よりゲームに強くなった三菱の24.1型WUXGA液晶「VISEO MDT243WG」とは?:動画ブレ低減技術が進化
ゲームに最適なフルHD対応ディスプレイとして名をはせる三菱電機の「MDT242WG」がモデルチェンジした。新型の「MDT243WG」を写真とともにチェックする。
人気モデルの3代目は何が進化した?
三菱電機は11月7日、1920×1200ドット(WUXGA)表示に対応した24.1型ワイド液晶ディスプレイ「VISEO MDT243WG」を発売した。2系統のHDMIなど豊富なAV入力端子を内蔵したことに加えて、独自の動画ブレ低減技術も盛り込むことで、ゲーム映像の表示に特化した設計としている。
同社が2007年6月に発売した「VISEO MDT241WG」、2007年12月に発売した「VISEO MDT242WG」に連なる3代目の製品であり、ユーザーの声を反映して仕様強化に努めているのが見どころだ。MDT241WGは国内で初めて登場した2系統HDMI搭載のフルHD対応ワイド液晶ディスプレイとして発売時に完売するショップが相次ぐほどの人気を誇り、モデルチェンジしたMDT242WGもヒットしたため、MDT243WGにも期待がかかる。
ここではMDT243WGの特徴を写真とともに見ていこう。ちなみに、同時発売の地上・BS・110度CSデジタルチューナー搭載21.5型ワイド液晶ディスプレイ「MDT221WTF(BK)」についてはこちらの記事(魅惑のフル装備ディスプレイ:三菱の「VISEO MDT221WTF(BK)」で3波デジタル放送を“ながら視聴”した)で紹介しているので、併せてチェックしてほしい。
動画ブレ低減技術と画面の明るさを両立
最大の特徴はやはり独自の動画ブレ低減技術だ。同社は初代のMDT241WGから黒挿入、バックライトスキャニング、オーバードライブ回路の各技術を最適化して動画ブレを低減する独自技術「MP ENGINE」を搭載していたが、3代目のMDT243WGではこれが「MP ENGINE II」に進化した。具体的には、バックライトシステムを改善することで、黒挿入とバックライトスキャニングに起因する明るさの低下を抑え、輝度を従来比で約20%向上している。
これまではゲームをプレイする際、MP ENGINEの機能を適用する「MP MODE」を使うと、確かに動画の残像感は減るのだが、その半面、画面が暗めに感じることがあった(無論、ゲームがしづらいほど暗いわけではない)。一方、MP ENGINE IIを積んだMDT243WGであれば、画面の明るさを保ちつつ、ゲーム映像の残像感も減るため、よりゲームの臨場感が増す印象だ。特に暗いシーンが続くゲームではMP ENGINE IIによって映像が見やすくなる。
また、従来はMP MODE、DV MODE(用途別の画質モード)、入力ソースごとに輝度の差が生じていたため、これらの表示モードや入力系統を切り替えると、画面の明るさが変わって目がなじむまで少し違和感を覚えることがあったが、MDT243WGでは表示モードと入力ソースごとに輝度の設定が可能になった。これによって、表示モードや入力ソースを変えても一定の輝度が保てるため、さまざまな機器をMDT243WGにつないで活用する場合の使い勝手が向上している。
内蔵スピーカーの音質を向上
MDT243WGは内蔵スピーカーにもこだわりがある。前モデルのMDT242WGは、スピーカーユニットの特性や開口部の形状などが音質に与える悪影響を補正信号で打ち消す「DIATONEリニアフェイズ」技術を搭載していたが、MDT243WGではこれと新採用の「低共振スピーカー」を組み合わせた振幅制御により、従来よりゆがみの少ない低音を実現。また、中高音を増強するエフェクターや余韻成分をオーディオ信号に付加する技術で、音の明瞭(めいりょう)度と臨場感の向上にも配慮した。
スピーカーの出力は5ワット+5ワットと変わらないが、これらの仕様強化が生かされ、従来より重低音が鳴るようになり、高音の抜けもさらに向上している。
インタフェースとスケーリング機能も多彩
充実したインタフェースはMDT242WG譲りだ。映像入力にDVI-D(HDCP対応)、アナログRGBのD-Sub、HDMI×2(PC入力対応)、D5、S-Video/コンポジット、音声入力にRCAステレオ ×2、ステレオミニ、音声出力に光デジタル(2チャンネル/HDMI入力時)、ステレオミニ×2(1つはヘッドフォン出力)を用意する。
もちろん、MDT242WGと同様、映像ソースによって複数の表示方法を選べる。MDT243WGのWUXGAパネルは画面のアスペクト比が16:10なので、デジタル放送やHD対応ゲームの16:9映像を出力する場合、映像の上下に帯を入れて正しいアスペクト比を保持する表示や、全画面フルスクリーン表示、両サイドを自動的にカットしての全画面表示を切り替えることが可能だ。低解像度を映すときには、入力解像度を縦横2倍にスムージングなしで拡大表示する「2×ズーム」も利用できる。
