最上位モデルはデュアルGPUで──NVIDIA、「GeForce GTX 295」発表
NVIDIAは、単体のグラフィックスカードに2つのGPUを搭載した「GeForce GTX 295」を発表した。GeForce GTX 295を2枚でQuad-SLIの構築も可能になる。
GeForce GTX 295は、これまでも登場してきたGeForce 9800 GX2やGeForce 7950 GX2、そして、AMD(ATI Technologies)のRadeon HD 4870 X2などと同じ、単体のグラフィックスカードに2つのGPUを搭載した「デュアルGPU」の構成をとる。
NVIDIAが示した主要スペックによると、55ナノプロセスルールを採用したGeForce GTX 295は、コアクロックが576MHz、メモリクロックが999MHz(DDRデータ転送レートで1998MHz相当)、シェーダユニットの動作クロックが1242MHz。実装する統合型シェーダユニットが480個(GPU1つあたり240個)で、メモリバス幅は1つのGPUあたり448ビットとなっている。出荷開始は2009年の1月の予定で、米国における実売予想価格は499ドル。
それぞれの動作クロックとメモリバス幅はすでに登場しているGeForce GTX 260と同じで、GPU1つが扱えるシェーダユニットの数はGeForce GTX 280に相当するスペックを持つことになる。
NVIDIAが示したGeForce GTX 295搭載グラフィックスカードのリファレンスデザインは、2スロットの厚さを持つサイズで、外部電源入力として6ピン+8ピンのコネクタを用意している。TDPは289ワット。インタフェースは2つのデュアルリンク DVIとHDMIを持つ。グラフィックスメモリはGDDR3を1792Mバイトを搭載するが、これもGPU1つが扱えるのが896Mバイトとなるので、GeForce GTX 260の仕様と同じといえる。
NVIDIAは、GeForce GTX 295が単体のグラフィックスカードとしては最高の性能を発揮すると訴求するとともに、最新となるForceWare 180世代のドライバを適用することでCUDAやPhysXに対応できるので、GPU+PhysXエンジンという構成も利用できるようになると説明している。
主要スペック | GeForce GTX 295 | GeForce GTX 280 | GeForce GTX 260 |
---|---|---|---|
コアクロック | 576MHz | 602MHz | 576MHz |
シェーダクロック | 1242MHz | 1296MHz | 1242MHz |
メモリクロック | 999MHz | 1107MHz | 999MHz |
グラフィックスメモリ | 1792Mバイト(896×2) | 1Gバイト | 896Mバイト |
メモリバス幅 | 448ビット | 512ビット | 448ビット |
シェーダユニット | 480(240×2) | 240 | 216、または192 |
ROPユニット | 28 | 32 | 28 |
テクスチャフィルタリングユニット | 160(80×2) | 80 | 72、または64 |
RAMDAC | 400MHz | 400MHz | 400MHz |
対応PCI Express | 2 | 2 | 2 |
パワーコネクタ | 6ピン+8ピン | 6ピン+8ピン | 6ピン+6ピン |
TDP | 289ワット | 236ワット | 182ワット |
関連記事
ゲームを超えるミッションとは──NVIDIAが「GT200」にこめたGPUの可能性
NVIDIAの新世代GPU「GeForce GTX 280」の性能はすでに紹介したが、“新世代”たる理由がほかにもある。ここではゲームにとどまらないGPUの可能性について解説する。「新世代GPU」の実力はあるのか?──GeForce GTX 280ベンチマークレビュー (1/2)
GeForce 9800なんたらが出たばかりですよね。なに、またですか。もういいですよ、といいたくなるほど続いたNVIDIAの最新GPU。しかし、今度は「新世代」にふさわしい性能を発揮するらしい。RadeonはGeForceを追い越せたのか──「Radeon HD 4870 X2」を「GeForce GTX 280」にぶつけてみる
先日登場した“RV770”ことRadeon HD 4870は、「ミドルレンジ」クラスのGPUとAMDはいう。GeForce GTX 280と競うのは「8週間後に登場する」と予告されたデュアルGPUカードだった。その期待の“R700”が姿を現した。「1×4」か「2×2」か──ようやく実現した「4-GPU CrossFireX」を検証する
「発表先行、実物後送」はATIおなじみの「Radeon進行」だが、「4-GPUでCrossFireX」も、ようやくドライバが公開。待たされたかいは、あったのかなかったのか?NVIDIAはやっぱりダブルデッカー──GeForce 9800 GX2は1枚で2枚分おいしいのか
NVIDIAのデュアルGPUといえば、GeForce 7900/7950 “GX2”の「2階建て」構造が印象的。NVIDIAのデュアルGPUは世代が変わっても伝統を重んじたようだ。「Radeon HD 3870 X2」は1枚の価格で2個分の性能を発揮できるか
Radeon HD 3000シリーズの最上位ラインアップとなる「Radeon HD 3870 X2」がAMD(ATI Technologies)から発表された。“鬼門”のデュアルGPUはユーザーに受け入れられるだろうか。GeForce 8800 GTXはQuad SLIを超えられるのか
PC用GPUとして初めて統合型シェーダユニットを搭載した「まだ見ぬDirect X 10世代」のパフォーマンスを「エクストリームなハイデフ」環境で検証する。「エクストリームなハイデフ」環境で知るQuad SLIの底力
通常の環境ではその実力をなかなか理解してもらえないQuad SLI。ならば、将来を見据えた「超高解像度」ゲーム環境でその強烈なパワーは本当に発揮されるのだろうか。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.