSBポート専用のセキュリティツールとして登場したのが、サンワサプライ「SL-46」シリーズだ。
SL-46は、USBポートを物理的に利用できないように塞いでしまう取り付け部品と、この取り付け部品を付け外しを可能にする専用ツールで構成される、USBコネクタ用セキュリティツールだ。取り付け部品はUSBポートをぴったりと塞ぐ構造になっており、専用ツールなしに外すことは非常に困難な造りになっている。
製品には5色のカラーバリエーションがあり、取り付け部品(カバー)と本体となる専用ツール(鍵)は、色がマッチしないとカバーの付け外しが行えないようになっている。
鍵の種類が5種類しかない、といってしまえばそれまでだが、オフィスであれば部署ごとに利用する色を変え、各部署の管理者に専用ツールを管理させるといった使い方をすれば、セキュリティ効果は一段と高まる。またUSBポートを利用したい時には管理者に一声掛けて、カバーを外してもらえば即座に利用できるという点も、PCのBIOS設定や管理ソフトウェアによりUSBポートを無効化するなどの対策より手間がかからないというメリットがあるといえそうだ。
もちろんSL-46だけではセキュリティ対策が万全とはもちろん言えない。しかしネットワークなどで厳重にセキュリティ管理をしているオフィスでも、クライアントマシンのUSBポートまで管理することは難しく、セキュリティレベルを向上させる1手段には確実になりえる。USB製品を用いたカジュアルコピーによるデータ流出を防ぐのに一定の効果はあるはずだし、防犯対策や盗難対策の基本と同じで、なによりセキュリティ対策していますよ、という視覚的効果の持つ意味も大きい。
また、オフィス用途以外にも、ショールームやイベント、図書館や教育機関などで不特定多数の人が触れる機会のあるPCにて、イタズラや悪用防止という点でもその効果は大きいはずだ。
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提供:サンワサプライ株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年12月31日