“プリンタの達人”はなぜA3インクジェット複合機「MFC-J6970CDW」を選んだか?:3大注目ポイント+αで仕事がはかどる(2/3 ページ)
低コスト、省スペース、省電力でA3やB4の大きなサイズに対応できるため、昨今はビジネス向けのA3インクジェット複合機がSOHO/中小企業に受けている。各社のプリンタ/複合機を長年評価し続けているテクニカルライター(いわばプリンタの達人)の小川夏樹氏は、その中でもブラザーの最新モデルに注目しているというが、一体なぜだろうか?
注目ポイント(2) 高速プリント&スキャン!
業務効率を考えた場合、複合機選びで重視すべきはスピードだ。いくら安くても小さくても、プリントやスキャンが遅かったら話にならないが、その点、MFC-J6970CDWはレベルが高い。プリントヘッドが35ミリと大きく、A4カラー印刷で約20枚/分(ipm)、A4モノクロ印刷で約22枚/分という高速印刷を実現しているのだ。
同社の従来機(MFC-J6710CDW)と比較して約2倍も高速化しているのだから驚かされる。この速さは、もちろんA3でも発揮されるので、A3を印刷する機会が多めでも安心していただきたい。
さらに特筆すべきはスキャンの速さだ。実は購入検討時に目に付きやすいプリント速度は高速だが、スキャン速度にそれほど力を入れていない複合機は多い。MFC-J6970CDWは、その辺もしっかり押さえており、A4カラースキャンで約32%、A4モノクロスキャンで約12%も従来機から高速化している。加えて、ADFにA4原稿を横置きでセットするADF高速モードを使うと、そこからさらに30%もスキャン速度がアップするのはありがたい。
プリント速度をチェック
とはいえ、前述した「カタログスペックが本当なの?」と思う方もいらっしゃるだろう。そこで実際にプリント速度を計測してみることにした。
まず、A4モノクロ印刷(JEITA J1)はファーストプリントが19.17秒だった。1枚刷るのに20秒弱ならば待たされる印象はない。ファーストプリントを含めないA4モノクロ10枚の印刷速度は25.31秒だった。これを単純に10(枚)で割ると1枚あたり2.531秒となり、1分で約23.7枚印刷できる計算だ。つまり、公表値の22枚/分よりも高速だった。
次にA4カラー印刷(JEITA J9)だが、ファーストプリントは33.59秒とまずまずのスコア。少部数のカラー印刷にも十分対応できる。ファーストプリントを含めない10ページの印刷では33.05秒となり、約18枚/分という結果だった。こちらは公称値より少し遅いが、印刷するデータ次第で印刷速度は変化するため、もちろんカラー印刷の領域が少ないデータならば、より高速に出力可能だ。
それでは、A3プリントの速度はどうだろうか? モノクロ印刷はファーストプリントが28.85秒だ。A4の見開きサイズだが、所要時間は2倍ではなく、約9秒増しで済んでいる。30秒弱ならば問題ない。ファーストプリントを含めない10ページの印刷は148.24秒だった。1枚あたり14.82秒と、インクジェットではなかなかの速さだ。
A3カラー印刷もファーストプリントは28.91秒でモノクロに近い。ファーストプリントを含めない10ページの印刷では179.72秒と3分を切った。経験上、3分間で約10枚のカラー印刷ならば待たされるストレスはあまりなく、十分に合格点といえる。
なお、自動両面プリントの速度も計測してみた。こればかりは一度紙を送って印刷し、引っ込めて裏返した後に印刷……という複雑な作業になるため、単純に片面の2倍以上に時間がかかっている。それでも自動両面プリントは大きな魅力だ。
MFC-J6970CDWのプリント速度テスト結果 | ||||
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印刷サイズ | 印刷データ | カラー/モノクロ | 印刷部数 | 印刷時間 |
A4 | JEITA J1 | モノクロ | 1部(ファーストプリント) | 19.17秒 |
A4 | JEITA J1 | モノクロ | 10部印刷(ファーストプリント含む) | 44.14秒 |
A4 | JEITA J1 | モノクロ | 10部印刷(ファーストプリントなし) | 25.31秒 |
A4 | JEITA J1 | モノクロ | 10P(5部)両面印刷(ファーストプリント含む) | 116.64秒 |
A4 | JEITA J9 | カラー | 1部(ファーストプリント) | 33.59秒 |
A4 | JEITA J9 | カラー | 10P印刷(ファーストプリント含む) | 67.05秒 |
A4 | JEITA J9 | カラー | 10P印刷(ファーストプリントなし) | 33.05秒 |
A3 | 独自CADデータ | モノクロ | 1部(ファーストプリント) | 28.85秒 |
A3 | 独自CADデータ | モノクロ | 10部(ファーストプリントなし) | 148.24秒 |
A3 | JEITA J10 | カラー | 1部(ファーストプリント) | 28.91秒 |
A3 | JEITA J10 | カラー | 10P印刷(ファーストプリントなし) | 179.72秒 |
A3 | JEITA J10 | カラー | 10P(5分)両面印刷(ファーストプリントなし) | 258.28秒 |
Word 2013(JEITA J1/J9)、Excel 2013(JEITA J10)、Adobe Acrobat XI Pro(独自CADデータ)の各印刷画面で「OK」をクリックした瞬間から最後の用紙が排出されるまでの時間をストップウォッチで計測 |
スキャンの速度をチェック
次にスキャンの快適さを見ていこう。先ほど印刷したカラー原稿をADFにセットし、OCRがかけられる300dpiの高解像度でスキャンしてみた。MFC-J6970CDW本体の操作でスキャンを開始する「スタート」を押した瞬間から、最後の用紙が排出されるまでを計測した(実際にはデータ処理と転送の時間もかかるが、この所要時間はPCの性能やネットワークの速度によって異なるため割愛)。
結果はA4カラー原稿10枚の片面読み取りが33.29秒と高速だった。そして見逃せないのは、10枚20ページの両面読み取りが33.92秒とほぼ同じ速度だったこと。前述の通り、1パス両面スキャン仕様なので、両面読み取りでも速度が低下しないのだ。この仕様ならば、ビジネスで使うドキュメントスキャナとしても十分活用できる。
A3スキャンについては、カラー原稿5枚の片面読み取りが42.95秒。そして5枚10ページの両面読み取りも42.5秒とほぼ同じ結果だった。やはり1パス両面スキャンはダテではなく、業務効率アップに直結するスペックと実感する。
MFC-J6970CDWのスキャン速度テスト結果 | |||||
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スキャンサイズ | スキャンデータ | カラー/モノクロ | 解像度 | スキャン枚数 | スキャン時間 |
A4 | 出力したJEITA J9 | カラー | 300dpi | 10ページ(10枚)片面読み取り | 33.29秒 |
A4 | 出力したJEITA J9 | カラー | 300dpi | 20ページ(10枚)両面読み取り | 33.92秒 |
A3 | 出力したJEITA J10 | カラー | 300dpi | 5ページ(5枚)片面読み取り | 42.95秒 |
A3 | 出力したJEITA J10 | カラー | 300dpi | 10ページ(5枚)両面読み取り | 42.50秒 |
ADFに原稿をセットし、本体のスタートボタンを押した瞬間から最後の用紙が排出されるまでの時間をストップウォッチで計測(データはLAN上のNASに保存する設定なので、これにデータ処理と転送の時間がかかる) |
提供:ブラザー販売株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2013年12月10日
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