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最新ディスプレイ講座――HDMI、DislplayPortから先進のUSB Type-Cまで映像入力インタフェース徹底解説ディスプレイを買うなら必ずチェック!!(2/3 ページ)

ディスプレイの購入を検討する際、どの映像入力に対応しているかは必ずチェックするべき重要項目の一つだ。現在主流のインタフェースや今後注目すべきインタフェースを中心に最新事情をまとめた。

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DisplayPort――8Kにも対応するポテンシャル

 DisplayPortはDVIの後継として開発された規格で、2006年にバージョン1.0がVESAによって発表された。長方形の1角が欠けたような形をした幅16mmの20ピンコネクタを使用する。

DisplayPortコネクタ

 2006年に策定された「バージョン1.0」では、2.7Gbps×4レーン(実効最大速度8.64Gbps)だったが、2009年の「バージョン1.2」で5.4Gbps×4レーン(実効17.28Gbps)、2014年の「バージョン1.3」では8.1Gbps×4レーン(実効25.92Gbps)に達している。これは無圧縮で8K/30Hzまでをサポートしているが、ディスプレイストリーム圧縮により8K UHD(7680×4320ピクセル)/60Hzにも対応する。

 バージョン1.2以降のDisplayPortにはシングルモードとデュアルモードがある。デュアルモードDisplayPortは、DVI/HDMIのデジタル信号出力に対応しており、信号を加工しない安価な変換ケーブル/変換アダプタでDVI/HDMI入力機器に映像を送ることができる。一方、シングルモードDisplayPortは、DVI/HDMIのデジタル信号出力に非対応なため、DVI/HDMIに変換する場合はアクティブタイプと呼ばれるコンバータが必要になる。

デュアルモードDisplayPortのロゴ(左)。左にプラス記号が二つ付いている。ロゴにプラス記号がないのはシングルモードDisplayPort(右)

 バージョン1.2以降のDisplayPortはマルチディスプレイ環境においてPCと一台目のディスプレイ、一台目のディスプレイと二台目のディスプレイ、というようなディジーチェーン(数珠つなぎ)をサポートしており、対応ディスプレイと組み合わせれば、PCに一つのDisplayPortコネクタしかなくてもマルチディスプレイ環境を構築できる。

Mini DisplayPort

 DisplayPort端子の幅を7.5mmに小型化したものがMini DisplayPortだ。グラフィックスカードの中にはこの端子の小ささを生かし、通常サイズで6ポート、ロープロファイルでも4ポートのMini DisplayPortを搭載した製品がみられる。

Mini DisplayPortコネクタ(写真=左)とMac Proに搭載されたインタフェース(写真=右)

 Mini DisplayPortはAppleが開発・発案したものだが、Apple自身は2015年にIntelと共同開発したThunderboltを採用している。Thunderbolt(およびThunderbolt 2)はコネクタ部分にMini DisplayPortを採用し、そのケーブルを使ってDisplayPortの信号だけでなくPCI Expressの信号も流すようにしたもの。もっとも、Thunderbolt 3ではコネクタがUSB Type-Cに変更されており、少々ややこしい。

DVI――デジタル映像出力の先駆け

 PCからのデジタル映像出力の先駆けとなったDVIについても触れておこう。

 DVIはPC用のアナログ映像出力端子であるD-Subの後に登場した端子で、8×3のマトリクス状に並んだデジタル信号用のピンと、その横に※マークを傾けたようなアナログ信号用のピンを持つ、独特なピンレイアウトが特徴だ。

 DVIにはデジタル専用のDVI-D(Digital)、アナログ専用のDVI-A(Analog)、デジタル/アナログ両用のDVI-I(Integrated)の3種類があるが、コネクタは共通で、結線ピンが異なっている。DVI-Dはアナログ信号用のピンが横に平たいピンのみ、DVI-A/Iではすべてのアナログ信号用ピンが結線されている。

 HDMI同様、デジタル信号の伝送方式にはTMDSを採用。そのため、DVI-D/Iからパッシブ変換ケーブル/変換アダプタを使ってHDMIに変換できる。TMDSリンク(伝送路)は一つもしくは二つをサポートし、それぞれシングルリンク、デュアルリンクと呼ばれる。

 伝送クロックが最大165MHzである「シングルリンク」ではWUXGA(1920×1200ピクセル)/60Hzあたりが限界になるが、「デュアルリンク」ではクロックを引き上げることも可能であり、一般的に2560×1600ピクセル/60Hz、さらに4Kである3840×2400ピクセル/33Hzにも対応する。「シングルリンク」ではデジタル信号用ピンの中央2列が結線されておらず、3×3のマトリクスが2つあるように見えるのに対し、「デュアルリンク」では8×3のマトリクスすべてが結線されている。

18ピンのDVI-D「シングルリンク」と24ピンのDVI-D「デュアルリンク」

 ディスプレイ側の入力コネクタもDVI-D/IからHDMIに置き換わってきており、グラフィックスカードからの出力がDVI-D/Iであっても、変換アダプタを使ってHDMIでディスプレイに入力するケースは多い。

提供:EIZO株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2016年11月8日

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