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毎秒10GB超の読み書きを実現! PCIe 5.0接続のSSD「Crucial T700」(サンプル版)は“異次元”のスピードだった(1/2 ページ)

Micron(マイクロン)がコンシューマー向けのPCI Express 5.0接続SSD「Crucial T700」をリリースする予定である。そのエンジニアリングサンプル版を先んじて試す機会があったので、その“爆速さ”を体感してみよう。

 Micron(マイクロン)が4月17日、個人向けブランド「Crucial(クルーシャル)」において初のPCI Express 5.0 x4対応SSD「Crucial T700 PCIe Gen5 NVMe SSD」を発表した。

 「PCI Express 5.0 x4対応SSD」というだけなら、既に他社からもいくつかリリースされている。しかし、今回はNANDメモリやDRAMを自社製造するメーカーが“直接”投入するとあって、がぜん注目を集めている。

 今回、製品版のリリースに先駆けてCrucial T700の「エンジニアリングサンプル版」(技術検証用の先行版)を試す機会を得たので、どのくらいの“実力”を備えているのか検証していきたい。

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Crucial T700のエンジニアリングサンプル版(上がヒートシンク付きモデル、下がヒートシンクなしモデル)

公称で「シーケンシャルリード毎秒1万2400MB」

 ベンチマークテストを行う前に、Crucial T700の仕様や外観を確認していく。

 Crucial T700は、自社製の232層3D TLC NANDフラッシュメモリと、Phison製コントローラーチップ「PS5026-E26」を組み合わせたSSDだ。公称のスペックはシーケンシャル(連続)の読み出し(リード)で毎秒1万2400MB(約12.1GB)書き込み(ライト)で毎秒1万1800MB(約11.5GB)と、とてつもなく高速である。

 容量は1TB、2TB、4TBの3種類が用意される予定で、それぞれに「ヒートシンクなし」「ヒートシンク付き」が用意される。PCI Express 5.0 x4接続のNVMe SSDを搭載できるマザーボードの多くは、専用のヒートシンク(ヒートスプレッダー)が付属している。マザーボードのヒートシンクを生かす場合は、ヒートシンクなしモデルを購入しよう。

 一方で、ヒートシンク付きのモデルは専用ヒートシンクを備えないマザーボード、あるいはPlayStation 5への装着を考えている場合にピッタリである。ただし、本SSDの“実力”を生かすには、PCI Express 5.0 x4スロットを持つPC(マザーボード)と組み合わせる必要があるので注意したい。


ヒートシンク付きモデルをマザーボードに収めた図。ヒートシンク付きの場合、組み合わせるマザーボードやパーツによっては干渉する恐れがあるので装着する際には気を付けたい

 今回レビューするエンジニアリングサンプル版は、ヒートシンクなし/あり共に容量は2TBである。チップは両面実装なので、ヒートシンクなしモデルでも、マザーボードのM.2スロットのクリアランスによってはうまく装着できない可能性がある。

 もっとも、PCI Express 5.0 x4接続に対応するマザーボードの場合、放熱的な余裕を持たせる意味も込めてスペースを確保していることが多い。差し込んだらマザーボードにチップが当たってしまう、という心配は不要だろう。


今回試す2TBモデルのエンジニアリングサンプル版は、チップが両面実装となっていた。M.2スロットの設計によっては、裏面のチップがマザーボードにぶつかってしまう可能性もある

ヒートシンクなしモデルの外観。ヒートシンクこそないが、両面に貼られているラベルシールは銅箔が使われており、放熱効果を高める工夫がなされている
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