見た目も中身も進化した“Gaming”ワイド液晶ディスプレイ――BenQ「FP241VW/FP94VW」(1/3 ページ)
BenQから、HDMI入力を備えたワイド液晶ディスプレイの新製品として、24インチワイドモデルの「FP241VW」と19インチワイドモデルの「FP94VW」が登場した。従来機の特徴を引き継ぎつつ、ゲーム用途向けの新機能を搭載した意欲作だ。
HDMI搭載のゲーム向けワイド液晶ディスプレイ2モデルが登場
昨今の個人向け液晶ディスプレイ市場でトレンドとなりつつあるのが、ワイドパネルの搭載とハイビジョン入力への対応だ。これまでBenQは、積極的にワイドパネルを採用するとともに、HDMI入力に対応した液晶ディスプレイ製品を他社に先駆けて投入してきた。そんなBenQがこの夏商戦に向けて自信を持って投入したのが「FP241VW」と「FP94VW」の2モデルだ。いずれもHDMI入力を装備することに加えて、BenQが培ってきた動画の高画質化技術をふんだんに採り入れたゲーム向けワイド液晶ディスプレイとなっている。
FP241VWとFP94VWは、同じシリーズの兄弟モデルという位置付けだ。上位モデルのFP241VWは1920×1200ドット(WUXGA)に対応した24インチワイド液晶パネル、下位モデルのFP94VWは1440×900ドット(WXGA+)に対応した19インチワイド液晶パネルを搭載している。価格はオープンで、BenQ Directによる直販価格はFP241VWが10万9800円、FP94VWが3万2800円といずれもコストパフォーマンスが高い。
なお、2モデルともWindows Vista搭載PCと接続して使う場合、Vistaの持つ機能を最大限に利用できることを示すマイクロソフトの認定ロゴ「Certified for Windows Vista」を取得している。
まずはFP241VWとFP94VWの基本的な製品仕様から見ていこう。これらの主なスペックは下表に示した通りだ。
FP241VWとFP94VWの主なスペック | ||
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FP241VW | FP94VW | |
パネルサイズ | 24インチワイド | 19インチワイド |
表示エリア(H×V) | 518.4×324.0ミリ | 408.2×255.1ミリ |
画面解像度 | 1920×1200ドット | 1440×900ドット |
最大発色数 | 約1677万色 | 約1677万色 |
画素ピッチ | 0.27×0.27ミリ | 0.2835×0.2835ミリ |
視野角 | 上下178度/左右178度 | 上下160度/左右160度 |
輝度 | 500カンデラ/平方メートル | 300カンデラ/平方メートル |
コントラスト比 | 1000:1 | 800:1 |
応答速度 | 16ms(GTG 6ms)/MPRT 12ms | 5ms(GTG 2ms) |
PC入力端子 | DVI-D(HDCP対応)、D-Sub | DVI-D(HDCP対応)、D-Sub |
ビデオ入力端子 | HDMI、コンポーネント、S-Video、コンポジット | HDMI |
USB | USB 2.0アップストリーム×1/ダウンストリーム×2 | - |
音声入力端子 | HDMI経由 | HDMI経由 |
ヘッドフォン端子 | ステレオミニ | ステレオミニ |
スピーカー | - | - |
チルト角度 | 上12度/下5度 | 上20度/下5度 |
VESAアームマウント規格 | 100×100ミリ | 100×100ミリ |
電源 | 本体内蔵 | 本体内蔵 |
消費電力 | 95ワット(USB未使用時) | 50ワット |
本体サイズ | 700(幅)×135.6(奥行き)×471.4(高さ)ミリ | 490(幅)×172(奥行き)×369(高さ)ミリ |
重量 | 約10キロ | 約4.7キロ |
主な付属品 | アナログRGBケーブル、DVIケーブル、USBケーブル、HDMIケーブル、電源ケーブル、ドライバCD-ROMなど | アナログRGBケーブル、DVIケーブル、電源ケーブル、ドライバCD-ROMなど |
FP241VWは、上位モデルにふさわしいハイスペックな仕様が目立つ。液晶パネルは高コントラスト比と広視野角を両立できるVA方式を採用。輝度は500カンデラ/平方メートルと液晶TV並に明るく、コントラスト比は1000:1、視野角は上下/左右とも178度を誇る。応答速度は黒白間が16ms、中間階調が6msだ。また、動画応答時間の新しい指標として標準化が期待されるVESAの「MPRT」(Moving Picture Response Time)規格による測定値も12msと不満がない値となっている。
一方のFP94VWは、低価格な下位モデルながらスペック面も健闘している。液晶パネルは応答速度を高速化しやすいTN方式を採用。輝度は300カンデラ/平方メートルと動画再生に必要十分な明るさで、コントラスト比は800:1、視野角は上下/左右とも160度となる。こちらはMPRTの測定値がないものの、応答速度は黒白間で5ms、中間階調で2msと非常に速い。
表示の傾向については、どちらもメリハリがある力強い発色で、とくに動画や写真をハイコントラストに映し出すのが印象的だ。もちろん、各種画質の設定にも対応しており、ある程度好みの画質にカスタマイズできる。実際に2台並べて見てみると、FP241VWはさすがに上位モデルだけあって、輝度の高さと視野角の広さでFP94VWを上回っていた。
ゲームや動画の表示品質を高める技術を凝縮
これら2モデルは、BenQ製品おなじみの高画質化技術である「Senseye」と「AMA」(Advanced Motion Accelerator)も搭載している。Senseyeは、コントラスト強化、カラーマネジメント、シャープネス強化の3つの画像補正エンジンで構成されたBenQ独自開発の技術で、AMAは中間階調の応答速度を高めるオーバードライブ技術だ。SenseyeとAMAの詳細は、こちらの記事を参照してほしい。
加えてFP241VWとFP94VWは、Senseyeをゲーム用にカスタマイズした新機能「Senseye+Game」を採用しているのが大きな特徴だ。Senseye搭載の従来機では、用途別の画質モードとして、「標準(スタンダード)」「動画(ムービー)」「ダイナミクス」「写真(フォト)」の4つを切り替えて利用できたが、Senseye+Gameでは新たに「アクションゲーム」と「レーシングゲーム」の2つのモードが追加されている。これにより、プレイするゲームのジャンルに応じて最適な画質を手軽に選べるようになった。
FP241VWは、さらに動画の表示品質を高めるため、3月発売の「FP241WZ」に新搭載された「Perfect Motion」機能も採用している。Perfect Motionとは、AMA技術で中間階調の応答速度を高めつつ、表示フレームの間に「黒画面」を挿入することで、CRTのようなインパルス型の表示特性を擬似的に再現し、映像の残像感を低減させる機能だ。
Perfect Motionの強度は、前面のボタンから3段階で調整できる。その効果は大きく、背景が高速にスクロールするような3Dゲームやサッカー中継、映画のエンドロールなどで確かに残像の低減が体感できる。ただし、PCの静止画表示でPerfect Motionを最高強度に設定すると、黒画面挿入による輝度の低下と表示のちらつきを感じるため、動画を表示する場合のみ、強度を調整して活用するのがベターだ。ちなみに、FP241VWのアクションゲームモードでは強度2、レーシングゲームモードでは強度3にPerfect Motionが自動設定される。
提供:ベンキュージャパン株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2007年9月30日
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