インテルのアイルランドFabを“非”公式に訪れてみた:元麻布春男のWatchTower(スペシャル版)(2/2 ページ)
元麻布春男氏が最新PC事情を分析する本連載。今回はスペシャル版と題して、アイルランドにあるインテルのFab 24に“ひっそり”と訪問した。
バス停の名はそのものズバリの“Outside Intel”
工場は148号線の道路に長手方向を接するように立ち並んでおり、駅に一番近いところにFab 24-2がある。最大のポイントは、道路と工場の間に管理棟(IRxと呼ばれる)があり、道路から素通しで工場が丸見えにならないようになっていることだろう。道路沿いも大部分は土手で遮られており、工場の姿をクリアに見渡すことは難しい。ドレスデンにあるAMDのFab 30が周辺道路からよく見えた(少なくとも筆者が訪れた2000年当時は)のと対照的だ。
それでも、訪問者のために用意されている案内図で、工場内のおおまかなレイアウト(建物配置)は分かった。敷地内への公式な入り口は3カ所で、レイアウト図にある中央の駐車場(Fab 10の手前)の右側がエントランス 1、その左がエントランス 2、そしてIR1の下にあるエントランス 3である。ただ、エントランス 2は入り口に植木鉢のようなものが設置してあり、自動車による入場はできないようになっていた。また、エントランス 3は工事車両用(Fab 24-2の工事はほぼ完了していたはずだが、まだ工事車両の通行があった)という色彩が強く、ほとんどの自動車がエントランス 1を使っているようだ。
面白いのは、IR6のところに小さな歩行者専用の出入り口(勝手口?)があることで、家族の車で送ってもらった社員がここから駆け込んでいく姿を見たほか、ここから出てきて道を渡ったところにあるスーパーで買い物をしている様子も見かけた。この入り口のところには守衛小屋らしき建物もあるのだが無人で、長いこと使われていない様子だった(インテルのFabができる前からあったのかもしれない)。工場の各入り口にはゲートがあるものの、基本的に無人で、チェックは建物の入り口だけで行っているようだ。
もう1つ面白かったのは、エントランス 2の付近にあったバス停だ。前述した66番のバスが止まるバス停なのだが、その名も“Outside Intel”。スバリなネーミングだが、ちょうど“Intel Inside”の真逆なところがおかしい。
この工場の大きさだが、複数の半導体工場を擁するだけに、なかなかのものだ。駅を降り、工場の端から歩き始めて、ときどき写真を撮りながら、レイアウト図の道路(148号線)沿いに行って戻って約1時間半ということから、だいたいの大きさを想像して欲しい。ちょうど訪れた日は30度を超える、アイルランドとしては灼熱ともいえる日で、中も見られないのにご苦労さんの1日だった。とはいえ、公式に取材をすると、こうやって敷地の周りをゴソゴソ歩き回ることもないわけで、それはそれで貴重な体験ではあった。
元麻布春男氏のプロフィール
フリーライター。IBM PC/AT互換機以前からPCの世界に入り、さまざまなメディアでPCに関する評論やレビュー、コラムなどを執筆。とくに技術面での造詣が深く、独特の切り口による分析記事は人気が高い。
関連記事
もう1つの“革命”という名の小型マウス
“革命”の名を与えられたもう1つのロジクール製マウス。ノートPC用だからと言って侮ってはいけない。“革命”という名のマウス
“革命”の名を与えられたロジクールマウス。その画期的なフィーチャーは、これまでの操作性を一変させるかもしれない。超高速“フリースピン”対応ホイール搭載のワイヤレスマウス2モデル――ロジクール
ロジクールは、ホイールスクロール時のクリック感を任意に切り替えられるデスクトップ向けワイヤレスレーザーマウス「MX Revolution」、およびノート向けモデル「VX Revolution」の2製品を発売する。第9回 Vistaでオーディオデバイスはどうなる?
今回はVistaでのオーディオデバイスの扱いを見ていく。第8回 Vistaにおけるデバイスドライバのゆくえ
Windows Vistaにおけるデバイスドライバの扱いをチェックしよう。第7回 Windows Vistaの最新βをチェックする
“July CTP”とも呼ばれるビルド5472の最新Vistaを見ていく。第6回 AMDのATI買収劇が意味するもの
“電撃的”に発表された米AMDによる加ATI Technologies買収劇の意味を考える。第5回 Windows Vistaのアップグレードポリシーを考える
Windows Vistaのアップグレードポリシーをチェックしよう。第4回 Vistaのユーザーアカウント制御を考える
Windows Vistaのユーザーアカウント制御はどのように変わるのだろうか。第3回 内蔵グラフィックスでWindows Aeroは動くのか!?
統合チップセットのグラフィックスで“Windows Aero”を動かしてみた。第2回 Windows Aeroの謎に迫る
NVIDIA製グラフィックスカードを使って“Windows Aero”の謎に肉薄する。第1回 果たしてWindows Vistaはテイクオフできるのか?
PCウオッチャーの元麻布春男氏が、Windows Vistaの現状を斬る。- Windows Vista RC1が一般公開
- Vistaにアップグレード「したくない」理由
- Windows Vista、欧州でリリース延期の可能性
- Windows Vistaの販売価格、正式発表
- MS、クリスマスにVistaの値引きを検討
- Windows Vistaのβ版にも月例パッチを提供
- Windows Vistaβ2の一般リリース開始、日本語版も
- Windows Vistaで大幅強化されたセキュリティとモバイルパフォーマンス
- Windows Vista時代のノートPCは「2秒以内でレジューム」せよ
- いよいよ最終秒読み!Windows Vistaβ2公開される
- MacBook“KURO”でWindows Vista β2を走らせた
- Windows Vista特集
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.