コンバーチブル型を採用した企業ユースのメインストリームモデル──日本HP 「HP Compaq tc4200 Tablet PC」(1/2 ページ)

日本HPから、同社初となるコンバーチブル型のタブレットPC「HP Compaq tc4200 Tablet PC」が登場する。利用シーンに合わせてスタイルを変更できるトランスフォーム型で脚光を浴びた同社製タブレットPCだが、新モデルはイメージを一新し、企業ユースの本流を狙う意欲的な製品に仕上がっている。

» 2005年10月24日 09時30分 公開
[池紀彦,ITmedia]

日本HPの新モデルはコンバーチブル型

 日本HPのタブレットPCと言えば、メインの本体はピュアタブレットスタイルだが、付属のキーボードユニットやオプションのドッキングステーションと合体させることにより、ノートPCやデスクトップPCのスタイルでも利用できるトランスフォーム型の「HP Compaq Tablet PC TC1100」(以下、TC1100)が頭に浮かぶユーザーも多いのではないだろうか。

 その日本HPから、液晶ディスプレイを180度回転させることでノートPCスタイルとタブレットスタイルを行き来できる同社初のコンバーチブル型タブレットPC「HP Compaq tc4200 Tablet PC」(以下、tc4200)が登場する。Pentium M 750(1.86GHz)を搭載した上位モデル「PM750/12X/512/60/BWL/XPT」を試用する機会を得たので、使い勝手なども含め、新モデルの特徴をリポートしよう。

日本HP初のコンバーチブル型タブレットPC「HP Compaq tc4200 Tablet PC」

 企業向けのノートPC製品では、セキュリティ性の高さや本体の堅牢性・信頼性なども重要になってくる。さまざまな情報を常に持ち運んで使っているわけなので、うっかり置き忘れてしまったり、万一盗難されてしまっても、PC内のデータが漏洩しないような作りになっている必要があるし、ちょっとした衝撃や圧力、振動でボディやHDD内のデータが壊れてしまうようでは、安心して持ち運べなくなるからだ。今回はこうした点についてもチェックしてみたい。

 なお新モデルでは、Celeron M 370(1.50GHz)を搭載した下位モデル「CM370/12X/256/40/BWL/XPT」もラインアップする。同社直販価格は、上位モデルが24万1500円、下位モデルが18万9000円(ともに税込み)と導入しやすいのも魅力の1つだ。

スムーズでしっかりした作りの液晶ディスプレイ回転部

 tc4200の特徴の1つは、12.1インチ液晶ディスレイを搭載していることだ。前モデルのTC1100はXGA(1024×768ドット)表示対応の10.4インチ液晶パネルを搭載していたため画面の文字がやや小さかったが、tc4200は標準的なB5モバイルノートと同等サイズの液晶パネルを採用したため文字の読みやすさなどが向上した。

 同社初のコンバーチブル型なので、液晶ディスプレイの回転部の作りも気になるところだ。実際に何度もディスプレイ部を回転させてノートPCスタイルからタブレットスタイル、タブレットスタイルからノートPCスタイルへと変形させてみたが、かなり乱暴に回転させてもかっちりと動作するので、安心して使うことができる。また、ノートPCの状態にしている時にも回転部がぐらつくことはほとんどなく、しっかりした作りであることが確認できた。

液晶ディスプレイの回転部。しっかりした作りのためぐらつかず、スムーズにディスプレイを回転できる

 本体カラーはブラックを採用しており、派手さのない落ち着いた色合いで、個人で使う場合にも仕事で使う場合にも安心して使うことができる。

 ペンは液晶ディスプレイの左側面に収納されており、液晶パネルの下部にあるスイッチを押すことで飛び出す仕組みだ。かばんなどに入れているときに誤ってペンが飛び出すことがない作りになっているのはよく考えられている。

ペンは液晶ディスプレイの左側面に収納されている。写真右端のボタンを押すとペンが飛び出す

企業ユースに必要十分な機能とスペックを満載

 tc4200の上位モデルはCPUにPentium M 750(1.86GHz)を搭載し、チップセットにはIntel 915GM Expressを採用している。HDD容量は60Gバイト。通信機能は、モデム、BlueTooth、1000BASE-T対応の有線LANに加えて、モバイルノートでは今や必須とも言える無線LANも、IEEE802.11a/b/gの3種類の規格に対応している。現在の最新ノートPCと比べても全く遜色のない高スペックだ。

 液晶タブレットの書き心地も申し分ない。少々乱暴に書き込んでも画面が乱れることもなく、快適に書き込めた。また、キーボードには、傷がつきにくく、真新しい状態を長期間保てるように、同社独自の「インモールド・ラミネーション・コーティング」が施されている。さらにパームレストにも同社独自の「スクラッチフリーコーティング」が施され、腕時計やアクセサリなどによる擦り傷がつかないように配慮している。

 タブレットPCのようなモバイル系PCの一番の不安材料は、衝撃や振動に弱い内蔵HDDのトラブルだろう。tc4200は「モバイルデータプロテクションシステム」を採用し、不意の衝撃や振動からHDD内のデータを可能な限り守れるようにしている。また、HDD内にバックアップイメージを作成する「Altirisローカルリカバリ」機能も備えるので、システムに不具合が生じた場合でも容易に復旧が可能だ。

 セキュリティ面も抜かりはない。BIOSレベルでPCやHDDの使用をパスワード保護できるほか、HP ProtectToolsセキュリティチップの搭載により、HDDが取り外され別のPCに換装されても、HDD内のデータを読み出せないようにした。ターガス製の指紋認証デバイスもオプションで用意する。さらに、これらのセキュリティ機能を簡単に利用できるようにするため、複数パスワードの一括管理や指紋認証などの各種のセキュリティ機能を同じインタフェースで設定できる「HP ProtectToolsセキュリティマネージャ」もプリインストールした。

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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年12月31日