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X41 Tabletに見るThinkPadの“変化”と“進化”──レノボ・ジャパン 研究・開発担当副社長に聞くThinkPad X41 Tablet特集(3):インタビュー(2/2 ページ)

「ThinkPad X41 Tablet」は、今年5月のレノボ・ジャパン設立以降、同社が初めて投入したThinkPadの新製品である。X41 Tabletは、ThinkPadの進化を表現している製品といえるのか。そして、ThinkPadならではのこだわりはどう生きているのだろうか。同社研究・開発担当取締役副社長の内藤在正氏に話を聞いた。

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X41 Tabletで具現化されたThinkPadとしてのこだわりとは

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ITmedia X41 Tabletは、レノボになってもThinkPadに対するこだわりが維持されていることを表現できる製品だといえますか。

内藤 そうともいえますし、そうではないともいえます(笑)。というのも、X41 Tabletは、レノボになる以前から長年に渡って開発してきた製品ですから、レノボだからこそ実現された技術が組み込まれたとか、新しいレノボを象徴する製品であるとは言い切れません。

 ただ、レノボになっても、継続的にThinkPadを投入するという証明にはなったのではないでしょうか。昨年12月にレノボによるIBMのパソコン事業の買収が発表になったときには、「もうThinkPadはなくなるから、今のうちに買い占めておこう」という話もありましたが、少なくともその心配がないことだけは伝わったのではないでしょうか(笑)。

ITmedia X41 Tabletへのこだわりはどこに発揮されていますか。

内藤 使い勝手に対して、一切妥協をしていない点です。タブレットPCは、2年ほど前から製品化の検討を重ねてきた製品です。しかし、どうしても使い勝手の点で満足のいくものができなかった。

 こうした新しいコンセプトの製品は、それを実現するための技術がしっかりし、本当に使えるというレベルのものを出さないと、ユーザーに失望を与えることになりかねない。だからこそ、その技術レベルの見極めと、投入時期が難しい。

 タブレットPCであれば、片手で本体を持ち、ペンで書くというスタイルですから、重量が重くなっては駄目ですし、ペンの書き心地や認識も一定のレベルに到達しないと失望させてしまう。

 モバイルで利用しますからセキュリティも重要で、それを実現するための指紋認証も搭載する必要がある。これも、ノートPCのスタイルで机の上で利用しても、タブレットPCとしてディスプレイを縦置き方向で抱えながら利用しても、縦横どちらの方向からでも指紋認証できるようにした。そうした細かな対応も含めて、その技術レベルが、ようやくThinkPadのブランドのもとで実現できる段階にきた。

 また、マーケティングチームからも、ビジネス的に行けるという判断がもたらされた時期とも合致した。タブレットPCの使い方は、今は特定業務分野に限定されていますが、コンピュータと人とのインタフェースを大きく変化させるものだといえます。レノボでも、一部の社員はこれを使うことになるでしょうし、そこで蓄積したノウハウをベースに、さらに進化させていきたいと考えています。

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ThinkPadの良さを伝道するエバンジェリストたれ

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ITmedia 今、エンジニアに向けてどんなことを言っているのですか。

内藤 全員がエバンジェリスト(伝道師)になれ、と言っています。エバンジェリストとは、その名の通り、ThinkPadの良さを多くの人に伝道していく役目です。レノボになっても変わらないというメッセージを伝えなくてはならない。

 だが、エバンジェリストとして、自ら話をし始めると、技術的なことばかりを知っていても駄目なことがわかる。お客様がどんなことを望んでいるのか、それを解決する技術は何か、ThinkPadとして提供できるレベルに技術は高まってきているのか、その技術を高めるにはどうすればいいのか、ということまで知らなくてはいけない。エバンジェリストになるということは、エンジニアからさらに一歩進むことになり、さらにお客様をよく知るということにもつながるのです。

 それと、進化に対して自ら進んで変えていくということも、常々語っています。言われたからやるというエンジニアは不要です。IBMには、ACT(アクセラレイテッド・チェンジ・トゥゲザー)という言葉がありますが、チーム全員が変化に対して前向きに取り組んでいくことが必要です。レノボになったことで、さらに身軽になりました。環境の変化に対応するには最適な会社ですよ。

 もともとIBMには、人を育てる土壌がありました。ThinkPadも、そこで育まれた人材が作り上げてきた。この良い風土はこれからも継続させたいですね。

ITmedia 最後にThinkPadユーザーに一言お願いします。

内藤 ご信頼いただき続けられる製品をこれからも投入しなくてはならないと考えています。ThinkPadユーザーの方々から、「次はどんなものを出すんだ」という大きな期待をヒシヒシと感じています。ここで、間違ったものを出してはいけない。今まで以上にご期待に応え、ご信頼いただける製品をこれからも投入していきます。



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