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VRコンテンツの開発コストを大幅に下げる画期的サービス「NEUTRANS」が生まれた理由(2/2 ページ)

会議や対面販売など、VR(バーチャル・リアリティ)のビジネス導入を加速させるSynamonの「NEUTRANS」。その開発現場を取材した。

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ツクモの深夜販売でコンロが当たったことも

── そんなNEUTRANSの開発体制はどんなPCを使っていますか?

武樋 ツクモさんの「G-GEAR mini」シリーズを使っています。自分が開発向けのPCを選ぶ上で一番重要だと思っているのが、信頼性というか、きちんと使っていけるのかというところです。

 VRコンテンツの制作をやると分かると思いますが、マシンスペックを限界まで使って開発するんですよ。このため、ノートPCでは常時ファンが「ブウォー」って100%回転しているような状態で、とても負荷がかかって故障しやすい。そこで壊れてしまうと開発もストップして、納期にも影響してしまう。

TSUKUMOの「G-GEAR mini」シリーズを2台導入。コンパクトなボディーながら、グラフィックスカードにGeForce GTX 1080カードを搭載した高性能な構成だ
制作用PCの構成
OS Windows 10 Home 64bit版
CPU Intel Core i7-7700 プロセッサー
マザーボード Intel H270 Express チップセット Mini-ITXマザーボード (ASRock製)
メモリ 16GB (8GB x2枚) DDR4 SDRAM PC4-19200
グラフィックスカード NVIDIA GeForce GTX 1080 / 8GB
ストレージ Sandisk製 480GB (SanDisk UltraII Series)
ケース G-GEAR mini ITXゲーミングケース (ブラック / 8M05)
オプション 12cm 冷却ファン x1個(サイド)
電源ユニット 【80PLUS BRONZE認証】 HEC製 HEC-500TD-5WX 黒塗装 (定格500W)

── 確かにVRのデモ用にはゲーミングノートPCは便利ですが、仕事での開発は余裕のあるデスクトップのほうがよさそうです。

武樋 あとは拡張性やメンテナンスのしやすさですね。とはいえ、いつかは壊れてしまうところもあるので、それが直しやすいかどうかもすごく重要です。うちのようなスタートアップですと軽さや扱いやすさも重要で、レイアウト変更やオフィス移転がしょっちゅうあるので、そこで重くて動かしにくいとなるとタイムロスが発生してしまう。

── 実際に使ってみて、どこがよいと感じましたか?

武樋 本体が本当に小さくて軽いところが一番いいですね。あとはVR向けとしては、USB 3.0の端子を多く用意していて、さらに前面にも付いているのが便利です。冷却性も考えられていて、コンパクトにすると空気の流れが悪くなって熱を持ちやすいと思いますが、全面メッシュなのでファンもそこまでうるさくならずに動いてくれています。

── 1日どのくらいの時間PCを使いますか?

武樋 会社にいるときはずっとなので10時間以上です。今、流体など物理演算のシミュレーションも盛り込もうとしていますが、そうした開発になると本当にファンがずっと回っていますね。

 要望があるとすれば、水冷のオプションがほしいところです。何台も導入して、どれも開発でファンが高速回転している状況だとちょっと気になってくるので……。そこはボディーサイズや金額との兼ね合いでしょうが、水冷が実現できるともう1つ上のランクになるかなと。

── 拡張性はどうでしょう?

武樋 自分もPCの自作が好きだから分かるのですが、内部のレイアウトやケーブルの取り回しが本当にきれいでメンテナンスしやすいです。側面のメッシュパネルを開けたときに、外して横に置かずに、開いたままカチっと止まるんです。そういうところはメーカーとして修理しているところもあって、すごく考えられている。

G-GEAR miniは拡張性やメンテナンス性が高く、PC自作をする武樋氏の目から見ても「非常によく考えられている」と絶賛

── お値段はどうですか?

武樋 めちゃくちゃ安いんじゃないかなと思いますね。やっぱ段々パーツの値段とかも下がってきてるのでっていうのはあると思うんですけど、全体にかなり安い。ストレージもSSD/HDDの両方で、さらにGeForce GTX 1080を搭載したうえで20万円ちょっとという金額なので。

── ハイエンドでこのサイズで……。安くなりましたね。

武樋 安いんです。しかもパッと買って帰れるというのが素晴らしい。自分でパーツを調べて買えばもう少し安くなるかもしれませんが、その手間を考えたら開発に回したほうがいい。アフターサポートもよくて、一度調子が悪くなってツクモさんに持ち込んだらすぐに修理していただけた。そこまで考えると、企業でずっと使うならトータルでプライスパフォーマンスの高い製品だなと思います。

── 話は変わりますが、ツクモさんを知ったのはどういった経緯からでしょうか?

武樋 自分が知ったのは新潟に住んでいた小、中学校とかくらいからで、ネットとかでよく見ていました。大学1、2年ぐらいで「Core 2 Duo」が販売されたときには、ツクモさんの深夜販売に並んでいます。開発コード名の「コンロー」にちなんで、購入特典の抽選会に電気コンロが出されていたのですが、それが当たりました(笑)

── なんと(笑)。ツクモの魅力はなんでしょうか?

武樋 店舗数の多さと、品ぞろえの素晴らしさですね。新しい商品も意欲的に店頭に並べている印象です。「ツクモたん」とか、キャラクターものを最初に取り始めたのもツクモさんが最初じゃないかな? そうした新しい取り組みに積極的なところも、きちんと秋葉原などの店頭に買いに来るお客さんとコミュニケーションをとりながら密にやっているところから生まれているんだと思います。

── 最後に、そんなツクモのPCを使って開発されているNEUTRANSの今後を教えてください。

武樋 自分としては、まずVR業界を発展させるというか、新しいニュースがどんどんどんどん出てくることが一番重要だと思っているので、まずはそこをやっていきたい。全部のシェアをとって囲い込みたいというのではなく、インディーズ文化のように好きで作って広がっていくというところを後押ししていければと思っています。

 現状は企業向けですが、VRユーザーが増えたらコンシューマー向けにも展開していきますし、SDKを提供してみなさんに使っていただけるようにもしたい。そうしたクリエイターを増やしていくことも経営理念として掲げています。最終的には市場に還元していくところを見据えた上での活動ができたらいいなと思っています。

 今は本当に毎日が楽しくて、VRのことしか考えていない。アイデアを出して別々に作っていた機能が1つに統合されて、バーチャル空間でできることがどんどん増えていく過程を見るのは本当に面白いし、未来を感じられるところです。みなさんもNEUTRANSで、ぜひVR開発を始めてみませんか?

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提供:株式会社Project White
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2017年6月15日

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