デジタルトランスフォーメーションを目指す中小企業インフラの「コア」に――「QNAP QGD-1600P」で構築する2Uシステム(2/3 ページ)
昨今叫ばれる「デジタルトランスフォーメーション(DX)」。特に中小企業では対応がなかなか難しい面もある……が、QNAPのインテリジェントエッジPoEスイッチ「QGD-1600P」を使えばコストを抑えつつ適切な対応が可能だ。
QGD-1600PにはHDMI出力端子やUSB 2.0/3.0ポートも搭載されている。モニタ、マウスやキーボードを接続すれば「HybridDesk Station」にアクセスすることができるので、そこからQTSを起動すれば、ネットワークを介することなく管理画面が利用できる。
“インテリジェント”と名の付く通り、スイッチ部分は多機能だ。サポートしている主な機能を以下に挙げる。
- ポートごとの有効/無効制御、通信速度、フローコントロール、ジャンボフレーム
- PoE
- VLAN(Tagged、Untagged)
- リンクアグリゲーション(Static、LACP)
- ACL
- IGMP
- QoS
- ポートミラーリング
- LLDP
- ループ検出
これらは、管理ツールである「QuNetSwitch」から状況を確認したり設定を変更したりできる。
LACP(Link Aggregation Control Protocol)は、IEEE 802.3adで規定されているリンクアグリゲーションプロトコルの1つ。複数のポートをまとめて高速化、冗長化できる
全16ポートがPoE対応 レイアウトの自由度が増す
QGD-1600Pのスイッチ部にある16ポートは、先述の通り全てPoEに対応している。
LANケーブルで給電を行うための規格であるPoEは、現在のオフィス環境において非常に重要だ。単に線が1本少なくて済むというメリットはもちろんだが、長距離配線と短距離配線の混在によるレイアウトの制限がなくなるというメリットがより大きい。
大企業の社内ネットワークは、バックボーンネットワークをコアスイッチで構成し、拠点や部門をエッジスイッチで管理、デスクの「島」には「島ハブ」と呼ばれる安価なスイッチングハブを設置し、PCなどのクライアント機器を接続する、という構成を取ることが多い。中小企業なら、コアスイッチの1階層下にあるエッジスイッチが中心となり、その下に島ハブという構成を取ることが多い。
エッジスイッチのダウンリンクポートには島ハブを接続することが一般的だが、そのエッジスイッチと島ハブがPoEに対応していないと、LANケーブルの他に電源ケーブルやACアダプタをつながなくてはならない。LANケーブルを長く引っ張っても、結局はコンセントのそばに設置せざるを得なくなるのだ。
だが、PoEに対応していれば、LANケーブルが敷設できる場所ならどこにでも島ハブを設置できる。QGD-1600Pは全16ポートが「PoE PSE(15.4W)」「PoE+ PSE(30W)」に対応し、うち4ポートは「PoE++ PSE(最大60W)」にも対応している。
QGD-1600PはPoE機器に合計で370Wまで給電できるが、PoE+以上の電力を要求する機器を多数接続してしまうと、供給能力をオーバーしてしまうこともあり得る。そこで、本機では供給先の優先度を「Critical(最重要)」「High(高)」「Low(低)」の3段階で指定できるようになっている。
とはいえ、PoE対応機器を頻繁に追加したり削除したりするケースはそれほど多くはないはず。QuNetSwitchでは、機器の消費電力をポート単位でグラフ表示することができるので、まずはそれを参考に余裕を見た構成で運用することを心掛けるべきだろう。利用時間帯が限られている機器なら、PoEを有効にする時間帯をスケジューリングすることで、不要な時間帯には電力を供給しないということもできる。
その他、PoEへの給電を停止または再開することで、リモートからIPカメラの(再)起動などをする、といった運用も可能だ。
提供:QNAP株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2019年11月20日
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