Special

これが自作PCの未来か ケーブル1本でPCパーツを制御できるCorsair「iCUE LINK」を試す(1/3 ページ)

自作PCの配線をスマートにするCorsairの「iCUE LINK」が登場。どのような使用感で、どんな場面に役立つのか。実際に使ってメリットを考えてみた。

PR

 自作PCはスペックもさることながら、見た目にこだわりたいという声も少なくない。特に昨今はケースの側板にガラスやアクリルなど透明の素材を使って、内部を魅せるPCが流行っている。

 内部のマザーボードやビデオカード、メモリといった厳選パーツが眺められるだけでなく、LEDパーツでイルミネーションさせれば部屋の中でも存在感は高まるだろう。ただ、内部の見た目にこだわっていくと煩わしいのが配線ケーブルの存在だ。部品同士をつなぐ必要不可欠なものだが、気を遣わないとケース内部がごちゃごちゃしてしまう。見た目を気にして隠すのもけっこうな手間だ。

 今回はそうした配線の手間を軽減してくれる、Corsair(コルセア)の「iCUE LINK」を紹介しよう。


Corsairの「iCUE LINK」を搭載したデスクトップPC

PCパーツの老舗、Corsairをちょっとおさらい

 Corsairと言えば「ゲーミングPC」のパイオニアとして挙げられる1社だ。そもそもオーバークロックメモリのメーカーとしてスタートし、PCケースや電源でも、その性能でハイエンドの自作PCユーザーの心をつかんできた。


現在、Corsairではキーボードやヘッドセット、チェアやモニターなどあらゆるゲーミングデバイスを手掛けている

 今回紹介するiCUE LINKは、PCパーツ同士をより簡単に接続できるようにする新発想の製品だ。現在、iCUE LINK対応製品としてリリースされているのは、ケースファンと水冷関連製品で、iCUE LINKを理解する上で重要なキーワードとなるのが「電力」と「LED」だ。


ファンBOX「Corsair iCUE LINK システムハブ付き iCUE LINK QX120 RGB 120mm PWM PC ファン スターターキット」

同スターターキットの付属品

水冷CPUクーラーBOX「Corsair iCUE LINK H150i RGB」

同BOXの付属品

 PCケースにLEDファンを組み込む場合、手間となるのが配線だ。一般的にファンの電力としてPWM 4ピンケーブル、ARGB LED制御のためにARGB 3ピンケーブルという2系統のケーブルを接続しなければならない。

 LEDファンも1基ならまだラクだが、一般的には複数基を搭載することが多いだろう。ミドルタワーケースで水冷CPUクーラーを含めて全てのファンをLED化すると、少なめに見積もっても6~7基のファンが必要で、ケーブル配線はその2倍の12~14本分となる。

 ちなみにマザーボードのARGB LEDヘッダーの数は一般的に3基ほどだ。ファンがそれ以上ならARGBハブも必要になる。そしてハブを中心としたカスケード接続(スター型)になるだろう。


一般的なLEDファンは電源ケーブル、LEDケーブルの2本を接続する必要がある。ファンの数が増えれば接続するケーブルも倍々になり、配線の手間が増え、ケーブルをうまく隠すための手間もかかる

 そのような状況でiCUE LINK製品を取り入れるとどうなるのか。iCUE LINKはファンの電源、ARGB LEDの信号を1本のケーブルで伝送する。iCUE LINK対応ファンを仮に1基だけ用いたとしても、従来2系統あったケーブル配線が1本で済む。ケーブルを挿すのは末端部分だ。その意味で、このファンは搭載する向きが決まっているのだが、そこさえ間違えなければ大丈夫だ。


iCUE LINK対応ファンなら電源、LEDを1本のケーブルでまとめられる

 iCUE LINKが特にメリットを発揮するのは、複数基のファンを搭載する場合だ。PCケース内でファンを搭載する箇所は主に前面、上面、背面、底面にある。特に前面および上面は2~3基のファンを並べて搭載することが多い。

 そこで役立つのがiCUE LINK対応ファンだ。iCUE LINK対応ファンは連結できるのが特徴で、2つ並べてガチャッと連結するだけで、その部分に電力と信号が流れる。2つ並びなら従来4本だった配線が1本に、3つ並びなら従来6本だった配線が1本に減らせる。

 つまりファンが多ければ多いほど恩恵が大きい。末端にiCUE LINKケーブルを接続することで、デイジーチェーン接続(数珠つなぎ)が実現する。


iCUE LINKによって3連ファンを構築するイメージ

2つの黒いパーツを用いてファンを連結する

 上面にファン2基、背面にファン1基と場所が別れている場合は、iCUE LINKケーブルで接続すればOKだ。「iCUE LINK システムハブ付き iCUE LINK QX120 RGB 120mm PWM PC ファン スターターキット」には、長短2本のケーブルが付属する。仮に長さが足らない場合も、延長用ケーブルが単品販売されている。

 iCUE LINKケーブルには長さ10cm、20cm、60cmのストレートタイプ、13.5cmのL字タイプ、Y字の分岐ケーブルも用意されている。


離れた位置にファンを置く場合、iCUE LINKケーブルで接続する

 iCUE LINKケーブルの末端は、iCUE LINK用のハブ「CORSAIR iCUE LINK システムハブ」に接続する。iCUE LINKを利用する場合、このiCUE LINK システムハブは必須となるが、一般的なファンにおいてファンハブ、ARGBハブを用いるのと同じと考えればいい。

 iCUE LINK システムハブには、iCUE LINKケーブルを接続するポートが2ポートある。ケース内で前後、あるいは上下といった具合で接続系統を分けると配線しやすいだろう。


iCUE LINK システムハブは左右に1つずつiCUE LINKポートを備える。写真は下側は左から電源、USB、右端はiCUE LINK H150i RGBでCPUファンヘッダーに接続するケーブル用

電源ケーブル、USBケーブルを接続して利用する。iCUE LINK H150i RGBはCPUファンヘッダー用ケーブルもある

 iCUE LINK システムハブのポートには、1ポートあたりiCUE LINK対応デバイスを最大7基接続できる。2ポートあるので最大14基だ。


水冷まで加えた場合の配線例

 iCUE LINK システムハブからは制御ケーブルをマザーボード上のUSB 2.0ヘッダーに接続、電力供給ケーブルはPC電源のPCI Express 6ピン補助電源に接続する必要があるが、これは当然のことだ。これを差し引いても手間が大幅に軽減されることが想像できるだろう。

提供:Corsair Inc.
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2023年12月14日

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.