Eコアとキャッシュの増量でより強く! 第13世代Coreプロセッサの実力をチェック:ネックは価格?(3/4 ページ)
Intelが発売したハイエンドデスクトップ向け「第13世代Coreプロセッサ」は、第12世代Coreプロセッサをさらに洗練したCPUだという。その実力はいかほどのものか、発売に合わせてチェックしてみた。
3DMark
続けて、ULの3Dグラフィックスベンチマークアプリ「3DMark」を実行してみよう。
どちらかというと、3DMarkはグラフィックスカード(GPU)のテストアプリであるというイメージが強い。確かにその通りなのだが、実は意外とCPUも“酷使”している。テスト内容にもよるが、CPUの性能差が総合スコア、あるいは「CPU Score」の差として出てくることも多い。CPUを固定すればGPUの、GPUを固定すればCPUのパフォーマンスがある程度見えてくるのである。
3DMarkの主要なテストの総合スコアは以下の通りだ。
- Fire Strike(DirectX 11ベース/フルHD描画)
- Core i7-12700F:3万4547ポイント
- Core i5-13600K:3万8520ポイント
- Core i7-13700K:4万2653ポイント
- Core i9-13900K:4万3101ポイント
- Fire Strike Extreme(DirectX 11ベース/WQHD描画)
- Core i7-12700F:2万1809ポイント
- Core i5-13600K:2万4010ポイント
- Core i7-13700K:2万5185ポイント
- Core i9-13900K:2万5343ポイント
- Fire Strike Ultra(DirectX 11ベース/4K描画)
- Core i7-12700F:1万2961ポイント
- Core i5-13600K:1万3075ポイント
- Core i7-13700K:1万3182ポイント
- Core i9-13900K:1万3239ポイント
- Night Raid(DirectX 12ベース/フルHD描画)
- Core i7-12700F:7万7632ポイント
- Core i5-13600K:7万8520ポイント
- Core i7-13700K:9万249ポイント
- Core i9-13900K:9万3269ポイント
- Time Spy(DirectX 12ベース/WQHD描画)
- Core i7-12700F:1万8869ポイント
- Core i5-13600K:1万9234ポイント
- Core i7-13700K:1万9531ポイント
- Core i9-13900K:1万9736ポイント
- Time Spy Extreme(DirectX 12ベース/4K描画)
- Core i7-12700F:9031ポイント
- Core i5-13600K:9260ポイント
- Core i7-13700K:9593ポイント
- Core i9-13900K:9914ポイント
いずれもCore i9-13900Kがトップかつ優秀なスコア……なのだが、数字をよくよく見てみると、グラフィックス負荷の重い(≒解像度の高い)テストでは、スコアの差が思ったほど大きく付かない傾向にある。これはCPUよりもGPUの性能がボトルネックとなっている可能性を示唆している。
楽しむゲームにもよるが、場合によっては「CPUを1つダウングレードして、その差額でグラフィックスカードをアップグレードする」という戦略も“アリ”だろう。
FF14ベンチマーク/FF15ベンチマーク
続けて、実際のゲームをベースとするベンチマークテストとして、「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク(FF14ベンチマーク)」を試してみる。
今回は始めから「最高品質」設定として、フルHD(1920×1080ピクセル)、WQHD(2560×1440ピクセル)、4K(3840×2160ピクセル」の3解像度でスコアを計測した。結果は以下の通りだ。
- フルHD
- Core i7-12700F:2万7176ポイント(非常に快適)
- Core i5-13600K:2万6966ポイント(非常に快適)
- Core i7-13700K:2万9899ポイント(非常に快適)
- Core i9-13900K:3万2071ポイント(非常に快適)
- WQHD
- Core i7-12700F:2万3242ポイント(非常に快適)
- Core i5-13600K:2万3104ポイント(非常に快適)
- Core i7-13700K:2万4601ポイント(非常に快適)
- Core i9-13900K:2万6392ポイント(非常に快適)
- 4K
- Core i7-12700F:1万3962ポイント(とても快適)
- Core i5-13600K:1万3748ポイント(とても快適)
- Core i7-13700K:1万4156ポイント(とても快適)
- Core i9-13900K:1万4644ポイント(とても快適)
特にフルHDでは、Core i9-13900KやCore i7-13700Kが性能を“持て余している”感じがする。ゲームにおけるフレームレート(1秒間の描画回数)はCPUの性能に大きく依存することも多いので、高フレームレートで安定してゲームを楽しみたい場合は、Core i9-13900KやCore i7-13700Kに高性能グラフィックスカードを組み合わせると良さそうである。
少し負荷の大きな「FINAL FANTASY 15 WINDOWS EDITION BENCHMARK(FF15ベンチマーク)」も実行してみよう。こちらも画質を「高品質」とした上で、フルHD、WQHD、4Kの3解像度でスコアを測った。結果は以下の通りだ。
- フルHD
- Core i7-12700F:1万6890ポイント(非常に快適)
- Core i5-13600K:1万5703ポイント(非常に快適)
- Core i7-13700K:1万5620ポイント(非常に快適)
- Core i9-13900K:1万7226ポイント(非常に快適)
- WQHD
- Core i7-12700F:1万2288ポイント(非常に快適)
- Core i5-13600K:1万2146ポイント(非常に快適)
- Core i7-13700K:1万2573ポイント(非常に快適)
- Core i9-13900K:1万3262ポイント(非常に快適)
- 4K
- Core i7-12700F:7331ポイント(快適)
- Core i5-13600K:7325ポイント(快適)
- Core i7-13700K:7388ポイント(快適)
- Core i9-13900K:7429ポイント(快適)
基本的には、解像度が高くなるほどCore i9-13900Kの優位性が高まる結果となった。同じGPUでテストしたRyzen 7000シリーズのスコアと比べると、それぞれレンジのライバルと遜色のないパフォーマンスを発揮できている。
ただし、先にも触れた通り、今回のテストはDDR5-4800規格のメモリモジュールを使ってテストをしている。それに対して、Ryzen 7000シリーズのテストではDDR5-6000規格のメモリモジュールを使ってテストを実施している。負荷の大きなゲームではメモリのアクセス速度が全体のパフォーマンスに影響することも多いので、より高速なメモリを用意すれば、第12世代Coreプロセッサのスコアはさらに伸びる可能性もある。
もっとも、これだけ「遅い」メモリでも高いスコアを記録できるという点において、第13世代Coreプロセッサはゲーミング用途でも優秀であることは間違いない。
第13世代Coreプロセッサは、定格でDDR4-3200規格のメモリもサポートしている。今後、機会があればDDR4メモリに対応するマザーボードでも同じようなテストをやってみたい……と興味津々な筆者なのであった。
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