Aspire Timeline Ultra M3に搭載した“モバイルなKepler”で遊ぶ:Ultrabookで3Dゲームをするぞー!ホントだぞー! (3/3 ページ)
GeForce GTX 680の発表と時を同じくして、ノートPC向けGPU「GeForce GT 640M」が登場した。Kepler世代のアーキテクチャはモバイルPCをどう変えるのか?
Ultrabook(ただしBASELINE基準)でMidium設定ゲームが動いた!
GeForce GT 640Mの3D描画性能をゲームタイトルを使ったベンチマークテストで確認してみる。3DMark 11の測定では、3DMark Vantageと同様に、外部ディスプレイに接続して実行している。ゲームタイトルは、Battlefield 3とF1 2011、The Elder Scrolls V:Skyrim(以下、Skyrim)を用いた。解像度はTimeline Ultra M3標準の1366×768ドットをそのまま使い、ゲーム標準のプリセットを変更するかたちで、Frapsからフレームレートをて測定した。
なお、この検証では、Intel HD Graphics 3000で動かないゲームタイトルもあるため、GeForce GT 640Mのスコアのみを挙げている。
ベンチマークテスト | Timeline M3(Optimus有効) | ||
---|---|---|---|
3DMark 11 | Entry | 2751 | |
Performance | 1795.5 | ||
Extreme | 583.5 | ||
Battlefield 3 | Average FPS | Low | 56.908 |
Midium | 47.167 | ||
High | 39.775 | ||
Ultra High | 26.375 | ||
Minimum FPS | Low | 53 | |
Midium | 40 | ||
High | 36 | ||
Ultra High | 24 | ||
F1 2011 | Average FPS | Ultra Low | 67 |
Low | 61 | ||
Midium | 49 | ||
High | 43 | ||
Ultra | 28 | ||
Minimum FPS | Ultra Low | 57 | |
Low | 52 | ||
Midium | 42 | ||
High | 37 | ||
Ultra | 23 | ||
Skyrim | Average FPS | Low | 57.883 |
Midium | 45.578 | ||
High | 33.711 | ||
Ultra | 25.939 | ||
Minimum FPS | Low | 47 | |
Midium | 36 | ||
High | 27 | ||
Ultra | 21 |
3DMark 11の各プリセットで測定した結果は、それぞれE2751、P1796、X584となった。デスクトップPC用のハイエンドGPUがP10000に迫る現在の状況では低い値だが、モバイル利用を重視した薄型ノートPCで3DMark 11が動き、P1000以上のスコアを出している時点で評価できる。
3DMark 11の各プリセットで測定した結果は、それぞれE2751、P1796、X584となった。デスクトップPC用のハイエンドGPUがP10000に迫る現在の状況では低い値だが、モバイル利用を重視した薄型ノートPCで3DMark 11が動き、P1000以上のスコアを出している時点で評価できる。
Battlefield 3は、キャンペーンモードの「Thunder Run」チェックポイントで、戦車の自動走行シーンを用いて測定した。Battlefield 3のベンチマークテストで、よく利用するシーンだ。さすがにUltra設定では30fpsを超えないが、High設定では、40fps近くをマークした。Minimum FPSでも、High設定なら36fpsと、30fpsを1度も下回ることなく測定を終えた。また、Midium設定なら40fps台、Low設定なら50fps台となった。
ただし、Thunder Runとマルチプレーヤーモードとでは、“ゲームの快適度”が異なるので注意したい。マルチプレーヤーでHigh設定にすると、画面の描画にひっかかりが生じる。快適なのはMidium設定、マップによってはLow設定も検討しなければならない印象だ。とはいえ、フレームレートの下降傾向をみていると、GPUではなくCPUやメモリなどにボトルネックがあるように感じられる。Battlefield 3は、GPUだけでなくCPU性能もかなりハイスペックを要求するタイトルでなので、このゲームを快適に動かすなら、CPUのスペックも注意してノートPCを選びたい。
F1 2011は、Ultra設定で28fps、High設定で43fpsとなる。30fpsを超えるのはHigh設定だが、実際にゲームをプレイしてみると、Ultra設定でもプレイには支障ない。ドライビングテクニックの再現とレースの勝利を重視するユーザーには30fps以上が最低条件かもしれないが、レースゲームの雰囲気を盛り上げる「リアルな描画」も重要で、この部分を重視するユーザーなら、画質を落として無理に30fpsを維持する必要はない。
Skyrimはアクション要素が強いため、30fps以上の確保が目安になる。各プリセットでのフレームレートは、Battlefield 3と似た傾向をみせる。ただし、Minimum FPSとの開きがBattlefield 3よりも大きく、High設定の場合、Average FPSでは30fpsを維持するが、Minimum FPSでは下回る。GeForce GT 640Mでもギリギリ及第点というあたりだ。
省電力で高性能なGPUでノートPCゲーマーが急増するか!
GeForce GT 640Mのパフォーマンスは、モバイル利用を重視する薄型ノートPCの3D描画性能で常識を打ち破る。“GT”という、ミドルレンジのGPUでも、今回の評価環境である「解像度1366×768ドット」「画質設定はMidium」でPCゲーマーが満足するフレームレートは満たせるだろう。
もちろん、BASELINEの基準を満たすノートPCをUltrabookと呼ぶことに関しては評価が分かれるだろう。据え置きだった高性能GPU搭載ノートPCが、従来よりはスリムになってして、モバイルが“可能”になったというレベルにあることは否定できない。ただ、外付けGPUを搭載したシステムを13.3型液晶ディスプレイ搭載ノートPCまでサイズダウンするのは、冷却機能の大幅な性能向上なしには課題が多そうだ。
Ultrabookという枠にはめ込むよりも、ゲームができるスペックを持ち運べる“新たなカテゴリー”と考えれば、無理がないかもしれない。それならば、ゲーム以外にも、モバイルワークステーションのように、大型で高性能なノートを持ち運ばなければならないというニーズをカバーできる。ともかく、需要としてはややピンポイントであるかもしれないが、注目していきたい試みといえるだろう。
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