「CPUは同じだけどMaxとはこれいかに」なGPD P2 Maxを検証する:上位モデルと下位モデル、気になる性能差は?(2/3 ページ)
「GPD P2 Max」は、Shenzhen GPD Technologyが投入した超小型PCだ。8.9型の液晶ディスプレイに大型化し、性能を高めた上位モデルと下位モデルの性能や発熱、騒音などを細かくチェックした。
上位モデルと下位モデルの違いは
GPD P2 Maxは、先に述べたようにCPUなどのスペックが異なる上位モデルと下位モデルがある。上位モデルのCPUはCore m3-8100Yで世代としては2018年に登場した第8世代(開発コード名:Amber Lake Y)にあたる。14nmプロセスルールを導入して物理コアは2基で4スレッドに対応する。
ベースになる動作クロックは1.1GHz、Turbo Boost有効時は最大3.4GHzまで上がる。スマートキャッシュ容量は4MBでTDPは5Wだ。このCPUは従来モデルのGPD Pcoket2でも搭載している。その意味でGPD P2 MaxはCPU強化版という位置づけには当てはまらない。
下位モデルのCPUはCeleron 3965Yで、世代としては2017年のKaby Lake(開発コード名)世代に当たる。14nmプロセスルールを導入して2コア2スレッドで動作する。動作クロックは1.5GHzでTurbo Boostには非対応だ。スマートキャッシュ容量は2MBでTDPは6Wと、実はCore m3-8100Yより高い。
しかし、システムメモリの容量はGPD Pocket2の8GBから16GB(上位モデルのみ)と増えた。ストレージの仕様もこれまでのeMMCからM.2 PCIe Gen 3.0 x4接続と高速転送規格に対応し、容量も512GBと増えた(下位モデルは256GB)。アプリケーションによってはCPU以上に処理能力の向上に影響するシステムメモリ容量の増加とストレージ接続バスの高速化は、CPUが変わらずともGPD P2 Maxが処理能力強化版といえる理由でもある。
では、実際にどの程度の効果があったのか。ベンチマークテストとしてPCMark 10、3DMark(Time Spy)、CINEBENCH R15、ファイナルファンタジー XIV ベンチマーク 漆黒の反逆者、CrystalDiskMark x64 7.0.0を用いて測定した。
ベンチマークテストの結果 | |||
---|---|---|---|
機種名 | GPD P2 Max(Core m3) | GPD P2 Max(Celeron) | GPD Pocket2 |
PCMark 10 | 2842 | 1662 | 2406 |
PCMark 10 Essentials | 6357 | 3752 | 5591 |
PCMark 10 Productivity | 4962 | 2620 | 4497 |
PCMark 10 Digital Content Creation | 1975 | 1269 | 1506 |
CrystalDiskMark x64 6.0.2 シーケンシャルリード | 1831.2 | 1666.4 | 210.7 |
CrystalDiskMark x64 6.0.2 シーケンシャルライト | 1702.9 | 1293.5 | 124.2 |
CINEBENCH R15 CPU | 244 | 105 | - |
CINEBENCH R15 CPU single | 95 | 59 | - |
3DMark Time Spy | 336 | 282 | - |
FFXIV 漆黒の反逆者 | 1667 | 1423 | - |
同じCPUを載せた“新旧”モデルだが、やはりシステムメモリの容量とストレージの接続バスが高速化したおかげで、ベンチマークテストのスコアは総じて“新”モデルが上回った。図らずも処理能力におけるCPU以外の影響力が示されたともいえる。ただし、ファイナルファンタジーベンチマークの結果が示すように、3Dを多用するゲームを動かすには、CPU統合型のグラフィックスコア「Intel UHD Graphics 615」(下位モデルはIntel HD Graphics 615)は力不足であることを留意しておきたい。
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