「DやHに負ける気がしねえ」というセリフが似合う“ドイツ”のMSI(2/2 ページ)
日本にいると見えないことがたくさんある。それは、現場で調べないと気がつかない。“デルやHPを超える”MSIのステータスもドイツに行かないと分からないのだ。
ドイツで高い伸びを示した「Wind Netbook」シリーズ
欧州のPC市場では、2008年からの経済不況にもかかわらず、第3四半期で前年度比24%増、第4四半期でも13%という出荷台数の高い伸びを示している。ディレク氏は、この状況を「PC市場を導いてくれるデスクトップPCとノートPCのうち、ノートPCにおいて急激な成長が確認されている。欧州でも2008年の末にはノートPCがデスクトップPCを上回るようになった」と分析している。ただ、第4四半期に示された13%の出荷台数の伸びは、厳しい経済状況を反映して、コンシューマーユーザーの多くがNetbookを選択した結果ともディレク氏は考えているようだ。
このような厳しい状況にあるドイツにおいて、なぜ、MSIはデルやHPを超える高いブランドイメージを認知させることができたのだろうか。ディレク氏は、Wind Netbookシリーズが大きく貢献していると語る。
「Wind Netbookシリーズは、当時のNetbook製品の中で特に小型軽量でも薄型でもなかった。でも、ほかのNetbookにはない、10型ワイドを超える大きな液晶ディスイプレイとSSDよりも大容量のHDDを搭載したことと、洗練されたデザインを採用していたことが多くのユーザーから支持された。また、システムの構成やパフォーマンス、ボディの品質も高く評価されている。ドイツで多くの消費者に受け入れられる価格とみんなに選んでもらえるデザインを採用したのも大きく影響していた」(ディレク氏)
「ポストNetbook」シーズンの準備は整った
2009年には、大画面で薄型のノートPCを複数モデル投入する予定と聞いている。すでに台湾では関係者に披露されている「X340」や「X600」シリーズがCeBITで紹介される可能性が高い。これまでの、パフォーマンスが注目されきたゲーミングノートPCや、価格競争力で支持されてきたWind Netbookシリーズとは一味違ったラインアップで、MSIは「ポストNetbook」の2009年シーズンを戦うことになる。
ドイツ人も自分の国の製品を優先させる傾向があるとディレク氏は話している。しかし、それと同時に優れた外国の製品も自国製の製品と同じように見てくれるという。ディレク氏に、ドイツに特有のPC業界事情があるか聞いてみると「メディアに対するマーケティングと“サターン”(超巨大な規模で全欧に展開している家電量販チェーン)の影響力が、ドイツではとても大きいね」と答えてくれた。家電量販店が重要なのは日本もドイツも変わらないようだ。さらに、ディレク氏は「ビジネスで重要なことは日本もドイツも同じだ。MSIの製品を選んでくれたユーザーに十分満足してもらうことが大事なんだ。性能がいいノートPCを投入するだけでなく、いいサービスと品質を提供することもMSIの価値として評価されるんだ」と考えている。
ライバルはデルやHPでない。アグレッシブなMSI幹部は、デルやHPを超えるのは当然で、2009年にはドイツや欧州、そしてワールドワイドでNo.1に登りつめると宣言している。デルやHPを上回るほどのパワーとブランドイメージの勢いをドイツで目の当たりにすると、日本市場でもMSIはどでかいことをやってのけてしまうのではないか? と、考えずにはいられない。
「MSIなら、間違いないじゃろう」と日本の津々浦々でいわれる日も“きっと”もうすぐだ。
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提供:エムエスアイコンピュータージャパン株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2009年3月31日
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