レビュー

約1kgで12.4型の2in1 PC「Let's note QR4」は高い完成度のモバイルPCだった(4/4 ページ)

12.4型フリップ液晶ディスプレイ搭載のモバイル向け2in1 PC「Let's note QR4」の実力を試していく。旧来のLet's noteとは一線を画すモダンなデザインを採用しており、「Let's note SR4」の2in1 PC版ともいえる製品だ。

前のページへ |       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

パフォーマンスと静音性、放熱のバランスが秀逸

 ベンチマークテストの結果を確認してみよう。特に言及がないものは、ファン動作モード設定を「標準」、Windowsの電源設定は「最適なパフォーマンス」を選択している。参考として旧世代のビジネスPC(2018年発売)のスコアも掲載している。


テストに利用した機材の主なスペック

動作モードは「標準」を中心にテストした

 パフォーマンスに関しては、Core i7-1360P搭載機と大きな差のないスコアにとどまっており、Core i7-1370P搭載機のフルパフォーマンスまでは出せていない。それでも、1kg前後のノートPCとは思えないようなパワフルなパフォーマンスを発揮できてはいる。

 一方、静音性とボディーの放熱設計については素晴らしい。「標準」と「冷却優先」で動作音はほぼ同じで、後者はシステムのパフォーマンスを控えめにすることで、ボディーの発熱を抑えるようになっているようだ。標準でも手がよく触れるパームレストなどの発熱は体温以下に抑えられているが、冷却優先ならばより低く抑えられている。「静音」モードならば、ボディーの発熱も「標準」と同等のまま文字通りの静音で快適な運用ができる。

advertisement

 12.4型、約1kgのフォームファクターでこれだけのパフォーマンスを発揮しつつ、静音性や放熱性もしっかりと確保できているバランスの良さ、完成度の高さは特筆できるだろう。


CINEBENCH R23(最低実行時間10分)のスコア比較

PCMark 10のスコア比較

PCMark 10/Modern Office Battery Lifeのスコア(画面輝度は50%)。こちらはWindows 11の電源設定「トップクラスの電力効率」でテストした。残量99%から6%まで7時間43分動作した

3DMarkのスコア比較

FINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマーク(1920×1280ピクセル/標準品質)の動作モード別スコア

システムの動作音(室温29度/暗騒音34.1dB)

FINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマーク終了直後にFLIR ONEで撮影したサーモグラフィー(標準モード、室温29℃)

FINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマーク終了直後にFLIR ONEで撮影したサーモグラフィー(冷却優先モード/室温29度)。標準より全体のピーク温度は3.5度、パームレストの最大温度は2.6度低くなっている

FINAL FANTASY XIV:暁月のフィナーレベンチマーク終了直後にFLIR ONEで撮影したサーモグラフィー(静音モード/室温29度)。標準より全体のピーク温度は1.7℃、パームレストの最大温度は0.4度低い

高価だが完成度は素晴らしい2in1モバイルノート

 これまで見てきたように、Let's note QR4はビジネス向けのモバイル向け2in1 PCとして非常に完成度の高い製品だ。パワフルなパフォーマンス、ハイブリッドワーク向けのビデオ会議やセキュリティ機能、そして静音性や放熱性などの使い勝手の部分も含めて、隙のない製品となっている。


もう一つのカラーバリエーションとなるジェットブラック

 今回の評価機(CF-QR4SRCCP)の直販価格(Panasonic Store Plus)は、41万2500円(税込み、以下同)となっている。CPUがCore i5-1235Uでメモリが16GBのモデル(CF-QR4RRBCP/CF-QR4RSBCP)は34万3200円から用意されている。ビジネス向けのパフォーマンスとしては、こちらも十分な内容だけにあわせて検討するといいだろう。

※記事初出時、一部の写真と表記に誤りがありました。おわびして訂正します(2023年9月5日午後15時30分)。

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.