被害は上半期で15億4000万円――不正送金対策機能を強化した「ESET」最新版:オンラインバンキングの脅威
保護されたWebブラウザでオンラインバンキング利用時の脅威に対応。
キヤノンITソリューションズは12月8日、セキュリティソフト「ESET」シリーズの最新版「ESET Smart Security V9.0」および「ESET NOD32 アンチウイルス V9.0」を発表、2016年2月より提供する。また、製品版のリリースに先立ち、12月8日よりESET Smart Security V9.0のモニター版プログラムを無償で提供する。
警察庁の発表によれば、インターネットバンキングを狙った脅威はここ数年深刻化しており、2015年上半期の被害額は約15.4億円に上る。こうした脅威に対応するため、ESET最新版では不正送金対策機能を強化したのがポイントだ。
具体的には、オンラインバンキングの利用時に、ESETが保護するセキュアなWebブラウザが起動し、入力情報を暗号化することでキーロガーなどによるIDやパスワードの盗聴を防止するというもの。ESETでウイルスラボ責任者を務めるユライ・マルホ氏は、実際に入力情報を盗聴した画面を示しながら最新版の新機能を解説した。
また、最新版ではパフォーマンスも改善されているほか、ユーザーインタフェースも刷新され、より分かりやすい画面構成に変更されている。
IDCの発表によれば、アジアパシフィックにおけるセキュリティ産業の市場規模は2014年で17億2000万ドル。このうち約半分を日本が占めており、「日本は我々にとって重要な市場。2015年はシェアを7.2%まで拡大し、安定的に成長している。その結果、APACでは4位になった」(同社)と語り、ESETの特徴である高い技術力や検出率、軽快な動作、使いやすさを武器に引き続き日本市場に注力していくとアピールした。
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