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最新ディスプレイ講座――HDMI、DislplayPortから先進のUSB Type-Cまで映像入力インタフェース徹底解説ディスプレイを買うなら必ずチェック!!(1/3 ページ)

ディスプレイの購入を検討する際、どの映像入力に対応しているかは必ずチェックするべき重要項目の一つだ。現在主流のインタフェースや今後注目すべきインタフェースを中心に最新事情をまとめた。

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映像入力インタフェースの現在

 フルHD以降、PCの主力映像出力インタフェースはアナログ信号のD-Sub、DVI-A/Iを最後に完全にデジタル信号に移行したと言ってよい。AV機器ではコンポーネントやD端子などの高解像度をサポートする複数のアナログ規格があったものの、コンテンツ保護が十分ではないことからアナログでの高解像度出力が制限されるようになった。それぞれ理由は異なるものの、テレビ放送、AV機器、PCと、足並みをそろえるように高精細化、デジタル化が進んだことは周知の通りだ。

 それと同時に、スマートフォンやタブレットなど6型に満たない小型デバイスでフルHDや4KといったPCと同等の解像度を実現しているものは珍しくなくなった。大型ディスプレイサイズでもフル性能を発揮できる映像入力ソースである以上、それらの小型デバイスに外部接続用のインタフェースを搭載することは当然のニーズと言える。

 このようにPCだけでなくAV機器からスマートフォンまで、幅広い機器でデジタル信号による高画質、コンテンツ保護技術が求められるようになった結果、その出自や、求められる機能・要件によっていくつかの規格が乱立しているのが現状だ。また、同じ規格でクロックアップや機能の追加など、伝送方式がバージョンアップされる規格も多い。

 そのため、どのインタフェースをサポートしているかはディスプレイ購入時の重要な検討事項となる。そこで改めて、現在の一般的な映像インタフェースをまとめてみた。

USB Type-C端子を搭載した27型ディスプレイ「FlexScan EV2780」。USB Type-Cは映像、音声、USB信号を1本で伝送し、さらに給電も可能な最新インタフェースとして注目されている。USB Type-Cを備えたMacBookなど最新の薄型モバイルPCと相性がよい

HDMI(タイプA)――現在の主力映像インタフェース

 現在の主流の映像インタフェースはHDMI(High-Definition Multimedia Interface)といっていいだろう。コネクタの形状にはいくつかのバリエーションがあるが、標準であるタイプAは19ピン、長方形の2角を切り落とした幅14mmのD型端子だ。

 比較的コンパクトな形状でありながら映像信号だけでなく、音声信号も1本のケーブルで伝送できるのが特徴の一つだったが、今ではデジタル映像入力インタフェースのほとんどが同様の機能を持っている。

多くの機器に採用されている映像インタフェースHDMI(タイプA)

 地デジの放送開始やコンテンツ保護技術の義務化に伴って、HDMIの普及率は非常に高くなっており、いまやほとんどのテレビが外部入力端子にHDMI(タイプA)を採用している。そのおかげでテレビはPC用のディスプレイとしても簡単に利用できるようになった。この「HDMI対応ディスプレイ」がどこにでもある、という状況はスティックPCが流行った要因の一つとも言えるだろう。

 HDMIではRGB各1チャンネルとクロック同期用1チャンネル、計4チャンネルを使った伝送方式TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)が採用されている。発表当初の「バージョン1.0」では伝送速度4.95Gbps、1080pまでの対応だったが、その後、PCに対応した「バージョン1.2」、フルHDに対応した「バージョン1.3」、4K(30Hz/24Hz)に対応した「バージョン1.4」、4K(60Hz)に対応しアスペクト比21:9のフォーマットをサポートした「バージョン2.0」と、伝送速度の向上や機能を追加したバージョンアップが図られている。また、接続するためのケーブルにもハードウェア要件があり、1080i対応の「スタンダード」、1080p対応の「ハイスピード」、4K(60Hz)まで対応する「プレミアム」に分かれている。

 規格策定当初から原稿執筆時点最新の「バージョン2.0a」までに伝送速度は約3.6倍に向上している。しかし、最新の「バージョン2.0/2.0a」でも最大解像度は4096×2160ピクセル(60Hz)にとどまっており、8Kへの対応は難しいようだ。

USB Type-C――映像、音声、USB信号を1本で伝送できる最新規格

 USB Type-CはUSB 3.1で制定された新しいコネクタであり、micro USBと同等のサイズながら上下不問のリバーシブル型となっている。混同しやすいが、USB Type-Cはあくまでコネクタとケーブルの規格であり、必ずしもUSB 3.1を意味するわけではない。

USB Type-Cコネクタ。端子の上下を問わず接続できる

 その例の一つとして、USB Type-CにはAlt Mode(Alternate Mode)と呼ばれるモードがある。これは、USB Type-Cの帯域を利用して別規格の信号を扱うモードだ。現在策定されているものとしては以下のものがある。

1、DisplayPort Alt Mode

 2014年発表。当初はDisplayPort 1.3に対応していたが、現在はDisplayPort 1.4にも対応している(DsplayPortバージョンについては後述)。

2、MHL Alt Mode

 2014年発表。当初はMHL 3.0に対応していたが、2015年に発表されたSuperMHLにも対応した。

3、Thunderbolt

 Thunderbolt 3規格もUSB Type-C端子を採用。従来のThunderboltは後述するMini DisplayPort端子を採用していたが、Thunderbolt 3ではUSB Type-C端子となった。USB Type-Cそれ自体で映像出力が可能かどうかを判別することはできないが、USB Type-Cポートで映像を出せるPCは「Thunderbolt 3対応」をうたうケースが多いため、映像出力の可否を判断する目安になる。

4、HDMI Alt Mode

 2016年9月に発表。HDMI 1.4bに対応。ただし、HDMI Alt Modeを採用するディスプレイが今後登場するかどうかは現時点で不透明。

 USB Type-Cは最新インタフェースということもあり、入力・出力ともに普及途上ではあるものの、その汎用性の高さから将来的にはすべてUSB Type-Cで接続することになるかもしれない。ディスプレイを購入する際に将来性を考慮するなら、USB Type-Cの有無は有力な検討材料になるだろう。

提供:EIZO株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2016年11月8日

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