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ぼくらは「USB-RGB」を誤解していたかもしれない(1/4 ページ)

アイ・オー・データ機器の外付けグラフィックスアダプタ「USB-RGB」は、過去に存在した同種の製品とは異なる仕組みでデュアルディスプレイ環境を構築する。だからどうなの? というお話。

 USB-RGBはアイ・オー・データ機器が発売したUSB 2.0接続の外付けグラフィックスアダプタだ。拡張性の乏しいPCでも簡単にデュアルディスプレイ環境を構築できるのが特徴だが、同様の製品は過去にも存在している。

 だが、実はUSB-RGBは既存の製品とはまったく異なる仕組みで同様の機能を実現していた。「サインはVGA」がワイド表示に対応しただけ、ではなかったのだ。

ワイド? デュアル? ディスプレイ環境の分岐点

 現在、ノートPCにおけるワイド液晶の占める割合はスクエア液晶よりも大きくなっている。単体の液晶ディスプレイにおいてもワイドパネルを採用した製品が増加傾向にあり、時代の流れが確実に見てとれるようになってきた。もちろん、TVはとっくにワイド中心だ。

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 しかし、16:9のワイド画面の場合、同じ型数のスクエア画面(4:3もしくは5:4)に比べると上下方向が狭くなってしまうのが難点でもある。現在のスクエア液晶のバリューゾーンは1280×1024ドットの17インチSXGAだが、ワイド画面では1440×900ドットの19インチWXGA+であり、上下が124ドット分狭くなるため、乗り換えの際には不満を感じることがあるかもしれない(関連記事:Vistaに最適なディスプレイ環境をねっとりと検証する)。

 そこでおすすめなのが、乗り換えではなく、既存のスクエア画面とワイド画面を併用してデュアルディスプレイ環境で使用することだ。だが、グラフィックスカードからの出力が1つだけだったり、スリムデスクトップPCなどで拡張性がないといった事情から、シングルモニタを余儀なくされる場合がある。また、ノートPCでは外部出力はついていてもワイド画面への出力ができないこともある。そんなときに便利なのが、USB接続の外付けグラフィックスアダプタだ。

イマドキのグラフィックスアダプタに求められるもの

USB-RGB。PASMOなどのカードサイズとほぼ同じ

 アイ・オー・データ機器のUSB-RGBは、USB 2.0でPCに接続し、手軽にマルチディスプレイ環境を構築できるのが特徴だ。

 同様の製品は過去にも存在したが、例えば海連の「サインはVGA」やターガスのノートPC用デュプリケータ「ACP5001APZ」はワイド画面に対応しておらず、最大解像度は1280×1024のSXGAまで。また、高頻度の画面書き換えが発生する動画再生では処理が追い付かないため、動画はPC本体側のグラフィックス機能を使用したディスプレイで再生し、描画処理の軽いものをUSB側のディスプレイで表示することを推奨している。

※なお、海連の「サインはVGA」は、最新ドライバにより最大1600×1200ドット(ワイドは1680×1050ドット)の高解像度およびワイド表示に対応しております。→詳細情報。お詫びして補足いたします。

 この場合、2つのディスプレイが同等のサイズであれば問題ないが、PC本体側が(ノートPCの)12.1インチ液晶で、USB側が19インチの据え置きディスプレイだったりすると、大きな画面での動画再生を諦めなければならないという問題があった。高品質な動画再生が当たり前になった現在、グラフィックスアダプタにはワイド表示と動画再生への対応は必須と言っていい。

 そしてUSB-RGBはまさにその2つ、すなわち1440×900ドットまでをサポートしたワイドディスプレイへの出力と、動画再生に対応した高レスポンス性を特徴としている。これに加えて、50グラムを切る軽さ、手の中にすっぽりと納まるコンパクトな筐体、バスパワー方式で電源不要など、携帯性に優れているのもポイントだ。個人利用に限らず、プロジェクタとともにオフィスに1台置いておけば重宝するだろう。

出力はアナログRGB(写真=左)。入力はUSB 2.0miniコネクタ。USBケーブルが添付する(写真=中央)。わずか46グラムの軽量サイズ(写真=右)、でありながらバスパワーで動作する
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