前モデルのMDT242WG自体が多彩な機能と設定項目を持つゲーム向けディスプレイとして完成度が高かったため、MDT243WGで大胆な仕様変更をしなかったのは正解だろう。そのぶん、ユーザーから指摘された細かな問題点にもきちんと応えることができており、使い勝手は着実によくなった。特にMP ENGINE IIにおける動画ブレの低減と明るさの両立は効果的で、ゲームに強いディスプレイを探しているユーザーにとって、より満足度の高い1台に仕上がっている。
関連記事
魅惑のフル装備ディスプレイ:三菱の「VISEO MDT221WTF(BK)」で3波デジタル放送を“ながら視聴”した
業界初の3波デジタルチューナー付き21.5型フルHD液晶ディスプレイが三菱電機から発売された。独自の工夫が見られるテレビ機能を写真とともにチェックする。AV入力対応の24.1型もモデルチェンジ:三菱、業界初の3波デジタルチューナー付き21.5型フルHD液晶ディスプレイ
三菱の「VISEO」ブランドから、地上・BS・110度CSデジタルチューナーを内蔵し、フルHDパネルも備えた21.5型ワイド液晶ディスプレイ「MDT221WTF(BK)」が登場した。三菱、WSXGA+表示対応の20.1型/22型ワイド液晶ディスプレイ8機種を発表
三菱電機は、WSXGA+表示をサポートする20.1型/22型ワイド液晶ディスプレイ計8モデルを発表した。うち6モデルはHDMIを含む3系統入力を備える。三菱、USB接続対応の20.1型ワイド液晶「RDT201WDL(BK)」
三菱電機は、20.1型ワイド液晶搭載のUSB接続対応ディスプレイ「RDT201WDL(BK)」を発表した。三菱、新ECOモード搭載のビジネス向け22インチワイド液晶など3モデル
三菱電機は、省エネモードと低消費電力パネル搭載の19/20.1/22インチワイド液晶ディスプレイを発表。従来機種から消費電力の約半減を実現した。三菱、WUXGA24インチ液晶「MDT242WG」のツヤ消しブラックモデルを発売――限定2000台
三菱電機は、WUXGA表示対応24インチ液晶ディスプレイの新モデル「MDT242WG-SB」を発表した。光沢感を抑えたサテンブラック筐体を採用しているのが特徴の限定モデルだ。三菱、グレアパネル採用のWXGA+19インチワイド液晶「RDT193WM-S」
三菱電機は、光沢感のあるグレアパネルを採用したWXGA+表示対応19インチワイド液晶ディスプレイ「RDT193WM-S」「RDT193WM-S(BK)」を発表した。三菱、グレアパネル採用の22インチワイド液晶「RDT222WM-S」
三菱電機は、液晶パネルを光沢仕様としたWSXGA+表示対応の22インチワイド液晶ディスプレイ「RDT222WM-S」を発表した。スピーカーの音質も向上:三菱、リモコン付属のAV入力対応24.1インチワイド液晶「MDT242WG」
三菱電機がAV入力に対応した24.1インチワイド液晶ディスプレイの改良版「MDT242WG」を発表。22インチワイドモデル「MDT221WG」も追加した。三菱、新デザイン採用のワイド液晶「Diamondcrysta WIDE」計8製品を発表
三菱電機は、新デザイン筐体を採用するワイド液晶ディスプレイ「Diamondcrysta WIDE」シリーズを発表した。22インチ/20.1インチモデルなど計8製品を用意する。三菱、NTSC比92%を実現する24インチワイド液晶「RDT241W」
三菱電機は、WUXGA表示をサポートする24インチワイド液晶ディスプレイ「RDT241W」を発売する。大画面ワイド液晶集中レビュー:僕らはコレを待っていた!?――三菱入魂の25.5インチワイド液晶「RDT261WH」
ワイド大画面にフルHD表示を超えるWUXGAの高解像度、H-IPSパネルによる広視野角、広色域CCFLによる高い色再現性、そしてHDCP対応DVIを2系統も搭載。三菱電機の「RDT261WH」は、今後の液晶ディスプレイに求められる要素を満たすハイエンドな1台だ。
関連リンク
- ニュースリリース MDT243WG/MDT243WG-SB
- 製品情報
- 三菱電機
- これぞ“HD GAMEディスプレイ”の正統進化!――三菱電機「VISEO MDT242WG」詳報
- ハイビジョン時代の液晶は動画性能で選ぶ!――三菱電機「VISEO MDT242WG」
- 「VISEO MDT242WG」モニターリポート 第1回
- 「VISEO MDT242WG」モニターリポート 第2回
- 「VISEO MDT242WG」モニターリポート 第3回
- 製品最安値比較サイト:ITmedia +D Shopping
- こだわりアイテムがすぐ買える:+D Select
- ソフトウェアのライセンスはまとめ買いがお得:LICENSE ONLINE
- ソフトウェアダウンロード販売サービス:+D Download
- 製品を選ぶ、調べる、比較する:製品NAVI
- デジタルライフに彩りを与える専門ショップ:+D 専門店街
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.