コラム

GPD Pocket2は「買い」なのか

GPD Pocket2の魅力と懸念を紹介。

 超小型ノートPC「GPD Pocket2」の先行予約販売が始まりました。先行では8GBメモリモデルが約6万7000円(599ドル)という価格。当初1000台の枠を用意していましたが、好評を受け1800台まで増枠。記事を執筆している8月2日午後8時の時点で残り台数は65台になっています。

 GPD Pocket2は手のひらサイズ(フットプリント181×113mm)ながら、CPUに「Core m3-7Y30」(2コア4スレッド)、メモリ8GB、128GBストレージというスペックを実現。他社からはこのような超小型PCが出てこないだけに、かの「VAIO type P」(フットプリント245×120mm)を好きだったユーザーにとってはかなり魅力的に映るのではないでしょうか。

 ただ、懸念材料もあります。一つはポインティングデバイス。初代の「GPD Pocket」が、「VAIO type P」や「ThinkPad」シリーズのようにキーボード中央にポインティングデバイスを配置していたのに対し、本機では右上(DELキーの上)に光学式のものを配置しました。

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「GPD Pocket2」のキー配列

 左上には左クリックと右クリックに相当するキーを置くことで、両手でPCを持ちながらのカーソル操作を可能としています。両手持ちの際にはいいかもしれませんが、机の上や膝上でタイピングしたときにどれほどの操作性になるかは未知数です。

 次に電源周り。GPDの歴代機(GPD WIN、GPD Pocket)では、個体によってスリープ復帰に不具合があるなどといった報告が挙がっていました。2018年に発売した「GPD WIN2」ではこうした報告は減っているので、Pocket2でも大丈夫かもしれませんが、個人的に不安は拭い切れないところです。また、電源ボタンがファンクションバー内にある仕様も独特です。筆者は実機を見ていないので何ともいえませんが、物理ボタンではなくタッチ式だとすると強制再起動などがうまくできるのかやや不安が残ります。

 ストレージについても考える余地があります。128GBというと、あまり多くのデータ保存やプログラムのインストールはできません(Windows Updateに必要な空き容量も考えるとなおさら)。さらに、ストレージはSSDではなくeMMCであるため、読み込み/書き出し速度が大丈夫なのかという議論もあります。

 なお、GPDによるベンチマークではシーケンシャルリードが267.35MB/s、シーケンシャルライトが120.10MB/sとなっています。公称値で近いのは、インテルが2011年に発売した「SSD 320」シリーズ(リード270MB/s、ライト130MB/s)辺りでしょうか。


GPDが公表しているGPD Pocket2のストレージの速度

 最後がキーボードです。キー配列の画像を見ていただくとよく分かりますが、本体の幅を削りつつキーピッチを確保するため、「Tab」「半角/全角」「CapsLock」などのキーが数字キーの段のさらに上に配置されています。記号系のキーも変則的。しかもなぜか、「Q」の段、「A」の段、「Z」の段のキー同士の隙間の大きさがバラバラ。打ち心地に影響があるかは分かりませんが、気になる人もいるでしょう。

 こうした懸念材料はありますが、一方でUSB Type-Cによる充電が可能だったり、USB Type-Aが2基、microSDカードスロットも搭載していたりと必要なポートは一通りあります。マルチタッチ対応7型のディスプレイも1900×1200ピクセルのIPS液晶と文句なし。USBハブを接続すればHDMIで4K24pまでの出力も可能です。バッテリーは6800mAhで、6~8時間のバッテリー駆動時間を期待できるとしています。

 GPD Pocket2の予約が始まってから、筆者は「欲しい、欲しくない、欲しい、欲しくない……」と花占いを毎日していましたが、GPD Pocket2に搭載するCore m3-7Y30が「ThinkPad T440s」(筆者の仕事マシン)などに搭載されている「Core i5-4200U」とベンチマークで同等かそれ以上の性能をたたき出す報告があったため、購入を決心しました。


PassMarkのCPUベンチマークでは、Core i5-4200UよりCore m3-7Y30のスコアの方が高かった(PassMarkより)

 というわけで、記事タイトルの「GPD Pocket2は「買い」なのか」という問いに対する答えは、筆者の場合「買い」となります。現場からは以上です。

※この記事はメールマガジン「ITmedia デジタルライフスタイル通信」から転載、加筆・修正したものです。購読申込はこちら

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