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「万人に効く睡眠の特効薬」はあるか? 人工知能マットレス「MOORING」ができるまで(2/2 ページ)

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 世界では約19億人もの人々が睡眠障害を抱えており、日本でも不眠症の割合は2割から4割に上るともいわれている。Alice氏は自身の経験から、睡眠の質を下げるいくつかの要因――仕事に加えて家事や育児、体質やストレスについて関心を持ち、こうした睡眠を取り巻く問題を解決したいと考えるようになった。

 当初は薬や音楽、照明など、さまざまなアプローチから睡眠の質の改善を図る方法を模索していった。つまり、もともと睡眠改善のための問題意識が先にあり、「マットレスから始まった」わけではないのだ。

 研究や実験を重ねた結果、照明やスピーカーなどの「光や音」から睡眠を調節しようとしする試みでは、「万人にとっての最適解」が見つからないことが分かった。音楽や光に対する睡眠中の身体反応は、個人によって大きく異なっていたからだ。

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MOORINGの温度調整例

 さらに研究を続けたところ、「温度」が睡眠の質を左右する重要な要素であることを発見した。3度の室内温度差が睡眠の質を20%変化させること、人間には5段階の睡眠工程があり、それぞれに適温が異なることなども分かってきた。つまり、音楽や照明と比べて、「温度」は万人に当てはまる睡眠改善のためのポイントであると判明したのだ。

「マットレス」にたどりつくまで

 温度調節の方法として、まず考えたのは室内の空調をコントロールすることだった。しかし、このアイデアは完璧ではないことが後に分かる。Alice氏が設立したMIRAHOMEが、現在のマットレスという形にたどりつくまでには、いくつかの失敗と発見があった。

  • 室内温度と寝具内温度の関係は?
  • 寒すぎるのと暑すぎるのではどちらが睡眠にとって悪いか?
  • エアコンは「就寝時につけて後から消す」のと「睡眠の途中でつくようにタイマーをセットする」のとどちらが良いか?

 MIRAHOMEの研究の結果分かった「睡眠と温度の関係」と「黄金の睡眠サイクル」については、後日公開する記事後編でお届けする。

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