デザイン一新。スキャン速度や使い勝手もさらに向上──PFU「ScanSnap S500」:第1回:レビュー(3/3 ページ)
ワンプッシュで紙文書を素早くPDF化できる両面カラースキャナとして好評を博していたScanSnapがフルモデルチェンジした。デザインを一新しただけでなく、スキャンエンジンや管理ソフトなどにも改良が加えられ、もともと高かったスキャン速度や使い勝手が、さらに大幅に向上している。
CPUの空き時間にOCR処理を自動実行
ScanSnapは従来より、作成したPDFファイルにOCR処理をかけてテキスト情報を抽出し、キーワードでPDFファイルを検索できるようにする便利な機能を備えている。スキャン時にOCR処理をかけることもできるのだが、その分PDFファイルとして出力されるまで時間がかかってしまうため、いったんPDFファイルとして出力してからOCR処理をかけるように設定することもできた。OCR処理やテキスト検索ができるのは、「ScanSnap Organizer」の「My ScanSnap」に登録されたPDFファイルが対象となる。
とはいうものの、これまではOCR処理を自動的に行うように設定しておくことはできなかった。しかし今回から自動OCR処理が可能となり、それに加えて、PCが使用されていない時間(アイドル時間)にOCR処理を行うように指定できるようになった。この機能を使えば、昼食や会議・打ち合わせ、外出などで席を離れている間にOCR処理をかけてくれるので、スキャンしたPDFファイルの扱い勝手が大幅に向上した。
「PDF文書」−「検索可能なPDFに変換」−「自動変換の設定」とたどると「オプション設定」画面が表示されるので、「PDF文書」タブの「My ScanSnapフォルダに追加されたPDFファイルを自動的に検索可能にする」にチェックを入れる。こうしておくとPCが使用されていないアイドル時間にOCR処理が実行される
ちなみにOCRエンジンには富士通・富士通研究所が開発したカラー文書認識技術を搭載しており、カラー文書中の文字の認識精度が従来よりも約20%向上しているという。
より強力なビジネスツールへと進化
以上のようにS500は、従来モデルから大幅な進化を遂げていることがお分かりいただけただろう。ほかにも添付ソフトの「名刺ファイリングOCR」では、携帯電話で利用可能なQRコードの認識/生成が可能になっており、名刺情報をより管理・活用しやすくなった。
それ以外にも、「Acrobat 7.0 Standard」がバンドルされているので、さまざまなビジネスシーンでPDFを思う存分に活用できる点もポイントだ。S500はオープンプライスだが、実売価格は5万円前後と予想される。実売価格が3万円台後半のAcrobat 7.0 Standardが付属してくることを考えると、約1万5000円の追加投資でS500が購入できることになり、お買い得感は否が応でも増すだろう。
S500にはPDF作成・編集ソフトの「Acrobat 7.0 Standard」が付属する。PDFはビジネスシーンだけでなくパーソナルユースにも浸透してきており、Acrobat 7.0 Standardが標準付属しているということだけでも十分な価値があるだろう
もちろんS500を強力なビジネスツール、便利なパーソナルツールとしていかに使いこなすかはユーザー次第である。その辺は回を改めて紹介することにしよう。
提供:株式会社 PFU
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年3月12日
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