レビュー

E Ink電子ノート「QUADERNO(クアデルノ)」をライバル製品と比較した第2世代に進化して大幅パワーアップ!(1/5 ページ)

富士通クライアントコンピューティング(FCCL)のE Ink電子ノート「QUADERNO」が第2世代に進化した。A5版(10.3型)とA4版(13.3型)のラインアップから、前者を試してみた。

 富士通クライアントコンピューティング(FCCL)から、E Ink電子ペーパーを採用した電子ノート「QUADERNO」(クアデルノ)の新モデルが登場した。2018年に発売された従来モデルと外観はほぼ同一だが、CPUのパワーアップやワコム製デジタイザの採用による遅延の改善、コントラストの向上など、細部にわたって手が加えられている。

 今回は、A4とA5サイズの2種類ある新製品のうち、A5モデル(FMVDP51)を用いて他社のE Ink電子ノートとも比較しつつ、その実力をチェックする。


10.3型の「QUADERNO A5(Gen.2)」。ボディーサイズは約173.2mm(幅)×約242.5mm(奥行き)×約5.9mm(厚さ)ある。A4版「QUADERNO A4(Gen.2)」は13.3型だ

iPadと同等サイズで重量は約半分

 まずハードウェアとしての特徴を見ていこう。画面サイズはiPadとほぼ同じ10.3型で、ボディーサイズも近い。もっとも重量は約261gと、iPadをはじめとしたこのクラスのタブレットの約半分しかない。以前紹介した10.3型の「Supernote A5 X」よりも、さらに100g近く軽いというから驚異的だ。

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 16階調モノクロのE Ink電子ペーパーを搭載しており、画面解像度は1404×1872ピクセル(227ppi)となる。ストレージは32GBと、後述する競合のE Ink電子ノートと比べても十分な容量だ。天面部分にはUSB Type-Cポートと電源ボタンがあり、充電中はLEDが点灯する。

 駆動時間はWi-Fiオフで2週間、オンで5日。従来モデルはそれぞれ3週間/1週間だったので短くなっている。ただしオートスリープの間隔を長くし、かつ一日に数時間ほど使っていると、5日といわず1~2日程度でバッテリー残量不足のアラートが出るなど、E Inkデバイスとしてはバッテリーはかなり短命だ。軽量化の代償といったところだろう。

 満充電までの時間は、電源オフで2.5時間、オンのままだと7時間とかなりの差がある。充電は電源オフの状態で行うよう心掛けたい。


今回はA5サイズのモデルを試用した。重量は約261gと競合機に比べて突出して軽い。ただし、従来モデルは約251gだったので実は若干増したことになる

ボディーの裏面。中央部に厚みがあり、周囲を薄くすることで、手に持った時にスリムに感じるよう仕上げられている

10.2インチiPad(右)とのサイズ比較。4:3比率のスクリーンも含めサイズは酷似している

厚みの比較。本製品の薄さがよく分かる

充電用USB Type-Cポートと電源ボタンが、底面ではなくトップ面にある珍しい配置だ。両サイドが薄くなっていることがよく分かる

天面中央のホームボタンを押してメニューを呼び出す仕組み。どの画面からも呼び出せる

ベゼルはやや厚みがあるが、この手のデバイスはあまり薄くても持ちにくいだけなので適切な幅といえる。ちなみに左右は実測6.5mm、上は15.5mmある

上部右にはスマホと連携するためのNFCアイコンがある

付属のスタイラスペン(ワコムの電磁誘導方式)。長さは約138.35mm、太さは約8mmとなる。従来モデルにあった、側面にマグネットで吸着するギミックは廃止されている。サイドボタンには消しゴム機能が、尾部のスイッチ(テールスイッチ)には消しゴムを含む複数の機能を割り当てられる

 セットアップは、データ転送にまつわる設定こそPCが必要になるが、それ以外は単体でのセットアップが可能だ。Wi-Fi設定すらPCが必要だった従来モデルからすると、大きな進化といっていいだろう。


言語設定の後にキャリブレーションを行う。これがやや手間だが、設定は実質これだけだ

続いてPCとのデータ転送に使うアプリをセットアップするか尋ねられる。必須ではないので今回はパスする。閉じると操作ガイダンスが始まり、終わると利用可能になる

Wi-Fiは、このセットアップフローとは別に手動で設定する。従来モデルと違ってPCがいらず、単体で設定が行える

 セットアップが終わったので、早速書き味を試してみよう。

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