国内で急成長しているSynologyのNASはどこが違う?:NASを買うなら知っておきたい
急速に成長する新興NASメーカー、Synologyが秋葉原でイベントを実施。国内市場のシェア拡大に乗り出す。
日本のNAS市場で急速に存在感を高めているNASメーカー、Synologyが秋葉原UDXで製品イベント「Synology 2016」を開催した。
Synologyは、日本国内ではまだ知名度が低いものの、海外に5つの拠点(米国、英国、ドイツ、フランス、中国)を持ち、90カ国で製品を販売する急成長のNASメーカーだ。これまでロンドン、パリなど主要な都市でグローバルカンファレンスを実施しており、「Synology 2016」では開催地を18都市に拡大、今回はじめて東京での開催となった。
特に日本においてはAmazonや価格.comなどでベストセラーを維持するなど、成長率で競合のQNAPやNETGEAR、ASUSTORを抑えてビジネスを拡大しており、「前年比で3倍以上の出荷台数を達成」したという。
SynologyのセールスディレクターであるMike Chen氏は、「私たちはこれまで日本を重要な市場だと考え、数年間このマーケットを学習してきた。そして今、強力な流通チャンネルを確保し、“新しい始まり”となった2015年に大きく出荷台数を伸ばしている」とアピールする。
続けて「私たちはソフトウェア開発からスタートした会社で、ハードウェアに重きをおくQNAPとは異なり、信頼性や技術を重視し、ユーザーの声を何よりも大事にしている。私たちは役員が全員、毎日1時間かけてユーザーフィードバックに目を通す会社だ。機能面でも、マルチタスキングUIは私たちがNASに最も早く取り入れ、他社はこれに追従しているし、今回リリースした最新OS『DSM 6.0』で、競合製品では実現できない数多くの新機能を搭載した。また、とりあえず製品をリリースしてからパッチで修正を繰り返す某社とは違い、完成度の高いバージョンをリリースするのもSynologyの強みだ。故障率が非常に低い、信頼性の高い製品だと自負している。」とコメント。
本格的に国内NAS市場の獲得へ乗り出したSynology。「2016年も引き続き大きく販売台数を伸ばしていく。最低でも160%の成長は達成したい」と意気込む。
Synology 2016では、最新ファームウェア「DSM 6.0」の新機能や日本国内での導入事例、これから投入する新製品が披露された。
まず、DSM 6.0では64ビットアーキテクチャを完全サポート。また、Btrfsファイルシステムに対応したほか、200Tバイトを超えるペタクラスの共有フォルダが作成可能になるなど、ビジネスシーンに向けたアップデートが目立つ。さらにバックアップ機能も強化され、マルチバージョンバックアップや、大量のデータをバックアップする際に便利なエクスポートと再リンク(HDDに書き出して物理的に移送し、バックアップ先のNASに組み込むことで、初回バックアップにかかる膨大な時間を短縮する)、5分間隔で取得できるスナップショットなどバックアップの効率化を進める新機能のほか、最近のトレンドである仮想化にフォーカスした「Virtual DSM」なども紹介されている。
このほか会場には、今後発売予定の新製品を含むSynology製品が並び、DSM 6.0で実装されたさまざまな新機能を試せるようになっていた。特に注目したいのは、2ベイタイプの個人向けモデル「DS216play」と、4ベイタイプの「DiskStation DS416」。DS216playは、4K動画のハードウェアエンコードが可能なほか、H.265(HEVC)をサポートしたのが特徴だ。なお、イベント翌日に販売代理店のアスクから発表された国内における実売価格は、順に3万円台後半、7万円台後半となっている。
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