インクデスクトップやSnipping Toolがペン操作時の便利ツールとすれば、この「Send to OneNote 2003」はちょっと方向性が異なるユーティリティと言える。
そのネーミングからも概ね機能はご察しいただけると思うが、このユーティリティはデジタルノートソフト「OneNote 2003」用のデータコンバータである。タブレットPCには、Windows用アプリケーションのドキュメントを簡易デジタルノートソフト「Windows Journal」形式に変換(ファイル出力)できるプリンタドライバ形式のデータコンバータ「Journalノートライタ」が付属しているが、Send to OneNote 2003はそのOneNote 2003版と考えればよい。
操作そのものは簡単で、任意のWindowsアプリケーション上で印刷操作を行い、印刷先のプリンタとして「Send to OneNote 2003」を指定するだけだ。テキストであれ、画像であれ、印刷できるものであれば、これでOneNote 2003で読み書きできるファイルとして出力し、OneNote 2003上で管理できるようになる。いわばOneNote 2003が万能のスクラップブックになるわけで、これによって、文書の保管場所の確保や紛失といった問題が解消されるようになるだろう。もちろん、OneNote 2003に送り込んだ情報にペンで注釈を入れたり、ハイライト表示することもできる。
Send to OneNote 2003は、インクデスクトップやSnipping Toolのようにペン操作時の快適性を直ちに高めるような、即効性のあるユーティリティではないかもしれない。しかしOneNote 2003とSend to OneNote 2003を利用することによって、ユーザー自身の情報活用能力は格段に高まる。たとえて言えば、Send to OneNote 2003は内側からタブレットPCの使い勝手や活用能力を高めていくような、体質改善療法的なユーティリティと言えるかもしれない。
拡張パックで唯一のエンターテインメント系アプリケーションが「Hexic Deluxe」。いわゆる落ちモノ系のパズルゲームなのだが、当然と言うべきか、ペンでゲーム操作できるのがミソだ。
ルールは至ってシンプル。六角形のピース3個1組をペンで回転させ、2辺を接して同色のピースを3個以上並べるとそれらが消える、というものだ。
この手のパズルゲームの面白さは、1組のピースを消したときにできる段差を使って他の色のピースも消せる「連鎖の快感」だと思うのだが、もちろんこのHexic Deluxeも、うまく連鎖させれば高得点が望める。
タブレットPCならではなのが、ゲーム中の感触。ペンをグルッと回せばピースもグルッと廻るダイレクト感が気持ちよい。マウスやゲームパッドでは味わえないこの感触はとても新鮮でグッドだ。
ゲームには、延々と続ける「マラソンモード」、制限時間内に消していく「時間制限モード」、画面上のピースを全部消す「サバイバルモード」の3種類がある。また、それぞれのモードにはノーマルからハードまでの3段階のレベル設定があるので、ビギナーからマニアまで楽しめるだろう。ちょっとした息抜きにも最適だ。
ひととおり試用した実感を述べると、当たり前のことではあるが、拡張パックはタブレットPCのユーザビリティをさらに向上させるためのものであることが解る。一つ一つは大げさなものではないけれど、使ってみると思わず“にやり”とさせられてしまうような嬉しさを感じる、そんな楽しく役立つツール群と言える。
特に、アナログ的な概念と操作でデジタルデータを扱うインクデスクトップとSnipping Toolは、単なるメモ帳や画面切り貼りユーティリティとしてだけでなく、アイデアプロセッサとしての能力も兼ね備えた、けっこうおもしろいツールだと思う。タブレットPCユーザーであれば、ぜひ試してみてほしい。
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2005年12月31日