Core Xの性能は? Core i9-7900XとCore i7-7740Xを比較する(1/4 ページ)
Intelのハイエンドプラットフォーム向けCPU「Core X」シリーズが発売された。既にこれをサポートするIntel X299チップセット搭載マザーボードは登場しており、後はCPUの入荷を待つだけといった状況だった。それではCore Xのパフォーマンスを検証していこう。
Skylake-Xが上、Kaby Lake-XはほぼKaby Lake-Sと同じ
LGA 20xx系CPUの最新版となるのがCore Xシリーズだ。従来同様、GPUコアを省いた純粋なCPUであり、4コア以上のプロセッサをラインアップにそろえているため、これまでもCPU性能を求めるニーズに応えてきた。
特に上位モデルでは、CPU直結のPCI Expressレーンも豊富なことから、マルチGPUを構成した際に、2枚のグラフィックスカードをともに16レーン動作させることができ、ゲーマーにも注目されている。
さて、Core Xシリーズでは、ソケットがLGA 2066へと変わった。そのため、従来用いられてきたLGA 2011-v3ソケットのマザーボードをそのまま利用することはできない。買い換えを検討される方は、Core XシリーズCPUとLGA 2066をサポートするIntel X299チップセット搭載マザーボードの2つのパーツを導入しなければならない。
Core Xシリーズのラインアップは、やや複雑だ。そこでまずここを理解しておきたい。Core XシリーズCPUの第一弾では5つの製品が投入される。しかし、5つの製品の中に、コードネーム「Skylake-X」と「Kaby Lake-X」という異なる2つのマイクロアーキテクチャが混在している。
メインストリーム向けCPUをお使いの方なら分かる通り、SkylakeはLGA 1151ソケットでは一つ前の世代、Kaby Lakeは現行世代だ。通常、ハイエンドプラットフォームでは前世代のアーキテクチャのCPUをベースにコア数を増やした製品が投入されていた。ところが、今回に限ってはハイエンドとメインストリームで同じ世代がさほど間を置かずに投入されることになる。
型番 | Core i9-7900X | Core i7-7820X | Core i7-7800X | Core i7-7740X | Core i5-7640X | Core i7-6950X | Core i7-7700K | Core i5-7600K |
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コードネーム | Skylake-X | Skylake-X | Skylake-X | Kaby Lake-X | Kaby Lake-X | Broadwell E | Kaby Lake-S | Kaby Lake-S |
コア数 | 10 | 8 | 6 | 4 | 4 | 10 | 4 | 4 |
スレッド数 | 20 | 16 | 12 | 8 | 4 | 20 | 8 | 4 |
定格クロック | 3.3GHz | 3.6GHz | 3.5GHz | 4.3GHz | 4GHz | 3GHz | 4.2GHz | 3.8GHz |
TurboBoostクロック | 4.3GHz | 4.3GHz | 4GHz | 4.5GHz | 4.2GHz | 3.5GHz | 4.5GHz | 4.2GHz |
TurboBoostMAXクロック | 4.5GHz | 4.5GHz | - | - | - | 4GHz | - | - |
LLC容量 | 13.75MB | 11MB | 8.25MB | 8MB | 6MB | 25MB | 8MB | 6MB |
最大メモリ容量 | 128GB | 128GB | 128GB | 64GB | 64GB | 128GB | 64GB | 64GB |
メモリチャンネル数 | 4ch | 4ch | 4ch | 2ch | 2ch | 4ch | 2ch | 2ch |
メモリクロック | DDR4-2666 | DDR4-2666 | DDR4-2400 | DDR4-2666 | DDR4-2666 | DDR4-2400 | DDR4-2400 | DDR4-2400 |
PCI Expressレーン数 | 44レーン | 28レーン | 28レーン | 16レーン | 16レーン | 40レーン | 16レーン | 16レーン |
拡張命令セット | SSE4.1/4.2, AVX 2.0, AVX-512 | SSE4.1/4.2, AVX 2.0, AVX-512 | SSE4.1/4.2, AVX 2.0, AVX-512 | SSE4.1/4.2, AVX 2.0 | SSE4.1/4.2, AVX 2.0 | SSE4.1/4.2, AVX 2.0 | SSE4.1/4.2, AVX 2.0 | SSE4.1/4.2, AVX 2.0 |
ソケット | LGA2066 | LGA2066 | LGA2066 | LGA2066 | LGA2066 | LGA2011-v3 | LGA1151 | LGA1151 |
TDP | 140W | 140W | 140W | 112W | 112W | 140W | 91W | 91W |
製造プロセス | 14nm | 14nm | 14nm | 14nm | 14nm | 14nm | 14nm | 14nm |
そして注意したいのは、6コア以上の製品はSkylake-X、4コアの製品がKaby Lake-Xという点だ。これはおそらく開発期間の問題だろう。Skylake-Xには十分な期間があったとして、Kaby Lake-Xはより短期間でリリースに至ってしまったというところではないだろうか。
また、Core i9-7900Xのように「i9」グレード、Core i5-7640Xのように「i5」グレードが投入されるのも象徴的だ。i9については、最上位製品ということだろう。これに伴い「エクストリーム・エディション」という従来、最上位製品を示していた名称が消えた。
Core i5は捉え方が難しいが、4コアでHyper-Threadingに非対応というところはLGA 1151のi5と同様である。なぜ追加されたのかという点は、おそらくLGA 2066のエントリーとしての役割ではないだろうか。高価なハイエンドプラットフォームに対して、ステップアップグレードのパスを提供することになるだろう。
Core i7-7740XとCore i5-7640Xは、LGA 1151のCore i7/5と比べてクロックが若干高く、メモリもSkylake-Xに合わせてDDR4-2666対応に引き上げられている。ただし、メモリチャンネル数は2チャンネルで、PCI ExpressについてはLGA 1151 Core i7/5と同じ16レーンであり、ハイエンドプラットフォームのCPUとしての魅力はやや乏しい。
また、Core i7-7820Xと7800Xは慎重に検討したい。それというのも、PCI Expressが28レーンなので16レーン×2本のマルチGPUが利用できないからだ。1世代前のBroadwell-Eでは、Core i7-6900Kや6850Kのように40レーン対応のCPU候補がいくつか用意されていたのだが、今回は最上位のCore i9-7900Xのみになってしまっている。
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