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Windows Vista時代のノートPCは「2秒以内でレジューム」せよWinHEC 2006(1/2 ページ)

見た目ですぐに分かるUIと違って内部の進化はなかなか注目を集めにくい。そこで今回はWindows Vistaで大きく変わる「電源管理機能」にスポットを当ててみた。

 約5年ぶりのメジャーバージョンアップとなるWindows Vistaでは、前バージョンのWindows XPからさまざまな機能強化が施されている。「Aero」(エアロ)に代表されるインタフェース上の改良はユーザーにとって非常に分かりやすいものだが、それ以外の面で「Windows Vistaを導入する大きなメリットは?」という質問にはどう答えるべきだろうか。Microsoftの回答は「ノートPCなどでモバイル機能が大幅強化する」ことだという。

「レジュームは2秒以内」がWindows Vistaロゴ取得の必須要件

 「スリープ」(Sleep)という言葉をMicrosoftの定義に当てはめてみると、「メモリ上の情報は維持したままで、CPUや周辺機器の一部が最低限の電力供給で休眠している」状態を指す。スリープの状態から復帰する動作を「レジューム」(Resume)と呼ぶ。電源オフに限りなく近い状況を維持しつつ、ユーザーの指示ですぐにシステムがオンの状態に復帰できるのが「レジューム」というわけだ。Windows Vistaでは、「スタート」ボタンからシステムをオフにするオプションを選択したときのデフォルトがこの「スリープ」→「レジューム」であるので電源オンのたびにシステムの再起動動作を行わないようになる。これはデスクトップPCとノートPC共通の仕様で、「システムの再起動は最低限に」がWindows Vistaの方針のようだ。もちろん、終了時に完全に電源をオフにするオプションも用意されている。

 Windows Vistaでは、レジューム動作が2秒以内で完了することが「Windows Vistaロゴ」取得の最低条件になっているようだ。この2秒というのはあくまで最大値で、実際にはより短い時間で復帰するのが望ましいとされている。しかし、PCのシステム構成や動作しているドライバ、サービス、アプリケーションの種類によっては、レジュームに通常よりも多くの時間を要してしまうことは、ノートPCをするユーザーはよく経験しているだろう。Microsoftによれば「2秒の目安となるのは標準的な構成のPC」となっている。ロゴ認定対象となるすべてのPCの標準構成では2秒をクリアしても、実際の使用では2秒をオーバーするケースもありそうだ。

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 こうしたレジュームに時間がかかる問題は、特定のドライバやサービスなどが原因で起こることが多い。こうしたシステム内部で動くモジュールの動作を個別に把握することは難しかったために原因の究明が困難であった。しかし、Windows Vistaではそれを検証するためのツールが標準で提供される。コントロールパネルの「システムとメンテナンス」アプレットを選択し、「パフォーマンスの問題」にリストアップした項目を選択すると「パフォーマンス評価とツール」ダイアログボックスが表示される。ここに起動やシャットダウンに時間がかかる、あるいは問題を起こしていると思われるドライバやプログラムの一覧が表示され、ユーザーがドライバのアップデートといった対策を取りやすいようになっている。

コントロールパネルの「システムとメンテナンス」アプレットからは、「パフォーマンスの問題」を呼び出してレジュームやシャットダウン遅延の原因となるモジュールの分析が行える
そのほかパフォーマンスの分析では、システム診断でスコアリングを行い、自身の所有するシステムのWindows Vista対応度を点数表示することができる。マシン快適化の目安にはなるものの、結果次第ではショックを受けるかもしれない
Mobility Centerを呼び出したところ。タスクバーなどからの起動以外に、PCによってはワンボタンで呼び出せるタイプの機種が登場することになると思われる。画面では7つの機能を呼び出せるようになっているが最大で16個の機能を登録することが可能だという
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