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最強はどれ? 2007年版セキュリティソフト徹底比較(後編)性能、機能、使い勝手を検証(2/3 ページ)

2007年版セキュリティソフト徹底比較の後編では、ベンチマークテストなどの客観的なデータから各セキュリティソフトの比較を行う。

手動スキャン時の負荷を比較

手動スキャン比較

 次に手動スキャン時の負荷を調査した。手動スキャンはリアルタイムスキャンと異なり、すべてのファイルに対してウイルススキャンを行う、いわば静的なウイルス/スパイウェア検索だ。対象となるファイルが多く、処理に時間がかかるため、あらかじめ決めておいたスケジュールに従って定期的に実行することが多い。逆に言えば、ユーザーがPCをバリバリと利用するときに実行することはあまりない(もしそうであればスケジューリングを見直すべきだ)。しかし、同一のネットワークからウイルスが発見されて、自分のPCでも念のために全ファイルスキャンを早急に行う必要があるときなど、やむをえない場合もある。ここでは全ファイルの手動スキャンを行いながら「午後のこ~だ」のインストールにかかる時間を計測した。

 結果はここでもCA2007が4分32秒と最も時間がかかった。また、リアルタイムスキャンでは好成績を残したウイルスバスター2007が3分39秒まで処理速度を落としているのが目立つ。一方、NOD32は35秒と非常に高速で、負荷はほとんど体感できないレベルだ。

 次に、手動で全ファイルスキャンを行ったときに、その完了までにかかる時間を計測した。PCを使いながらウイルス/スパイウェアの手動検索を行う場合は、検索が完了するまでシステムパフォーマンスが低下してしまう。上のテストではシステムへの負荷が分かるが、それがどのくらいのあいだ続くのかは分からない。システムパフォーマンスが極端に低下しても短時間で全ファイルスキャンが終われば問題ないと考える人もいるだろうし、たとえスキャンに長時間かかっても性能を落としたくないと考える人もいるだろう。もちろん、どちらとも好成績であればそれに越したことはない。

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 さて、結果はこれまで比較的成績のよかったカスペルスキーが、完了までに最も時間を要している。その一方、ウイルスバスターは午後のこ~だのインストールに時間がかかった半面、ここでは非常に短時間でスキャン処理を完了した。ウイルスバスターは高負荷・短時間で全ファイルスキャンを行う設計のようだ。なお、NOD32の完了までにかかった時間は14分49秒と、システム負荷と処理時間のバランスのよさが光る。

スケジューリング機能

 上記のとおり、手動によるウイルス/スパイウェア検索では、高負荷・短時間か、低負荷・長時間のトレードオフの関係にある。どちらが好ましいかはユーザーがどのような環境でPCを利用しているかによっても異なるだろう。たとえば長時間PCを利用しているが、作業が終了すればマシンをシャットダウンする、という使い方もあれば、PCを使っていないときでもずっとスタンバイ状態にしておき、調べものをするときだけPCを復帰させる、という使い方もある。また、PCを常時起動している人もいるだろう。これらの空き時間を利用できるスケジューリング機能を備えていればいいわけだ。

 以下に各ソフトのスケジューリング機能の比較表を示した。自分の用途にあったスケジューリングが何かを考慮したうえで参考にしてほしい。繰り返しになるが、機能の要・不要はユーザーによって異なるからだ。

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 表を見れば分かるように、曜日や実行間隔日数などでスケジュールを指定できるのはどれも同じだ。詳細な設定ができるに越したことはないが、利用しない機能であれば差別化にはならない。そういった意味でマカフィー2007は大胆な切り捨てを行っているようだ。逆に細かい設定が可能なのがノートンとなっている(とはいえ、ここで設定できるのはWindows標準のタスクでできるものと同じにすぎない)。

 すぐに思い浮かぶ用途で言えば、常時PCを起動していないユーザーの場合、スキャン完了後に自動的にシャットダウンする機能があればスキャンの終了を待つことなくPCの前から離れられる。

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