連載
マイクロソフトの基調講演で感じた微妙な距離:元麻布春男のWatchTower(2/2 ページ)
元麻布春男氏が最新PC事情を分析する本連載。今回はWPC TOKYO 2006で行われたマイクロソフトの基調講演の模様をお伝えする。
知りたいことが説明されないもどかしさ
このようなデジタルワークスタイルのデモに比べると、デジタルライフスタイルに関するWindows Vistaの紹介は簡単なものにとどまった。Vistaの持つMedia Center機能の紹介はあったものの、あまりに通り一遍な印象が否めない。Windows Vistaになっても、ただちにMedia Centerでわが国の保護されたTVコンテンツ(地上デジタル放送、BSデジタル放送)への対応が行われないことを反映したものかもしれないが、もう少し突っ込んだ紹介があってもよかったのではないかと思う。
最後に、Windows Vistaのロゴプログラム(PC本体と周辺機器)が紹介されたが、一部で議論となっている、新しいライセンスアグリーメントに関する話題は聞かれなかった。OSのライセンスを1度しか移すことができないことが、いわゆる自作市場に対して大きな打撃となることが懸念されており、この分野で主に使われているDSP版(旧OEM版)のライセンスがどうなるのか気になるところだが、現時点で公式な見解はない(非公式にはリテール版と同じではないか、という回答を得ているが)。日本語版のライセンスアグリーメントと、その解釈に関してマイクロソフトの説明が待たれるところだ。
元麻布春男氏のプロフィール
フリーライター。IBM PC/AT互換機以前からPCの世界に入り、さまざまなメディアでPCに関する評論やレビュー、コラムなどを執筆。とくに技術面での造詣が深く、独特の切り口による分析記事は人気が高い。
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